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なつめっぐ 保管場所

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狼と私2章⑮

レンと逢い、話をする事が叶った。
だから…私は帰らなければならない

離れがたいと…今なら思う。
見送られない辛さも

ここで知る


助けて…と彼は言った。
だから、出来る限りレンを助け出せる方法を考えるしかない。
どうにかしないとこの場所に彼を置いておくのは
危険だから。

性格がこれだけ変わってしまうまで気付かなかった私も
悪いと思うけど…。
でも、知ったら助けに来れる…何かしてあげることも出来る。

コンコンと、今度は扉がノックされた。
レンと私は、手を重ねお互いの体温を感じている。
抱き合ったりはしていないけど、それでも
少しでもレンの体温を逃したくなくて…黙って手を握った。

「やっと逢えた」

と、探偵さんがジョイの後ろからひょっこり顔を出した。

「ごめんなさい…」

「いやいや、逢えたんだったら良かったよ…」

と、私の正面に座った。
私の格好に驚いたのか、レンの顔を一度見て私の顔を見る探偵さん
恥かしくって視線を背けるけど、レンは真っ直ぐ彼を見ていた。

そんな様子を一度確認してから
探偵さんが、その場で口を開きだしたので
私とレンとジョイさんは黙って椅子に座りその話に耳を傾けた。

水希が、危ないと言うのが…十分に伝わっただろうか?
「依頼者の心当たりは…メリッサか」
と、ジョイが言うとレンの肩がビクッと揺れたのを
手を繋いでいた私にまで伝わってきて
レンを覗き込んだ。

「メリッサは…怒ってるかもしれない」

と、レンの口から出た言葉に今度は皆がレンを見る。
自分を…メリッサに与えた事をゆっくりと話し出し
最終的には何も出来ずに終わった事を…忘れている記憶の断片を
拾い集めるように言うレンに、私は嫉妬を向ける事は無かった。

他の女にも嫉妬と言う言葉が向かないのは
レンの心が無い事に関係してくる。
彼はただ…どうでも良いから好きにしろと…
女を受け入れてたに過ぎない。

実際目の前でその行為を見た時も
イヤだったし気持ち悪かったけど…受け入れるのは早かった
それだけ軽い気持ちなのかと言われるかも知れないが
そうじゃない…

今のレンは、レンじゃないんだ。

「…レン、あれほどやめろって言ってるのにったく」
「ごめん…もうしない」
「今頃素直になるな!気持ち悪い」
「…あぁ…そうだな」

と、その時薄く笑ったレンにジョイが目を見開いた
少しずつでもいいんだ…笑えレン…

そして、自分を思い出して…
私にはそれしか出来ないから、その手伝いをいくらでもする

「明日その依頼者には逢うが…
水希さんの報告書は渡すんで」

と、探偵が言うので私はコクッと首を縦に振った。
何が起こるかは…解らないが
その時、私を拉致しろと言う命令もあったと言う。

犯罪に手を染める気は無いからと
その申し出を断ったが、調べるのは任されたという事だった。

「なんで調べられるのが水希?」
「そりゃーお前…「ジョイさん!ちょっと…」

レンが不思議そうな顔をしているのをほっといて
私はジョイさんの手を引いた。
少し離れた所で、ジョイさんに告げた

「これは私への攻撃かもしれないけど
レンには迷惑を掛けたくない…今は自分を取り戻させるのが先だから
探偵さんも居てくれるしガンバルから…レンには何も言わないで」
「え?」
「これ以上レンを追い詰めたくないの」

と区切った所で、レンが私の背後からギュッと抱きしめてきた

「え?…レン?」
「ヤダ」
「な、なに…が?」
「置いて行かれるのヤダ」
「どこにも行ってないじゃない」
「うん」

だだっ子か!?

