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甘い夜

短編

甘い夜

=======戦国時代=======

井戸に向かって漆黒の髪をなびかせて向かってくる少女がいた。
対照的に、銀色の髪がキラキラと光る少年が後を追う
その少女は、振り向きながら、確実に向う先は・・・【骨喰いの井戸】
その井戸の不思議な力によって、この少女は今と昔を行き来する

銀髪の少年が、見る見るうちに近づいてくる・・・
『待てよ・・・』そう言いながら、腕を掴む
その掴まれた腕を、振り払うように漆黒のかみの少女が、もがく・・・

『待ってって言ってんだろう・・・』
掴まれてしまった腕は強い力にねじ伏せられて、離す気は毛頭無いという顔で少女を見つめる
『だって・・・時間がないんだ物・・・お願いよ犬夜叉・・・』
銀色の髪をしていた少年は犬夜叉と呼ばれて居た
『また・・・(てすと)とか言うのに、振舞わされるんだろ?行くなよかごめ』
腕を掴まれた少女は・・・かごめ・・・と呼ばれて居た

『おすわり!』そう言うと、かごめは井戸の中に姿を隠した
その言葉に、犬夜叉は倒れこんでいた・・・・そして、つまらなそうに、ちっ・・・と
小さく舌打ちをした・・・
村の中へ戻ると、皆が声を揃えて言う
【大人げない・・・はぁぁぁぁ】深いため息混じりのその言葉は、馬鹿にされてる言葉とすぐに理解した
犬夜叉は、ここでもめると、総攻撃を食らうのを知っていたので、そのまま、
面白くなさげに、井戸へ向う
皆はニマニマしながら送り出した【かごめ様に手を出すなよーーー】爽やかに言うこの男
弥勒と言う名である
【邪魔するんじゃないぞ~】と、珊瑚がいう
【今日こそは謝るんだぞぉー】と、1番年下の七宝が言う
そんな言葉を聞いてはいないと言う素振りをしながら、犬夜叉は井戸へ落ちていった


=========現代========
男の子が、家の前で飼い猫と戯れていた・・・そのネコは『ぶよ』と呼ばれて居た
不意に、ぶよが、井戸の方に目をやる・・・それにつられて男の子が振り返ると、
少し息を切らした犬夜叉が居た・・・
【あ・・・犬のお兄ちゃん!!】【お・・・草太!!】犬夜叉は、その子供を草太と呼んだ
【おねーちゃんは、すぐ、出掛けたよ・・・・】
草太の言葉に少し眉をひそめた・・・すると、中から、又声が聞こえた
【あら・・・犬夜叉君?今夜は泊まって行くのね?】と、ニコニコしながら聞いて来た
犬夜叉は別に泊まろうとも、なんとも思っていなかった・・・・が、かごめの母・・・どうあがいた所で、返してもらえない事を
瞬時に悟った。性格はかごめと似た所があって、一度言い出したらてこでも動かない・・・そのまま家へ引き込まれていた

かちゃかちゃ・・・・
台所を忙しく動き回る・・・。犬夜叉はボーっと家の中でかごめの帰りを待っていた
【お?きとったのか・・・】少し痩せてるおじいちゃんが入ってきて犬夜叉に向かって投げかけた
【あ・・・あぁ・・・】かなり無愛想だが、じーちゃんの話しをマトモに聞くのは、いつも犬夜叉だけだった
はぁ・・・・と、深いため息を付きながらも話しを聞いてくれる犬夜叉は、かごめのじーちゃんに取っては良い話し相手になる

【ねぇ?】何か企みを含んだ目を、ママは犬夜叉に向ける
犬夜叉は一瞬たじろぐ・・・普段は、これでもか!と言うくらいの強さを誇る犬夜叉も、かごめの家族には勝てなかった
ごろ寝していた犬夜叉に、ママは何かを持ちかけた・・・

【ただいまー】玄関の戸を元気よく開けるかごめ・・・迎えに出て来たのは犬夜叉だった
【あ・・・来てたの?】一寸素っ気無く言われたのに、少し苛立ちを感じながら【あぁ】と、仏頂面をかごめに向ける
かごめは何だか忙しいらしく、それだけ言うとお風呂へ入っていった
犬夜叉は、今夜・・・人になる・・・今夜だけは妖怪ではなく・・・・ただの人になってしまうのだ
新月・・・・犬夜叉は銀色の髪が漆黒の黒になる、かごめは風呂の中でそう考えていた・・・。
家の中が慌しいので、犬夜叉は一寸、いずらいな・・・・と言う感じを覚え、外へ行こうとしたら
かごめの母に止められた・・・。


