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なつめっぐ 保管場所

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催眠

短編

催眠


「うっつ・・・」かごめは、小さな小屋の中で目を覚ました
外はもう夕焼けの朱が支配し、小屋にもほんのりと赤い日差しがかごめの瞼を襲う
寝ていたのか、起きていたのか、不思議な感覚の中にかごめは身を挺していた
ふわふわと、綿毛のように浮いて飛んでゆく感覚がかごめのまどろんだ脳内を支配する

「大丈夫かい?かごめちゃん??」と、横の黒髪の女が声を掛けてくるが、
一度目に入ったものの、”誰か”と言うのに理解をするには時間が掛かった
もう1人、無言で覗く男・・・
「かごめ様?」と、不安げに声を掛けてきた・・・
この二人の事を、今しがた把握したばかりだと言うのに、かごめは
「大丈夫だから・・・なんか心配掛けちゃって・・・ごめん」と、己が何でここで眠ってるかも
解らぬまま、かごめは外の空気が吸いたいと、ふら付く足で小屋の敷居をまたいだ

夕日が支配した土地は、噎せ返りそうなほどの、土の香りが立ちこめて
かごめの鼻腔は、一気に目を覚ました


(私、何してたっけ?)夕日を見ながら考えるが答えは出なかった
妖怪が出たわけでもない、ましてや病気で倒れたわけでもない・・・
出ない答えを待たずして、愛しい男が家主の楓と共に馬を引き帰ってきた

かごめはその”人”に気が付いていたものの、気だるさが抜けず、木によしかかった状態で
帰りを待った・・・(きっと、犬夜叉なら来てくれるから・・・)と言う考えが頭を過(よ)ぎる


案の定、馬を繋ぎ荷を小屋へ運び入れると、犬夜叉はかごめの姿を探した
小屋を出た目の前にある大木、犬夜叉自身がいつもあの木の上で休息を取るのだ
その木の根元から覗く、夕焼けに照らされて朱かかった黒髪と、緑の異彩な着物の裾が見えた
半妖の犬夜叉、お陰で鼻は良く効く、香りを確かめると、やはり”かごめ”


犬夜叉は地をターンと蹴り上げると、その場所に空気の小さな渦が出来上がった
だが、その場所には誰も居なく、大木の木の上に、何時もの如く犬夜叉は座った
「おう、なにしてんだ?」かごめに問い掛けたのであろう、あまりに不器用な声、
声を掛けるのか苦手なこの男は、答えが帰って来ないことに不服を感じる
いつもかごめは明るい笑顔で声を掛けてくる、そして犬夜叉が、答えなければ、不服を口にし
表情も険しくなる、こんな表情に犬夜叉は心を奪われているのだろうか?

木から降りると、犬夜叉は真っ直ぐかごめ前に立とうと思ったが、かごめの身体を
しっかりと照らす朱が、まだ沈んでいない内は、このまま照らして居たいと思い、横に座った
「んだ?考え事か?」少なからずと、かごめの異変に不安が押し寄せる
「あ、おかえり・・・」それだけの言葉で犬夜叉の心が和む・・・。
「なんか変だぞ?」思った事しか声にできない不器用な男なのだろう、この状況なら、
”綺麗な夕日だな”だの”今日は天気が良いな”だの、色々声をかければ話も進め易いのだが
そう出来ないのはきっと彼の、人との接点が少なかった人生を物語るのだろう

犬夜叉は少し不快を覚えた、何時ものかごめではなかったのだ、何が違うとは分からないが
確実に、何かが違っていた・・・・足を抱き抱える何時もの行動だって違わないのに・・・
彼の心が不安に押し潰されていく、何か声を掛けたい、何かを聞きたい・・・だが
不器用男の”言葉”では、確信に届かないと悟った
そんなもやもやした心に気を取られていた時、コツンと、
己の肩に寄り添うかごめの重みを感じた

「かご・・・め?」異変に思い思いを張り巡らせていた心は一気に高潮した
優しい香が、犬夜叉を包み込む、心地良い空間・・・
チラッとかごめを見ると、朱を見つめたまま黙って沈み行くのを静かな瞳で見ているだけだった

「ねぇ・・・抱っこして・・・」と、かごめが言う
犬夜叉は驚いて身を離した
「な・・・なにいってやがんでぃ・・・」少しの嬉しい気持ちと、恥かしさが一気に犬夜叉を支配した
「なんだよ、お前変だぞ??」疑問は尽きない、いつもしない行動を取るかごめに、
犬夜叉は戸惑った、なにをすれば良いのかも分からず、ただ、今の現状は、可愛く
犬夜叉の心がキュンと鳴いた・・・・


