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やっぱり、色々と知らない所や知りたい所や
解らない所や…
まぁ、お互いを知るって大事だと思わない?
相手が何を思うのか…
私が何を思うのか…
※シリアスモード終了です(タブン)!お疲れ様でした!
やっと、落ち着いた気がする。
数日前までは慌しい日常を送っていたから。
レンもかなり日本語が上達し、ある程度の会話なら
すらすらと発せる事が出来るように成ってきた
けれど、なんだか最近言葉に違和感を感じる。
なんだか解らないけど…もっと話せるはずでは?と
すさまじい違和感が生まれている…が、まぁいっか
クロも、相変わらず可愛い。
私はと言うと、相変わらずと言うか…なんと言うか
やっぱりレン本人には気持ちを伝え切れていない。
和香がもうレンは知っているとは言っていたが
自分で言うのと、レンが感じるのとではまた違うものだ。
あの事件以来 時折、大人なキスをせがむようになったけど…
あれは本当に良く解らない。
突然、したいと言い出すこともあれば、不意打ちの時もある。
けれど、私が嫌だと言う時は絶対に手を出してこない。
結婚生活一年…こんなに長い間一緒に男と住むのも初めてだが
何もしないまま一年を超えると言う、あまりにも純粋な恋に
溺れているのかもしれない。
場所は変わって、動物園。
今日は見学学習の下見に訪れている。
ただし、休みなので…レンと一緒だが。
決してデートではない!
「水希!ライオン!」
子供のように飛び跳ねるレンに、私は体力が付いていけず
椅子に座ると見ておいでと促した。
アイスを食べたり、昼を取ったり、ふれあい動物コーナーにも足を向けて
サル山に向かうと
レンがいきなり猿に向かって
「水希~?」
と、なんですとぅ!!!!!!
「ちょ、私猿じゃないっ!」
「水希バナナ!猿も!ホラ」
指を指された先には、バナナを頬張る猿。
「………。」
「oh!」
指先をレンのわき腹に差し込んでやった。
「どうやら、私を猿と言いたいのかね?君は…ん?」
「スイマセン」
「えーえーどうせ猿ですよ!モンキーですよ!」
「水希ごめん」
「許さない!」
「水希!あっち!!!」
「え?」
「オオカミ!」
狼の厩舎。
怖くなったのは、レンではなく私だった。
レンは平気な顔でスタスタと歩いて狼の姿を見に行くのに
私の足は何故か進まない。
昔彼は狼と育った…今それを思い出して帰りたいなどと思うのだろうか…
「水希~?いたよ」
「ああっ、うんうん、今…行く」
獣の香り、野生の狼とは目が違う…飢えた視線を投げては来ない
沢山色々と文献をあさったり調べたりしているはずなのに
凄く怖かった。
「3匹居る」
「うん…」
昨年生まれた一匹と、その父と母。
目は死んだような目をしているとレンが言った。
動物園だもん、居るの当たり前だよね。
なんて思ったらレンは作の下から狼に何かを語りかけていた。
うん、語ってると言っても喉の奥でなんだか
重たい音を出している感じというのだろうか?
威嚇ではなさそうだけど…
その声に狼達が、こっちを見たのだ。
「うわ…」
3匹とも、昼寝をしていたのに
おもむろに起きレンの前に並んで座った。
「クォ・・・クオォ・・・」
と、声がすると
レンがニッと笑って、踵を返した。
狼の檻を後にするのに、何のためらいも無く
私は黙ってレンの後を付いていった。
「水希疲れた?」
「え、あ…うん、そろそろ帰る?」
「うん、帰ろう」
レンが自然に手を絡めてくると、その手を握り返して歩いた。
言葉に英語が混ざる頻度が減った…
私と触れ合う頻度が上がる…
恋愛脳はもう、ほおって置く事にした…すきだって…もう、認めざる終えないから
でも、時折天邪鬼な私は、気付かないフリをする。
だって…レンに嵌まり込むのは…やっぱりまだ怖い
……き
…み………き…
「水希!」
「うえっ!っはい!」
バスの中で大声で返事してしまった…
真っ赤になって、すいませんと頭を下げると横でレンが荷物を
私のひざの上に乗せた。
「寝てた?」
「いや、考え事…」
「そう…もう着く」
「うん」
帰りのバスの中、ユラユラと揺れて気持ち良いのと
それに併せて横に座ったレンの体温が心地よかった…
あぁ、もう恋愛脳が出てる。
これは右脳か?左脳か?