【ママーこれでいいのぉ?】かごめは、一生懸命服を着込んだ・・・それは、普通の服ではなく、浴衣だった
ママは犬夜叉と奥の部屋に行ったまま、帰ってこないので、かごめは上へ上がり、自分の部屋で、
髪の毛を梳いていた・・・・(犬夜叉・・・可愛いって言って・・・くれるわけないか)はぁ・・・深いため息
【かごめーもうすぐ時間よ】ママの声にハッとして、かごめは、下へ降りた
が・・・目にした物は・・・犬夜叉の姿だった・・・。
もう日も暮れて、髪の毛は黒くなっていた・・・
が、そんな姿は見慣れてる・・・・それよりも、格好だった・・・御父さんの物か?と思う男性用の浴衣を着ていた
少し黒味がかった浴衣に、藍色の帯・・・・
犬夜叉はかごめの姿に息を呑んでいたが、かごめの方も、犬夜叉の格好に息を呑んでいた


かくして母の陰謀は・・・・遂行された
【ボディーガードとして、一緒に行きなさい。】母がかごめに言うと、少し赤くなってるかごめが小さく頷いた
犬夜叉は、その言葉に、【ぼでーがーど?】と小さく聞いた・・・が、かごめが説明しようと思った時、
ガラガラガラ~【行くよぉーかごめーーー】と、お迎えがやって来た
今夜は盆踊り・・・亡くなった人の供養もこめて・・・行われる行事だと言う
犬夜叉はそんな行事には別になんとも思わないが、こんな綺麗なかごめを、もし誰かに攫われたら・・・と思うと
付いて行くしかなかった・・・。
友達が言う【かごめ・・・この人誰?】友達は二人居た・・・
かごめはまず・・・名前を考えると・・・ん~~~と、唸った、現代に犬夜叉・・・と言うのも・・・。
すると、【あらあら・・・いらっしゃい・・・朔夜君・・・かごめを宜しくね!!】と笑う
かごめは、一寸ビックリしたが、朔夜と言う名前も、そう悪くは無いと思い、犬夜叉に目で合図を送った

面倒くさそうに、頭を掻きながら、【あ・・・朔夜・・・だ】と、聞きなれない言葉をそのまま名前に置き換えた
何だかかごめは、その言葉に満足そうに・・・下駄を履いて外へ出た
ママは多分、朔の夜に変化するから、朔夜とつけたのだろう・・・が、かごめは痛く気に入ってしまった。
【朔夜・・いくよぉ~】かごめの微笑に、つられて・・・裸足で出ようとしたら、ママが草履を出してくれた
そして小さく耳打ちをした【これ・・・履きなさい・・・かごめをお願いね】と・・・誰にも聞こえないほどの声で


誰を思ってるの?
私を見つめてるその目は
狂おしいくらいに貴方が欲しいのに
手の届かない所へ消えていく


かごめは、迎えにきた子達と、歩いて犬夜叉は3,4歩離れた所から追って来ていた・・・。
【ねぇ?あの人って・・彼氏?】ヘアーバンドの子が言う
【かっこ良いねぇ~いつも言ってるやきもち焼きの人?】髪をくるくるさせてる女の子が言う
流石に質問攻めはきついな・・・・と、かごめは、はにかんでいた
そんな様子を見て、犬夜叉はかごめの腕を掴んだ・・・【え?】とかごめが犬夜叉を見ると少し頬が赤かった
なんだか、そんな風にしてもらうと、嬉しくなった・・・
【あんま・・・いじめんなよ・・・】と、口の重い犬夜叉がかごめの友達に向けて口を開いた
かごめの友達はドキドキしていた・・・犬夜叉はあまりにも綺麗な顔立ちをしていたのである・・・


その行動がかごめをどれだけドキドキさせたか・・・そんな事は誰も知らない、
盆踊りの会場につくと、出店があって、色んな食べ物が並んでいた
かごめは、リンゴ飴を二つ買って、犬夜叉の口に押し込んだ・・・
犬夜叉は、甘くって不思議な味・・・を感じながら食べていた

【日暮ーー】少し向こう側に、髪の毛の短い、さっぱりした風体の男の子がかごめを呼んだ
犬夜叉はピクっと眉をひそめたが、こっちではあんまり問題を起すな!!と、釘を刺されていたので、心を納めた