何が言いたいのか良く掴めないが
側を離れたのがイヤだったのだろう…
私はレンと先程のソファーに戻り腰を落とした。

「レンをどうやって取り戻すか…」

と言う議論が行われていたが、アルを説得するのが先だと言うことを
レンが言い出したのだ。
確かにソレが手っ取り早い…
でもソレが出来たなら…恐らくレンは今頃戻って来れているはずだ
ソレが出来ていないと言うことは…説得に時間が掛かる。
と言うのを知らしめて居る様な物だ。

探偵さんが時計をしきりに気にしだしたのを
横目で見ると、レンもソレに気付いたのか
私の手を強く握った。

「レン…アルさんの説得をしてくれる?」
「する」
「うん、大変だろうけど…」

他の女に触らせるなとは…流石に言えなかった。
人が居て恥かしいのもあるが、それだけじゃない
レンに触れたい女が沢山いるのだとここで知った以上
必要以上に気を張らなければならないかもしれないから…
それなら、自分が我慢をすれば良い…
レンは自分の思うまま…動いて欲しかった。
偽善かもしれないけど…
レンが大事だから、壊れてしまわないように大事に扱いたい
「では、水希さん…もっと一緒に居させてあげたいけど…」
「解ってる、探偵さんありがとう・・・10分だけ時間をくれないか?」
「5分だ」
「うん…」

探偵が、ジョイと部屋を出て行くと
私はレンの体温を忘れないために抱き付いた。

「レン…置いて帰る事…許してね」
「うん」
「レン…私はレンを愛してるから」
「水希…俺も愛してるよ、きっとずっと愛し続ける
水希が居ないのは死んでると同じだから」

「だから、レン約束して…私が言う事は全てレンの事を思ってると
そして、他人から聞いた言葉を鵜呑みにしないで自分を傷つけないで」

「解ってる…それを今日水希から教わった」

互いに引き離される思いに涙を浮かべるしか出来ない
時間がさっきまで巻き戻れば…まだ1時間は話す余裕あるのに
なんて…くだらない事まで浮かんでくる

「離れたくないね…」
「ん…離したくない」
「手紙…ジョイさんの家に出しても良い?」
「俺も書く」
「レン…また、逢えるよね?」
「逢うよ」
「うん…」
「水希…愛してる」
「私も…」

そして…離れると、レンに笑顔を向けた。
それが精一杯…
けど、レンも引きつりながらでも笑顔を見せてくれて
涙が零れる。

「送れないけど…」
「解ってる…」

手が…離れて部屋のドアへと身体を滑り込ませると扉が閉まった。
レンを中に残したまま…。

「うっ…っふ…」

もう一度開けたいと扉に手を伸ばして、その手を握り締めた。
涙で前が見えないが、申し訳なさそうに見てる探偵さんと
苦笑いを向けてくるジョイさんの側へと走っていくと
ジョイさんに、レンをお願いしますと伝え、探偵さんとその場所を離れた。

帰りのタクシーの中は私の涙と嗚咽で
探偵さんは何も言わず肩を優しく抱いてくれていた。
【Ren】

パタンと閉まった扉をただボーっと見てた。
今まで何かが優しく自分を包んでいた…夢?

違う、水希だ…。

いきなりすぎて…自分が何を話したか
実際良く覚えていない。

頭が最近働かない…。

今まで抱きしめていた水希の香りが俺に移ってて…
自分の身体を抱きしめると、やわらかさが全然違う

慌てて扉を開くと目の前にジョイが立っていた

「あ…」
「行ったぞ?」

そうだ…やっぱり水希だった!