それを感じるのは一体どこの脳なんだろう?
とりあえず、自宅へ到着すると
レンが初めてではないだろうか?
「仕事で詰めてるから」
と、あからさまに自分の仕事について言葉にした。
「あ…うん」
うんって答えたけどさ…私って…レンの仕事知らない!
部屋に篭って何かしてるのは解ってたけど…
仕事?してるの!?
レンが二階に上がるのを見て、父の元へと向かった。
もちろん、レンの仕事を聞く為に!
「水希…お前ら夫婦生活大丈夫か?」
「う…うるさいな…」
「レンの仕事は、パソコンのプログラムだな」
「は?」
「あいつは、俺と知り合ってすぐにパソコンを触りだしたから
プログラムとかバグ修正とか…まァそんな仕事だな
それに、一応食費として毎月5万は入れてるぞ?」
いやいや、親父殿…んなはなし聞いてませんけど?
「ちょ、私から10万とってレンから5万って…どんだけ悪徳業者なのよ!」
「だから、レンの金を下げたんだよ…最初なんて20万払うって言ってたんだぞ?」
「ぶは!何だその高額!」
「な…あいつ金持ちだからな~っと、これレンに返しておいてくれ」
と、父が3万を私に手渡す。
なんだ?
「借りてた テヘペロ♪」
うん、死刑!
あほかー婿に金借りるほど困っちゃ居ないだろうが!
と、ローキックをかましたら、クゾオヤジは横倒れになり、ハンカチをかみ締めた
「どこの俳優の演技だよ」
「返しておいてね♪はにぃ~」
「うへーキモイ…」
「んまっ!失礼ねアタイは場末のバーで・・・・ごふっ」
右ストレートを腹部に押し込んで私は家へと戻った。
階段を昇りきると、レンの姿が見えず
本棚の裏が明るい事に気が付いた。
配置的には、レンのベットの足元に有る大きい本棚
その裏が光ってると言う事になる。
私は恐る恐る本棚の横をすり抜けると、3台の画面
足元に置かれたディスクトップの山
…一体いつ搬入したんだ?
「レン?」
真剣にキーボードを叩くレンの手が止まる事無く
私と目が合う。
「うわっ!水希!」
慌てて立ち上がったレンが、眼鏡を掛けている事に気付いた。
「どうしたの?」
「え?コーヒー飲むって聞いたら、返事したよね?」
「あ…あ~…うん」
あーこりゃー私に見せたくないって顔だ…
でも見ちゃったもんね~♪
「飲まないの?」
「………のむ」
触れないで置こう、とりあえずは。
コーヒーをベットの前にあるテーブルに置くと
レンもソコに腰を落とした。
「水希?」
「なに?」
「いや…」
うっわぁ~何か言いたそう…
なんか、面白い!
コーヒーと、クッキーを置いて…私はおもむろにポケットから
お金を差し出した。
「なに?」
「お父さんが借りてたらしいので返してって」
「sit!源蔵…」
怒ったようなレンにイラッと来たのでちょっと攻撃!
「仕事の事知られたくなかった?」
「え?」
「さっきも随分見られたくなさそうな顔してた」
「………。」
無言だ…珍しいなぁ…
さてと…レンは一体いつまで黙るのかな?
5分…
7分…
あ…コーヒー飲んだ
10分…
って話す気ないなこりゃ…
「私戻るわ、飲み終わったら下げておいて」
待てど暮らせど返事が来ないなら、もういいや
バナナ食べに降りよう。
「水希…」
「じゃーね」
返事なんかしてやらない!無視した罰だ!
階段を下りると、レンはまた作業に戻ったのかな?