【あ・・・北条君・・・久し振りね~】と微笑みかけるかごめに、北条は、ニコニコしながら【一緒に行こう】と、
言い出した・・・が、・・・皆は犬夜叉(朔夜)の方を見た
眉がピクピクと動いたが、制止した・・・。
【ごめんね・・・今夜は、皆と一緒だし・・・】と言うと、あっさり引き下がった
かごめが現代に帰るだけで文句を言う犬夜叉とは大違い・・・と、少し笑ったかごめだった・・・。

犬夜叉の顔を見ると、何だか、不思議だった・・・・
いつも守ってくれる犬夜叉・・・
誰にも負けない強さ・・・
それをかごめに向けてくれる心強さ・・・
何だか心が沸いて来る感じがした・・・。
相変わらず、無言の犬夜叉に少し微笑みかける
と、皆の前で、かごめは後ろから来た男にぶつかり、反動で、膝を地べたに擦った・・・【っつ・・・】
犬夜叉はそのぶつかった人の襟を捕まえ、【おい・・・あやまれ!】と、あいも代わらず偉そうに言う
その男は、クックックと笑い、(よそ見してる方が悪いだろう・・・)と、反省の色も無い
犬夜叉の力は、朔の夜と言っても、そこら辺のへなちょこには負けないのをかごめは知っていた
【やめて・・・犬・・・朔夜・・・】かごめは、犬夜叉を止めた・・・
周りにいたかごめの友達も止めに入った・・・
【止めんな・・・かごめ】そう言うと、力を入れた手が、振り下ろされるまさにその時・・・
グッ・・・と、犬夜叉の手を支えた・・・【かごめ・・・】

気分を害されたのか、犬夜叉は溜息を付き、手を離した・・・【覚えてろよ!】と、男は捨て台詞を残した
【けっ・・・誰が覚えるかよ・・・あほぅ】そう言うと、周りから拍手が起こった
何事だ?と、キョロキョロしてる犬夜叉・・・・恥ずかしくって火を噴きそうなかごめ
【あ・・いこ・・・犬・・・あ、朔夜】
どうもこの名前は呼びずらいらしく、すぐに間違えそうになったが・・・そんな事より、場から逃げるが先決だった

公園を出ると、高層ビルや、道路がおもむろに出て来た・・・かごめと、犬夜叉の隔たり・・・である
【ねぇ?朔夜君・・・かっこ良いね~すっごい素敵だった】カチューシャをしたこが話し掛けたが・・
犬夜叉の目にはかごめの膝の傷が気になっていた・・・少し出血していたようで、浴衣に血が染み付いていた
おもむろに、かごめを両手で抱き上げ、近くにあった石に腰を乗せた【あ・・・】
急に犬夜叉はかごめの浴衣を少しめくった【え・・あ・・・】かごめは困惑している
周りの子達も息を呑んで見守っていた・・・
その膝に、犬夜叉は目をやり、そのまま唇を膝に落とした
溜息なのか、感動してるのか・・・かごめの友達は、【ほぅ~】と、息を呑んでいた

【大した傷じゃねーな・・・歩けるか?】傷を舐めた後、かごめを見上げると、真っ赤になっていた
【おい・・・歩けるか?かごめ!】犬夜叉が更に聞く・・・
【あ・・・うん】そう言うと、又抱き上げてそっと降ろした・・・
その姿を見て、かごめの友達が、
【きゃぁー素敵ぃーー】と、もう朔夜(犬夜叉)にメロメロだった・・・
かごめにしてみれば、いつも、こんな感じなので、変にも思わなかったが、流石に友達の前
と言う事に、恥かしかったのだった・・。

流石に疲れたのか、犬夜叉は帰ろうと言い出しそのまま、帰路についた・・・
犬夜叉は皆に色々質問されすぎて、疲れてるらしく、無言でスタスタと歩いていた

友達と別れると、犬夜叉はおもむろにかごめの手に手をからませてきた
【あ・・・な、なに?】少しビックリしたかごめに、犬夜叉が優しく言う【こっちでも俺がいなくっちゃダメなんだな】
かごめは赤くなっていた・・・何だか今日の犬夜叉はいつもと違う気がしていたからだ・・・。

実は・・・出かける前に、ママの陰謀が張り巡らされていたのだった・・・
ママが、犬夜叉に話した内容は・・・・
(かごめは、犬夜叉が側にいてくれるだけで嬉しいから、出きるだけ近くにいてやって・・・そして、
キスぐらいしなさい!!そんでもって、花火が上がるから、その時抱きしめてやったら、)
その言葉だけで十分赤くなった犬夜叉・・・出きる訳が無かった・・・
あの強気なかごめを、少し懲らしめられるわよ!!と、続く言葉に犬夜叉が反応しないわけが無い

