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ダブルデートと…あいなりました。
うん、デートと言う名目で一緒に行動した事無いのだけど
いいのかなぁ・・・
なんだか、ドンドンレンに汚染されてきてるわ
「和香~!」
「あっ!水希」
マークタワー前に10分前に到着したのだが、和香の姿を見つけて
私は和香の元に駆け寄った。
ピンクのワンピースが可愛いのに、ボディラインが
綺麗に出ていて、凄く可愛い…。
「和香可愛い」
「ありがとう!水希スカート…短い」
「あはは…やっぱ短いか…もうアウト?」
「全然大丈夫だよ」
なんて、女子トーク♪
レンが後ろからやっとたどり着くと、ニッコリと笑って
和香に挨拶をする。
「あれ?市乃新さんは?」
「あ~いっち~遅れるんだって」
「いっちー?」
「市乃新だから、いっち~」
和香に連れられて、中へ入ると色々な店が立ち並び
人の多さに、ウーンと悩んだ。
「どうしたの?」
「ん、レンがさ…前人酔いしてるんでもしかしたら」
「あ~…そっか」
そんな会話に大丈夫と伝えてきたレンに
私は肘鉄をぶち込んでやった…。
「イタイ…」
「具合悪くなったらもともこもないでしょ?」
「でも、今そこまで緊張ない!あの時緊張一杯だった。」
「具合悪くなったら言ってよ?」
コクコクと首を振り、レンがにっこりと笑った時だった。
「和香!」
その声に和香の顔付きが、変わった。
「いっちー!」
私達が、見てる中抱き合いキスを交わす。
スーツ姿のいっちー事市乃新さんは
175センチ程の身長と、髪を全て後ろに流した黒髪。
そして、私達に気づいてスマートに
頭を綺麗に下げた。
「今日は、ヨロシクレン君と水希君」
学校の先生か!?
てか!私、男に見える?
ヤバイ!レンと私…もしかしてBL?
いやぁぁー!
「瀬川市乃新と申します」
手を差し出した先はレン。
レンも、ニッコリ笑うと
「桑本レンです、ワカさんには水希共々お世話になっています。」
とまあ、スンラスラ…
和香が驚きの表情をしているけど
うん、判るよ!
悪いけどレンにここまでの挨拶能力あると思ってなかったから。
「桑本水希です」
ペコリと私も、頭を下げると挨拶完了!昼ご飯を食べる場所を探す事にしたが…スーツ姿の彼は浮く。
仕事帰りなのでと、本人が苦笑いする位は違和感たっぷり。
「あーっと、レン君?良ければ服を選んでもらえ無いだろうか」
と、野生児に頼むからビックリ!
和香に頼めば無難なの見てくれるだろうに…
「うん、俺行く」
「じゃーレンクンお願いね?」
「この先のモスコでお昼頼んでおくね?」
と、ここで男女グループになり別れた。
「ねー?いいの?あんな野生児で」
「えー!?レンクンセンス良いでしょ?」
うん、全く気にしてなかった…
「そう…なんだ?」
「さー私達も行こう!」
と、和香に引かれてモスコへと入る。
モスコとは、ファミリーレストランで、沢山の品揃えがあり
好き嫌いの多い人でも間違いなく頼める!位の品はある。
そこで席を案内され、座るとメニューを広げた。
「レンクンの好きなのは?」
「へ?」
「え?いやいや、へ?じゃなくて注文!取るからレンクンの好きなの聞いたの」
「…あは」
「…あんた、一年何やってたのよ!」
「あっ!ラーメン!」
「は?」
「ラーメンが好きだよ!…多分?」
はい、盛大なため息ひとつ貰いました!
「いいよ、二人が来たらまた決めよう。」
「ゴメン…」
まさか、旦那の好きな食べ物すら把握していないとは、流石にレンクン可哀想だ!
等と、グダグダに怒られてしょんぼり。
はい、仕事のこともつい先日知りました…
「レンクンの事好きなんだよね?」
「はい、一応…」
「じゃーさ、レンクンなら何頼むかな?水希の食事。」
「…バナナ?」
「ぷっ!あんたまだバナナ依存してんの?」
「依存言うな!」
うん、ホント。
レンの事知らないなー。
なんて考えていたら、レンと市乃新さんが帰ってきた。
「うわっ!」
黒と白の2枚襟のシャツに、ジーンズ。シンプルだけど、メッチャカッコイイ!