ちょっとだけ動く音が聞こえてそれからは
シーン
レンの事、知っているようで知らない…。
それは前から思っていた。
プライベートの時間はお互いの部屋に篭る事が多い
んだけど、最近はレンが私のテリトリーに降りてきて
その優雅な時間を暖かい時間に変えてくれる。
話して笑って、時折体温を感じながら
ゆっくりと時間を過ごすのは、有る意味癒されてた…
けど…
私の知らない二階のレン。
バナナをパクッと咥えTVのスイッチを入れると
恋愛ドラマ…今見るのは危険だろうか?
『リイナ!』 『レイン!!』
二人は抱きしめあう…。
うん、こんくらいなら…レンもしてくれてるな。
『リイナ!』 『レイン!!』
二人は唇を重ねた…。
うん、これもクリア…。
『リイナ!』 『レイン!!』
二人は…身体を重ねる。
「うわぁ、ダメダメダメ!」
手で目の前を覆った。
いや、レン以外の人とした事無い訳じゃないんだけどさ?
でもね?さっきまでレンとの事に変換していたから…
と言うか、レンと”する”事を思い描くとやたら恥ずかしくなった
「したいの?」
ぞわっ…背筋が急に耳から入り込んだ音に反応した
そしてその声に、私は恐る恐る振り返ると
「うわああ!レン」
コーヒーカップを持ったまま、私の後ろに立っていて驚いた。
ん?まてまて…今コイツなんて言った?
”したいの?”
なに、なにを?
ちょーーーーっとまて!
狼のチェリー君は、とんでもない事を言い出す!
「ごちそうさま」
カップをユラユラと私に見せて、彼は頬にキスを落とし
階段を上って行った…
なんか、おかしいだろ
なんだこれ…
唖然として、私はレンの上がっていく姿を見送るしか出来なかった。
” したいの? ”
いやいや、レンクンはもう少し純粋な子では?
でも、もう25歳…性欲ってのは全く無いと言う年でもないよな
捌け口になっていない私。
自分で処理してるんだろうなぁ…なんて思うと
頭から爪の先までカッと熱が走った。
だめだ、今はそれを考えるな!
私の中の信号機がレッドゾーンのまま慌ててチャンネルを変え
耳に手を当てる…。
あの言葉が…何度も蘇る。
だめだ、このままでは狂ってしまう!
和香にメールだ!!!!
********
明日遊ぼう!
********
明日ダメなんだよ~彼氏来るの
********
そう言えば和香の彼氏と会ったこと無い!
********
えー?会いたいの?
********
見たい!ダブルデートするべし!
********
レンクンとデートでいいんだ?
********
あ…違う!和香に会いたい!彼氏が見たい!レンはどうでもいい!
********
うそつき(笑)レンクンと市乃新(←彼氏の名前)合わせて見たいし
明日、ダブルデートなら一緒にしても良いよー?
ただし!こっちも久しぶりに彼に合うから
夜は別行動ね?イチャイチャさせろ!
********
市乃新!?歌舞伎役者みたいな名前ですな!
かしこまりました!レンに相談しておきます!
********
12時半マークタワー前集合!以上!
********
ワ━ヽ(*´Д`*)ノ━ィ!!!!
********
こうして…ダブルデートは取り付けたが…
さて、あの無言男にどうやって伝えようか…
あんな言葉投げかけられて、どうせっちゅーんだ!!!!
翌朝…結局言えなかったので朝食中ではあるが
作戦実行!
「レン!仕事落ち着いた?」
「……ん~まだ、もう少し掛かる」
「あ…そうなんだ」
ってか、あれ?
言葉が…おかしくない?
「ね、ねぇ?昼までに終わるかな?」
「え?あ~後1時間位で終わると思うよ」
「……レン?」
「ん?」
「アンタさ…言葉スムーズすぎてキモイんだけど」
「え?あっ…」
急に真っ赤になるレンに、不思議そうな顔を向ける
と言うか、不思議だもん!