「行かなきゃ」
「どこにだよ」
「水希泣いてる…」
「まてまて…お前は、今頃かよ」
「え?」
「落ち着けって・・・ほら、座れ」

部屋の中まで押し戻され、俺はジョイの横に座らされた。

「さっきまでの話覚えてるか?」
「うん…」
「水希って女が来たのもちゃんと記憶にあるんだよな?」
「ある」
「した事は…覚えてるか?」
「何…を?」
「キスマークの痕と…首絞めただろ?その痕が残ってた。」
「え…?」

何を言ってる?ジョイは…
俺が水希にそんなこと…した…のか?
「俺…が?」
「お前だよ、俺があの女に今のレンを見ろって
トイレに閉じ込めたんだ…そん時には付いてなかった」

頭を抱えて記憶を呼び戻せば、自分の下で真っ直ぐ見つめる
水希の視線を思い出してくる。

「あ…そうだ、俺水希抱こうとした」
「だろうな…最後までやったのか?」
「いや…してない」
「…だったらいい」
「水希は違う、他の女とは違う」
「良いかレン!?あの女がお前の子を身篭れば
あの女だって王族の血族になる!お前と同じ生活を送らせるのか?」

思い止まって良かった…もし、あの時抱いていたら…
急に胸の辺りが気持ち悪い何かに締め付けられた。
そして色々と思い返すと、とんでもない事をしていたんだと思い至った。
俺…水希に酷いことしたんだ…
あんな笑顔で帰ったのに…

「レン、あの女は、お前を受け入れたんだろう?」
「…あぁ」
「お前があんな顔するの初めて見たし…」
「どんな?」
「笑ってたよ…ちゃんと」

その言葉に自分の顔を何度か触ってみるが
今は全く動かない表情。
ズボンのポケットに入っていた手紙を思い出して
もう一度開くと水希の匂いがした。

「うへ、日本語は読めないな…」

と、横から覗くジョイに、俺が読んで聞かせてやった。
口は達者だが文字は読めないらしい。

英語で、I Love You と言うのは簡単なのに
日本語だと重みが違う気がする。

だから、全て英語で読んでいたけど…最後の言葉だけは
”愛してる”と、日本語で言った。

きっと、ジョイには解らないだろうな…日本特有の言葉で
この言葉を口にする事が、日本人にはとても大事な事だと。
俺だって、源蔵に聞かなければ解らなかった…

何度も水希を愛してると言う俺に
言葉はいくらでも言えるけどどうしても、その言葉だけは言い難い…
なんて照れ笑いしてた。

あぁ…せっかく逢えたのに…
水希を返してしまった。
このままどこかに縛り付けて置けばよかった…
そして好きなだけ水希に溺れていたい

「レン!」
「あ…」
「ボケッとするな…メリッサはとりあえず拒めよ?」
「わかってる」

そうだ…俺はやる事が出来たんだ…

「アルの説得も…やってみる」
「あぁ、そうだな」

あと2時間もすれば…自宅へ帰されてまた
外に出られない生活が待っている…。

「じゃ…」

と、部屋の前で別れ私はすぐにシャワーへと駆け込んだ。
一人ぼっちで泣き続けた。

レンのあの顔も、あの優しさも…壊されていく
そんなレンを少しでも助けれただろうか?

シャワーに入って、気が付いたのは
体中のあちこちに痣があること。

レンは途中まで確りと私を求めてくれていたのだろうか?
首の赤みの中に緑のネックレスが光ってて
それを握り締めた。

「レン…」

名前を呼べば切なく蘇る先程の抱擁と熱いキス。
切り替えなければと頭を左右に振ると私は風呂から上がり
パソコンのスイッチを入れて和香にメールを送る。

「今日レンに逢えた。やっぱり人格が換わってるように見えて
苦しかったけど話す時間もあった…ネックレスを、また貰えたよ?
少しでもレンが戻る切欠になってくれれば嬉しいけど
どうなるかは解らない…明日はイギリスの町を回って
お土産を買うからね?お休み」

と、メールを打ってから父にもメールを送った。
レンに会えた事と、性格が変わってしまっている事
上の空が多かったけど、それでも話を出来た事と
私への手紙はどんな事が書かれても
必ず私に渡して欲しいと…やっと書くことが出来た。