てか…和香の目がハートだ…
「お待たせ。」
年上の風格ってーの?
sexyだあー!!和香の彼氏すげーモテそう…
「お帰りいっちー。」
「ん、ただいま。ってあれ?飯頼んでないの?」
はい、私の不徳の致す所です。
「レンクン!水希悩んでるからさ、食べたそうなの見てあげて!」
と、和香がレンにメニューを渡すと
ペラリと数枚めくって細くしなやかな指が這う。
「コレ」
ピタリと止まったのは、バナナ!?ではなく、アサリのリゾット。
まさか、これを指差すとは思わなかった…だって、さっき見ていた中で
一番食べたかった物だから・・・。
「うん、それで良い…」
なんか、私すごく残念な人になってない?
レンの事ほとんど知らないし
なのに、レンは私の事知ってるし…
奥さん失格。
だなぁ。
結局レンは、白身魚とほうれん草のクリームパスタを選びました。
うん、麺類好きなんだね?
ちゃんと覚えておきます。
しかも、大盛り。
うん、大食いなのは知ってるのよ。
だって家で出した母の、激ウマ料理残さず食べるし。
私の残したものとか食べたりもするから…。
「レンクンは、何処か行きたい所無いの?」
「まだ、日本1年目…」
「あーそうだよね。」
和香が、ニンマリと笑い行き先は
プリポレランドに決められた。
プリポレランドは、アミューズメントパークで、ジェットコースターや、観覧車なんかがあり
若者が、やたらと好む場所であり
絶叫系は、私の最も天敵とも言える存在。
ありえん!和香のバカッ!!!!
でも、人はそんなに多くない。
近くにある、ニャンコランドと言う豪勢なアミューズメントパークの方が
人の流れが良いからなのだが…。
レンの事考えてくれてるんだなって、改めて思う私は
うん、奥さん失格…
「いこー?」
和香と市乃新さんが腕を組み、私とレンは…
どうやら、イチャイチャしたいらしいので、突き出してきた腕に
私も腕を絡めました…はい。
和香が側に居るのに恥ずかしい!なのに和香は、
そんなの微塵にも思ってなさそうに市乃新さんとのラブラブデート
あてられそうだ…
「レン?私レンの事あまり解ってない事多いよね」
「んー…そうでもない!」
「そう?」
「うん…タブン」
くぉらぁ~タブンって何だタブンって!
いやいや、タブンで良いんだよ…解ってないもん。
「絶叫系すき?」
「絶叫?」
「えーっと…うーん…」
絶叫ってなに?
うーん?英語嫌い~!
と思ってる横で、クスッと笑い声が聞こえ、低い声でそれはレンに伝えられた
「You like Roller coaster?」(あなたは、ジェットコースター好きですか?)
「…乗った事無い」
「クスクス、そうか…俺は、飛行機乗ってるお陰か、
全然怖くないんだよな~和香はすぐダウンするし…
レンが乗れるなら一緒に乗ろう?」
なんて男同士で、ラブラブ!?
あー…和香が苦笑いしちゃってる…。
レンは目を輝かせてOKなんて言っちゃってるし…
邪魔してるなこりゃ…
そう思いながらも、パーク内に到着すると
早速皆で度胸試しの一本!
ぎゃーーーーーーー!!!!!!!!!
「無理無理無理無理むり~~~むーーーーーり~~~~~」
はい、無理しか叫んでません。
横でレンは涼しい顔してるし…むかつく!
と思ったんだけど…コースターを降りる時に
カクンと膝が笑ってるレンに手を貸したのは私だった。
「あんな乗り物、知らない」
まぁ、遊びで作られたものだしねェ…
穏やかに乗れるものではないわなぁ…
と言うことで、市乃新さんの連れは和香に決定!