手で口を抑えるレンが不思議で、横から覗き込んだ
「違う、だめ…水希近い!緊張、言葉ない!」
「は?」
「緊張する!言葉でなくなる!頭白くなる!」
「は?」
いや、バカにしてるんじゃないの…良くわかんないの…
なのにムッとしてこっち見るレンに、ドキッと胸が鳴った
「あ、と、とりあえず、昼でかけるから…」
「どこ?」
「え?あ、マークタワーに和香と会いに行く」
「わかった」
レンは…仕事忙しいみたいだから誘うのをやめた。
だって…ここに来て新しいレンに出会いすぎ!
言葉スムーズだったり…あんな事言ったり…
イヤイヤマテマテ・・・
それより、緊張って何だ?
一年…一緒に暮らしてるのに今更?
キンチョウ…って、蚊取り線香じゃないよね?緊張だよね?
父と話している言葉を聴いて母と話してる言葉を聴いて
時折ではあるけど、変に思ってた
言葉が話せるの?と、出会った当初聞いた時に
彼が言った言葉は…
少し話せる…だったはず。
うーん、謎深い男だ・・・ 桑本レン
「んーどうすっかなぁ…」
レンは、既に二階に上がってしまい、今は私一人
和香のデートの妨げはしたくないし、今回は出かけるのを諦めるかな?
茶碗を洗い終えると、カウチに腰を掛け、読みかけの本に手を伸ばして
止めた。
携帯へ、メールを入れる。
********
レンが仕事有るみたいなんで今日は大人しくしてる。
ごめんね、私一人で行っても邪魔になるだけなんで
また誘って~♪
********
10分ほど返事が帰ってこないので
私は携帯を放置して、ベットに横になった。
本を読む気分にもなれずボーっと天井を見上げる。
レンは、結構話が出来る…そして、緊張して私と話すのは
片言になる…と言う事か?
さっきは仕事があったから…意識しないで話を出来た…と言う所か?
ブーッブーッブー…と、バイブ音で、私は携帯を開いた
********
レンクン来れるってメール来たよ?
時間は、伝えたから待ってるね(゚ー^*)
********
ちょ、和香選手なにやっとん!!!!
私は慌ててレンの居る二階の階段の所まで進んで、動けなかった。
なんか、上がるの怖い。
不用意に聞いてしまいそうだから…。
それに、拒否られるのも、怖い…
「レン?和香からメール来た?」
「うん、行けるからメール送ったけど…」
「……。」
階段越しなら普通に話できるのか?このヘタレ!
「ダブルデート…だそうだけど」
「うん…デート、水希する」
こらこら…なんだ急に意識したのか?
「あのさ…仕事昨日も遅くまでしてたみたいだし
無理しなくていいんだよ?」
「もう終わる、大丈夫、デートしたい」
「……わかった」
レンの押しに?負けたのでとりあえず行く事を前提に
着替えなどを済ませる事にした。
それにしても…レン、一年も緊張しすぎだろう?
なんでそんなに緊張しながら喋る必要あんだよ…全く。
でも、そこがなんだか可愛くも思った…
まぁ、可愛いという言葉がすぐに覆る事になるんだけど
二階のレンが、着替えて降りてくるとそのまま風呂場へ消えた。
水の出る音からするに…洗面台で頭洗ってる。
位は解るんだが。
私は化粧を終え、少しは可愛くと短い髪にワックスを付けて
動きをつけると、ふんわりヘアーの出来上がり!
うっし、準備万端!
ちょっとスカート短すぎないかな?とは思うけど
まぁ、相手はレンだし…そんなに怖いとは思わない
口紅は、あまり濃い色が好きじゃないので
薄いピンクで、準備万端!
11時になろうとしている時計を見やって
レンに声を掛ける
「用意終わった~?」
「ん」
風呂場から出てきたレンは、やっぱ、カッコイイ…
ワイシャツの上に、ニット … って学生?
まぁいいや…ジーンズ姿で…それが似合ってる
やっべー美味そう…はっ!違う違う!
うぉぉおお!忘れよう、うん、こんなのただのクソ狼だ!
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