パタンと閉じるとベットに身体を投げ出した。
レンが残したキスの痕…
荒々しく英語しか話さないレン…

今までに見た事のないレン

それも、全部レンだから。

思いを馳せていると、コンコンとノックがされ
私は扉を開いた。

あぁ、ここは日本じゃないのを忘れていた。
そんな事を殴られた頭が考えたがもう、そこから先は考える事も出来なかった。


探偵池上仁…一生の不覚!
水希を励まそうと部屋へと向かったら、戸が少し開いてて
嫌な予感がした。

ここは日本じゃない、そんな開けておくと言う事が
どれだけ危険か彼女も知らないはずが無い。

慌ててその部屋を大きく開いて愕然とした。

鉄パイプが無造作に置かれて、その場所に黒髪が3・4本ほど落とされている。
そして…ベットの上に置かれたノートパソコン。

それを立ち上げると、メール画面が開きっぱなしだった。
父に送ったメールと、和香という人間に送ったメールは
今から40分前。
書きかけではないのを確認するとフロントに電話をして
水希をみていないかと聞くと、確認できていませんと答えられる。

と言う事は地元の人間が水希を連れ去ったと言う事になる。

自由の利かないこの地で…まさか探偵業務をさせられるとは…
と、深く息を吐いた
【Ren】
まだ残っている時間を向こうで過ごすのが億劫になって早くに戻った。
アルが出迎えるはずの扉に、既にメリッサが来ていて溜息を落とす。

俺を見るなり駆け寄ってきて鼻を鳴らしながら腕に絡みつく。

「あれ?カイルの服…」
「ジョイに借りた」
「っ…なんで?服はどうしたの?」
「……どうだっていいだろう」

水希に貸したために、俺は服が無かったから
ジョイが自宅が近いとの事で持って来てもらった。
違う服を着てるのをとがめられるとは思っても無かったが…。
案外見られてるんだと思うとうんざりしてくる

「カイル!どうして服」
「女にやった」
「は?」
「俺がしけこんだのは知ってるんだろ?」
「っ…だ、抱いたの?」
「さぁ?」

俺はそれ以上の会話を避け、自分の部屋へと向かう。
シャワーで汗を流すと、急に水希の身体を思い出してしまい
ビクッと体が揺れる

「やば…」

男だ…これは仕方がない…

始末してから身体を洗い、ローブを着ると
もう、彼女を思いながら眠りたいと思いベットへと足を向けた。
と…

「カイル…」

部屋に既にあがり込まれてる場合はどうしようも出来ない…
俺は知らない顔で布団に入ると横から入ってきたメリッサに
溜息しか落ちず、近くのソファーへ移動して目を閉じた。

「ちょっと、何で逃げるのよ」
「逃げる?」

じろりと、睨むような視線を投げると居心地が悪そうに
メリッサが横へと腰を掛ける。

「カイル、そろそろ結婚しよう?」
「なぜ」
「なぜって…婚約者だからだよ?」
「俺は、婚約した覚えは無い」
「でも決まってるの!逆らえないよ?」
「好きにすれば良い…でも籍を入れたらこの家には二度と入れない」
「なっ…訳わからないし!」
「寝る…静かにしろ」
「ちょ、カイル!しようよ」

俺の身体をまさぐるメリッサに本気でイヤだった。
さっきまで…水希を抱きしめてたのに
それを奪われるのは、流石に苦痛を超えていた

ドンと押しのけると、メリッサはベットによろよろと倒れ込んだ。

「もう、お前に身体を触らせない」

俺はそれだけ言うとソファーにもたれ掛かり目を閉じた。
メリッサはその後すぐに部屋を出て行き、俺は水希を思いながら
眠りに付く事に成功した。

「ん…った…」
酷く頭が痛くて目が覚めると、両手足が縛られていて
動けないのに驚いた。

「It woke up?」(目覚めた?)

そう言う女は…あぁ、トイレで見た女…メリッサか

「Coming to Britain is good courage.」(イギリスに来るなんて良い度胸ね)

と、ニヤリと笑う女は、背筋が寒くなる。
自由を奪われてるからかもしれないが…
その目が怖かった。

掛けられた布団をメリッサがバッと開くと
私の首を見て目を見開き、わなわなと顔をこわばらせ
手に力が入ってるのが解った。

と、理解している間に平手が飛んできた。

「Was the makeup love carried out!?」(抱かれたの?)