良かった…。
別々に乗り物に乗ろうという提案は、レンから出された。
もう二度と、アレに乗りたくないらしい…。
私達は、のんびりとパーク内のコーヒーカップとか
何故かレンお気に入りのメリーゴーランド…んでもって、観覧車に
乗り込もうとして、お二人と遭遇。
「和香!」
「あれ?水希一緒に乗る?」
「えー観覧車は、ダーリンとでしょ~?」
「ぶーっ!確かに!でも、いっちー高所恐怖症で何もしてこないから
一緒に…って、あそっか、水希も…」
「いやいや、待たれよ!一緒に行こうではないか!」
「何その時代劇」
「あは、レンは…そう言うのしないと思うし…」
うわ、和香さん目が丸くなってますか?
うひゃ~近い近い!!!!とおもったら、耳打ちが…
『まだ、エッチしてないの?』
ぶっはー核心きた~
口では答えられなくて、コクコクと首を縦に振った。
夕暮れが、だんだんと暗闇を作り出していく。
そんな中、4人で乗った観覧車は静かに浮上して行った。
ユラユラと揺れながら、時間を掛けてゆっくりと頂上を目指す。
いやーロマンチック♪
前に座る二人は、指を絡ませた恋人繋ぎで、
頂上を迎えようとしている。
私は、レンに手を絡め取られて、繋いではいるけど、
指を絡める事はしなかった。
静かにゴウン…と一度揺れると辺りの景色が
光をともしている事に気が付き、息を吐き出した。
レンの腕が私の肩を抱きかかえて来て、びっくりして
レンを見ると、ニッコリと微笑んで口に軽くキスを…チュッとしてきた。
ん?…いやまて!
前に人がいるのをお忘れではございませんか?
と、慌てて振り向くと、苦笑いの二人と目が合い
真っ赤になった。
でた!どこでも構わず外国人!
「レン!」
「水希怒るよくない」
なんて…言ってるけど
レンの手…実は震えてる。
キスした辺りから…
怖いのかな?…私に怒られるの
「水希?今日はこれで最後でいい?そろそろ夕飯しよう?」
和香ナイス!話の論点ずれてくれるとありがたい!
「うん!…って、え?」
私たちの前で、市乃新さんが和香にキスを…って…
なんがーい!!!!!!
「あ…レン凝視してる」
「なっ!」
「あ、声に出てた!」
「みーずーきー」
「あはは、ごめん」
はい、これで場の雰囲気壊しました。
「レンに負けてらんないでしょう?
いくら日本人じゃないからって言ってもさ?」
なんて笑う市乃新さんは、うん、スマートだなぁ…。
「それに、水希ちゃんだけロマンチックに浸らせると
ウチの姫が寂しがると思ってね?」
「ちょ!何言うのいっちー!」
わいのわいのと、観覧車を降りる頃には
怒った和香が市乃新さんを、レンが私を怒りながら降りる羽目になった。
夕食は、ディナーです。
と言っても、堅苦しい所ではなく、服装は自由の
フリースタイルでは有るが、一応ホテル。
レンのテーブルマナーは、父が教え込んだと言ってたが…
上手に出来ていて、和香が驚いていた。
食事を終えると、私達は二人と別れ、これから来るであろう
和香の甘い一日を応援して退散した。
「水希?」
「ん?」
「疲れた?」
「大丈夫だけど?」
「どこか行きたい…」
レンが言い出すのも珍しいので、近くのバーへと足を向けた。
酒は飲めると言うので…。
でも、こっちに来て一年、飲んでいる姿は
父と一度だけ酒を酌み交わしてるのを見たっきりだった。
カランと、足を踏み入れると、レンガ調の内装に樽の置物など
結構オシャレな雰囲気。
「私カンパリオレンジ…レンは?」
「バーボンのロック2で」
「ちょ、ロックなの?」
「うん…だめ?」
「え、いや…ダメじゃないけど」
「酒…飲めば緊張解ける」
「あ…1年間の緊張?」
「うるさいよ…」
クスクスと笑うとグラスを持って軽くカチンとぶつけ
口へとゆっくり流してやる。
体が飲み込んだ液体で軽く頬を赤く染めると
レンは饒舌になって行った。
「クスッ、水希顔赤い」
「ん?うん、結構弱いからね…いけても2杯かな?」
「自分の定量解るんだね?」
「ん…まぁ、それ以上飲むと感覚麻痺するから嫌いなの」
「へーそれって自己防衛強いって事だよね?偉い偉い」
ちょ!ドンだけ違うんだ!!!!!