でも、キスとは?なんぞや?と言う疑問・・・
【んだよ・・・それ】と、ママに問い掛ける・・・【は?】と、聞き取れなかったママが更に聞く
【だから、きす・・・と言うのは何だ?】ママは目を丸くした・・・その後、クックックと、笑いを堪えた
何だかとっても恥かしくなった犬夜叉が少し赤らんだ・・・が、その後の言葉を聞いて更に赤くなった
【キス・・・と言うのは、そうねぇ~そっちで言う・・・接吻?かな?それとも口付け?の方が分かる?】
悪びれた様子も全く無いママの顔をビックリした顔で覗き込む
自分の娘の唇を、奪え!!と言ってるんだから・・・ビックリしない方がおかしい
【変な親だな・・・】そう言うと、【私はまどろっこしいのが嫌いなの!】と、かごめに、似た口調で言い放つ


そんな出来事が取り交わされてたとも知らず、かごめは、犬夜叉は変だ!と思っていた
不意に、かごめが犬夜叉の顔を見ると、【ん?傷痛いのか?】と。。。
いつもなら、(そのくれー舐めときゃ治る)とか言う人が、何故こんなに優しいのか・・・
だけど、かごめは、その優しさに甘えるのも良いだろうと、繋いだ手を組みなおした・・・
指と指の間に御互いの指があり、その甘ったるい感触は犬夜叉にも届いていた

(御袋さんの言う通りだな・・・)と、少し、面白かった
犬夜叉はいつもやられてるから・・・と言うだけではなかったが、今まで、そんなに甘っちょろい行動は
しなかったし、懲らしめたい気持ちもあったが・・・実際は結局かごめに引き込まれてしまっていた

犬夜叉はそのまま川原へ出向いた・・・だが、人。人。人・・・・香水を使ってる人や、食べ物の匂い・・・
全てが犬夜叉の鼻につく・・・人間になってもこんな感覚なら、半妖に戻ったら倒れてるのではないだろうか?
と思いながら、歩く・・・

かごめの顔が歪んだ・・・(この匂い)・・・ふっと犬夜叉を見上げると、苦しそうだった。
【ねぇ、家で見よっか!】と言うかごめの声は天にも上る嬉しさだった・・・
素直にコクンと頷くと、家へ向った
かごめの部屋に入ると、大きく深呼吸した・・・
【臭かったんでしょ?】と、少し申し訳ないようにかごめが聞いた
【あぁ・・・臭かったな・・・】と言うと、かごめの身体を抱き上げ、窓を開けると、屋根に飛び上がった
声を出す暇もなく、ビックリしていたかごめは、犬夜叉に(いきなり何すんのよ)と怒るはずが、
夜の空に咲く大輪の花火に心後と奪われてしまった


【きれいだね・・・】と、横で囁くかごめに、見とれてる犬夜叉は、【あぁ、綺麗だ・・・】と
横にいる少女に向けた言葉と混ぜた
花火が上がる度にかごめの身体が色つく・・・赤、青、黄色
犬夜叉はそんなかごめを見ると、無償にいとおしく思えた
かごめの身体をグッと引き寄せて胸に抱きしめた

【あ・・・犬夜叉?】と、覗き込む目には、花火より綺麗な潤みが見えた
【こうやって・・・朔の日にのんびり出来たのも、かごめのお陰だな・・・】
そう言うと犬夜叉はかごめの目に指を乗せて、ゆっくり下へ降ろした
かごめは、目を閉じろ。。。という合図だという事は、分からずに、目を又見開いた
【開けてっと恥かしいんだよ・・・】と、又手を目にあてがい、そのまま唇を寄せた
だが、犬夜叉には、やっぱり解せない・・・【やっぱ・・・やめた!!】と、
唇を付くか付かないかの擦れ擦れで止めた・・・
どうやら、母に言われた言葉どおりになってしまったお陰で、どうにも納得がいかなかった

【っつ・・・】いきなりだった・・・・かごめの方が犬夜叉の首に手を回し、唇を重ねたのだった
【じらさないで・・・ばぁか・・・】と、恥かしそうな顔をしたかごめがいた
馬鹿と言われればすぐキレル犬夜叉も、今回はその範囲ではないらしい・・・

そのまま今度は犬夜叉が、唇を寄せ、そのまま優しく重ねた
かごめの手が犬夜叉の首で、もそもそと行き場を失う、
優しいキス・・・
その後にまた、目を伏せた・・・そして、今度は激しい口付けをした・・・
上がる息の中、犬夜叉とかごめは、幸せを感じていた


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