私が答えないと、頬にもう一度平手が飛んでくる。

「Die.」

キャハハハと、甲高い声で笑う女にイラッとするが
無視を決め込んだ。

すると、女が急に何かをカチャカチャといじりだし
機械音が聞こえて私が目を見開いた。

ビデオカメラ…

そして、男が二人…
この状況は、きっと、私襲われる…
言葉は解らなくても雰囲気で解る…狂ってる
王族ってこんなん狂った人間が多いのか?
「やめっ…いやぁっ!」
男がのっしりと乗りかかって、私の上でニヤニヤと笑みを浮かべ
もう一人の男が私の足元でナイフをちらつかせている

女はニヤニヤと悦めいた目で
黙ってビデオを回してて…

私はどうにか払い除けようともがいた。
けれど…

男はそんな私をあっさり制し
私の身体に触れようとしたときだった…

「ちょーっとまった!」

戸がバンと開き、やってきた男性

「探偵さん!」
「待たせたな水希ちゃん」

なんて悠長な…

「さて…どうする?後5分ほどで警察来ちゃうよ?」

私の上に乗った男が日本語を理解したのかビクッと身体を揺るがした。
そして慌てて英語で会話が始まり、男達が姿を消そうとしている時には
既にメリッサの姿は無かった。

「ひでぇな…ったく」

私の手足の紐を解き、そう言う探偵さんに
本気で助けられたと思った…。

「ったく、俺がこれ位下調べしてるの解ってねぇなぁ…」

なんて苦笑いする探偵にいんちきだと思ってた事を心の中だけで
謝罪する。
だって、本人に言ってない事を言わなくてもね…

「ほら、帰るぞ…」

「あ、うん」

立ち上がろうとして、カクンと膝が折れた。

「あれ…」

よく見ると膝がカクカクと笑っているし手が震えてて
おかしいなと呟きながらパンパンと力を入れる。

「しゃーねぇな」

と、背中に背負われ…ホテルに戻った
警戒のため
二人で一夜を明かし、私は買い物にも出れずに
帰国した。

懐かしい日本…たった二日だけだったのに
色んな事が起こりすぎて収拾が付かない。

「水希!」「和香」
二人で久しぶりに抱き合い、空港まで迎に来た和香と
自宅へ戻った

何が起きたか…それを伝えたら、和香が深い溜息を吐く。
「本気で…大事なんだ?」
「うん、どうやらそうらしい…」
「他人事のようだね?」
「そうか?…大事だ…他人事じゃないさ」

なんて…言ってみると和香がニッと笑った。
レンに会えた事だけしか言わなかったんだけど…
これ以上和香を巻き込むのも…イヤだった。

きっと、知られれば怒られるだろうとは思ったけど
やっぱり口を閉じた。

この先に起こりえる事は解らない…
けれど、一度仕掛けた攻撃がすぐにやむ事は無いとも
解っている…。

あの、野村のような…攻撃。

「水希って!」
はっと、思考の淵から呼び戻され
慌てて和香を見ると…

「あ…」

彼女は幸せを…得たのだと
左手の薬指が語っていた。

「水希、レンクンをがんばって取り戻すんだよ?」
「うん…出来ればそうしたい…」
「そうだね…」

「それと、いつの間になったか教えてもらってないけど…
婚約か?おめでとう…」

和香が幸せそうに笑って指輪をまだむずがゆそうに…隠す。
「いっちーが…式にはレンクンも呼びたいって言ってた…」
「日にち決まってるの?」
「やや、そんな早くないから!一年か二年後だと思う」

幸せがそこに舞い降りたなら…
私はそれだけで幸せになれる。

「おめでとう、和香」

そして夜は更けていった

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