しかも、レンの目…深い緑の奥が…獲物みっけたような
そんな目をしてますけど~?
うっひゃー怖い!
「どうした?」
「はえっ?」
「声、裏返ってるよ?」
「うわ、レン…アンタ普段ドンだけ緊張してんの?」
「ん…こんだけ?」
「こんだけって?」
「この言葉の数だけ…俺人に言葉美味く伝えれないから」
「いや、レン先生!今は十分伝わってますけど?」
「うん、こうやって話をする相手は父だけかな」
「え~?」
「ごめんね…どうしても、緊張しちゃうんだ…あ、おかわり下さい」
何だコイツ…
すらすらどころの騒ぎじゃない…
「それにさ、前水希怒ったでしょ?俺に…話せるのにって」
「………あ!」
「うん、それも結構効いてるかも」
「うわぁ、ごめん…でも、アレってバカにされてると思って…」
「緊張してた…だけ」
「ごめんね?」
「うん」
会話が…すらすらなんですけど?
どこでどう間違えた?
うん、最初から間違えてたか……
「ね?こっちおいでよ」
「は?」
「水希の温もり無いと寂しいよ」
なんだこの、エロイ人!
「い、いきません」
「じゃー俺がそっち行くけど?」
ちょ、なんなのこの積極性!!!!!
「………。」
非常事態です父さん!
すぐさま、レンを捕獲して生け捕ってください!
クスクスと笑うレンが、楽しそうに私の左手をいじくってますよー?
恥ずかしいんですけど~?
「ん~水希?」
「はっ!はい!」
「あ…俺の緊張解けたのに水希が緊張してる」
「う、うっさいわボケ!」
「ひどいなぁ…、で…俺に聞きたいことあるでしょう?」
「は?」
「無いかい?」
「あーいや…有ると言えばあるし、ないと言えば…ない?」
「仕事の話…」
「あ…」
遊ばれてた手が、レンの指の間に入れられ
恋人繋ぎをした手の甲に、キスを落とすと
レンがニッコリと笑って究極の、タラシ言語を使いやがった
「水希かわいい…」
ありえんありえん!誰か助けて!
一人で汗を垂れ流し、目を泳がせているのに
そんなのお構いなしで、レンは仕事の話を始めた。
「プログラマーって言ってるのは正解なんだけどね?」
「はぁ…」
「捕まる事じゃないから安心してね?ハッカーって解る?」
「え?あの人のパソコンに侵入して悪戯するヤツ?」
「うん」
「え?捕まらないって?」
「ハッカーってさ、悪い意味に取られがちだけど、ちょっと違うんだよね
Cracking(クラッキング)とは違うから…」
「クラッキング?」
「うん、ハッカーって本来はパソコンの知識の深さ…だから」
「ほぇー…なんだか解らんが…悪い事ではないんだよね?」
「うん、確かに他のパソコンに進入する事も有るけど…
それを悪用すれば、クラッキングになっちゃうんだけどね?」
「あ、そうなんだ…どんだけドラマ状態と思ったわ」
「クスクス、やっぱり水希かわいいね?」
「う…恥ずかしいからやめて」
また、レンは指を絡めては私の指先や爪をはじいたりして
遊びだした…もう、勘弁して欲しいんだけど~~~~~~
「だから、その仕事をしているんだ。」
「請負は政府、だから給料もちゃんと入る」
「ちょ!むぐっ…」
『静かにしてね?公表はあまり出来ないんだ。
大声で言ったら、耳食べちゃうよ?』
なななな!なんですとぅ!
いきなり、口を手で塞いできたレンが、耳たぶに唇付けて話すな!!!
ぐあー心臓凄いよ!もう、100メートルダッシュ所じゃない!!!!
「でね?」
「はい…」
コイツ…酒飲んだら狼だ…
ってか、地がこれなのか…恐ろしい男だ
「俺さ…あの時…あいつのパソコンに侵入しちゃったんだよね?
ちなみに、本当はしちゃいけない事だから、こればれると…コレ」
両の手が前に出され付け根を合わせる姿で、逮捕を意味するのだろう。
「……?あいつって?」
”野村楓”
「っ…」
まさかソコで出るとは…
「だから、俺話してちょっと入手した情報を
野村に伝えてるからもう、水希には手を出してこない」
「あ、そうなんだ…」
「うん、安心した?」
「う、うーん?…まぁ?」
「うっわぁーもっと喜ぶと思ったのに…
俺間違えたかな~?」
「あっ、ごめ…ピンと来てないだけ、でも
来ないと言うのであれば…うん、凄く嬉しい」
「水希?おかわりしていい?」
「ちょ、何杯目?」
「まだ5杯だけど…」
「私まだ1杯目飲みきってませんけど?」
「まだ話するでしょう?」
「うー…うん」
「じゃーおかわりください~」
レンさん、あんたザルか?
言葉聴いてる限り、呂律が廻らないとかも無いみたいだし
ちょっと、エロ度上がってる気もするけど、それでも
普段甘えてくる時と殆ど変わってない……って事は酔ってないよなぁ…
カラン…と、グラスの中の氷が溶けて形を変える。
そんな中非常事態はまだまだ続いています。
「で、水希…あの時の話しようか?」
「あの時?」
「初めてキスした時の話」
「っ…なな、なんで?」
「聞きたいから」
「私は話したくないっ!」
「そうなんだ…嫌な思い出だった?」
「え、あ…いやそうじゃないけど…」
「あの時ね、凄く嬉しくって枷外れちゃったんだよね」
「え?」
「水希話したくないみたいだから、俺が話すよ」
饒舌にも程が有る!
何だこのエロ男!私の左手そろそろ手汗で酷い事になりそうなんだが…
「あ、でも俺まだ、誰とも性行為した事無いからね?」
こらこら、童貞をソコまではっきり言わなくてもいいじゃないか!
「でもね、あの時かな…初めて、したいと思った」
「うえぇ?」
「凄いよね…好き過ぎて緊張しっ放しなのにちょっと触れただけで
もう、ダムのように溢れ出ちゃって水希が止めてるのに気が付くまで
結構時間掛かった…」
「な、生々しいんですけど?」
「そう?」
「う、うん…そしてなんだか恥ずかしいんですけど…」
「気にしないで聞き流してて良いよ」
聞き流せるモンならとっくにしてるっつーの!
バカかお前は!
「こうやって…水希と話せるのが凄く嬉しい…
緊張し続ける自分にホトホト嫌気が差してるしね」
「…そうなんだ?」
いっそ、ずっと緊張していてください!こんな
野放しの野獣怖くて仕方ないわ!
「水希って、スッパリ言葉を掛けてくれるし
俺の言いたい事読み取ってくれてて凄く嬉しい」
「あ、私も…バナナのタイミングが凄く絶妙で
レンから貰うバナナは今まで一度も断った事無いのが
嬉しいかも」
「そうなんだ?」
「う、うん…」
「なんか、本当にこうやって話せる日…来るのかな?」
「今話してるぞ?」
「そうなんだけどね?酒の力借りてる時点で…OUTでしょ?」
「……んまぁ、そうなるのかな?」
「水希…ごめんね、こんなんで」
「は?それを言うなら私だってこんなんだよ?」
「水希はいいの」
「…わけわからん」
「酔ってはいないんだけどね?」
「うん、それは口調聞いてれば…解るよ」
「そ?ありがと」
「ん…」
どうしたこの甘い雰囲気!
ここまで甘いと、昔だったら100%ホテルに連れ込まれましたが?
いやいや、だからってレンを連れ込みはしないけど…
結局レンは10杯と言う訳の解らない
水を飲んでいたのか?と言うような具合に飲み
私は1杯と半分で終わった。
レンの話は終始、今までの思っていた事、したかった事
そして、した事に対しての、謝罪もあった。
4時間ほど掛かって、やっと全てを聞き終えると
本当に自分は愛されてるんだと実感できた。
その前から伝わってはいたが、流石にここまで饒舌に語られると
本当に甘い蜂蜜のビンにドップリ漬かってるんじゃないかと
錯覚するほどだ。
そして…レンと一緒に過ごすようになってから1年
その年月は今までの彼達を抜いた。
「水希…俺は水希の嫌がる事はしたくないし、
欲だけで水希を汚したくも無い ただ…俺には解らない事があって…
水希が俺をどう思っているか、それが…怖い。」
帰り道、二人で歩いていると急にレンが言い出した。
そう、私はレンに好きだと伝えては居ない。
「私は、レン…お前を夫としてみているし、ちゃんと恋愛感情も
あるから…不安がるな」
「水希?」
「好き…だから」
「え?」
「いや、だから…好きだって言ったんだ」
「水希?」
「あーもーっ!何でもかんでも疑問系にするっぶ!」
酒の香りが、ふわりと漂い、私はレンの腕の中にすっぽりと納まった。
「水希、俺好き!?」
「…うん」
「嬉しい!」
「うん…」
温かい腕はギューッと私を抱きしめ、そしてゆっくりと離れると
レンがそっと首を横へとずらした。
顎の下に差し込まれた指先が、真っ直ぐ前に固定され
きっと、来るであろうレンのキスを待つ形となった。
「水希…」
きついアルコールの香りが、鼻腔をくすぐり、本来のレンの香りとは
全く違うものではあるが…柔らかい唇は私の唇を軽く吸い上げ
舌先で下唇のリップラインをなぞられると、ゾクゾクと湧き上がる快楽。
舌先をそっと差し込んできたレンに答えるように
私はその舌先に自分の舌を絡めた。
今までに無いほど…甘いキス。
「んっ…」
「っは…」
今日は彼を拒む理由は、無かった
「んんっ…」
口角から、流れ落ちる唾液が、街頭に照らされて
テラテラと怪しい光を放ち
レンの手が腰に回されると、私はそのまま体をレンの腕に預けた。
絡まる糸のように、長い時間口付けを交わすと
そっと、レンが離れた。
私の唇の口角に親指を這わせ、滴った雫を救い上げると
ペロッと舌先でそれを救い上げ
もう一度抱き締められた。
フレンチキスなら、何度かあったが、こう言う深いキスは
3度目…いや、2度目か。
実際一度目は旅行の時、二度目は不発だったが…寝たフリをしていた
私にレンがたった一度だけ、キスを仕掛けてきた事があったのだ。
舌が怪しく動き回ったのは一瞬で私が、ん~っと声を上げながら
寝返りを打つと、ゴメンナサイと小さく囁いて、消えて行った。
コレはきっと、レンに言うことではないし私の中だけのカウント。
本当は嬉しかったから…。
そして今回の3度目はレンの思いが詰まっている今だから
凄く気持ちが良かった
恋愛脳上等!などと思えるほどレンのキスに溺れた
それから、二人で手を繋ぎ自宅へ戻ると
クロがレンの口の匂いを嗅いでくしゃみを連発していた。
クスクスと笑い、私が
「お酒臭いって~?」
と言うと、クロに向かって
「ん~そうか?…そんなに飲んでないんだけどなぁ…」
なんてとんでもない事を口に出しやがった。
「あれって、飲んだ内に入らないの?」
「ん?んー…日本に来て初めて飲んだ感じはするけど
アメリカではもっと飲まされてたから」
「うへーザルだザル!」
「かもね?」
なんて笑いあった。
その後は風呂に入り、あ、もちろん一人でだよ?
化粧落として寝る準備。
いつもより遅い時間だし、いい加減寝ないとだ~なんて思って
レンを見ると、クロに包まれて床で寝ていた。
「やっぱり、酔ってたんじゃ?」
なんて口にしても私を見るのはレンの目ではなく
クロの目だった。
好き…そう言う思いが湧き出ると、やっぱり側に居たくなる
本当にこの恋愛脳は、大概にして欲しい。
レンの髪を撫でながら癖で曲がった先を伸ばし
離すとまた戻る…それが面白くて何度かやっていたが
レンが起きる気配も無いので、私は寝室から毛布を二枚持ってきて
レンに一枚を掛け、頭を私に膝の上に引き上げて
自分も毛布に包まるとそのまま座って目を伏せた。
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