気が付いたの朱が落ち、いまだ山だけは朱に染まっている時だった
己の身体にかごめは沈み、その華奢な身体を、いつ抱き締めたのだろう?
山と同じくらい朱に染まった犬夜叉は、そのままかごめの顔を直視できないでいた


「日が沈んじゃったね・・・」と、顔をあげたのはかごめだった
「あぁ、そうだな」と、この場の雰囲気がそう言えと直感で答える

その後はまた無言だった
ただ抱き締めてるかごめは小さく、それでいて何処となく寂しそうな顔をしていた
「犬夜叉・・・」言葉と共に犬夜叉の頬に温かい”何か”が触れた・・・
その何かは、ゆっくり頬をなぞる・・・
きっとかごめの指だろうと目をかごめに向けると、犬夜叉はハッと息を飲む
切なげに犬夜叉を見上げ、いつも輝いている瞳を潤ませて、言葉になど出来ない表情だった
(な、なんだよ、なんて顔しやがる・・・)
心の中で己が葛藤を始めた


(これは口付けをねだる目?)
(否、熱く抱きしめてと言う目だ!)
(否、お前の答えを待つ目ではないのか?)

葛藤は長くは続かなかった・・・
胸にいたはずのかごめが、急に首に手を回し、抱き付いて来たのだ
驚くがその心地良さに身を離せず己も受け入れていた
だが、楓の家の前・・・”何か”をかごめにしてしまったら、冷やかされるだろうし、
あの法師の事だ、きっと今も、何処かで見ているだろう

だが、心地良さを己から離す事が出来なかった

「ごはんだね・・・」この甘い空間を引き裂いたのは、空間を作り出した本人だった
二人はそのまま離れ、心地が良かった居場所を失った犬夜叉は、少し寂しさに動揺していた

かごめはもう小屋に中に入り、己はまだこの場所にいる・・・また帰ってきて、己を抱き締めてくれたら
それだけで心が満たされるのだろう、だが、叶わぬだろうと、細く微笑み少年も小屋へ足を踏み入れた
(ここまで心を満たされるのは悪くねーもんだな・・・)
少しはにかみながら中へ入ると、珊瑚と弥勒が必要以上にかごめに声を掛けていた
不思議に思ったが、今はそのまま構わずに、ほっておいた
犬夜叉は夕食が終わると、また先ほどの余韻を楽しむ為か、木の上でぼんやりと月を見ていた

不意にさっきの抱擁が頭を過(よ)ぎった
己の身体を両の手で抱き締めて、頬に残ったかごめの感触を思い出した
(なんだってんだよ・・・ちっ・・・)
己が求める、また、同じように抱擁をして欲しいと・・・
だが、おいそれと言えるものでもないことは十分承知している、
己は、かごめの他に、心を寄せる者が居るのだから。
求めれればどんなに楽であろう、
目の前の女は欲しくて、手放したくなくて、優しくて・・・愛(いとお)しい・・・
なのに、口に出してしまえば、その少女を谷ゾコへ突き落とすような物だと、
そして、己から離れて行くのだろうと・・・・
二人を同時に愛する事が、どんなに御互いを苦しめているか、それは嫉妬心であり、支配心でも有るだろう
それを知っているから、だからこそ、”言っちゃいけない”のだ
身体で表現する事は、きっとしていると思う、でも、言葉に出してしまえばまた、かごめが傷付く
己は桔梗と言う存在を忘れてはいけないのだから・・・。


「犬夜叉・・・何考えてたの?」下から不意に聞こえる声にハッと我に返った
「いや、何も考えちゃいねーよ」この答えが得策なのかは彼も分からないが、きっと考えてた事を
彼女は悟るであろう・・・今までのように


「散歩・・・行かない?」ふとかごめを見ると片手には弓、背中には弓筒があり、1人でも行くと言う決意が見えた
「んな夜中に何処行くんだよ・・・」己ナシでも行くと言う決意に腹立たしさを覚えた
犬夜叉は、いつも頼って欲しいのだ、ましてやかごめには、自尊心を強く持つこの男には
1人でも行けると言う事を表せば必ず付いてくるのだ
「んで、どこへ行くんだよ?」かごめの数歩後ろを追い越さない速さで付いて行く
多分これは気遣ってるのだろう・・・
昔はいつも置いて行かれた、だから自転車を用意したかごめだったが、
その頃から急速に犬夜叉との距離が縮まった。
何かが変わったのは気が付いたが、今の状況は、それを意味するのかもしれない

鬱蒼と茂る山に足を踏み入れた
犬夜叉は不機嫌になって行く
先ほどの答えがまた帰って来ないのだ・・・
無言のままのかごめに犬夜叉は痺れを切らしかけたその時だった
「ここ・・・」と、かごめが指を指したその先には、夜の闇に唯一の光
ヤコウダケ(光ごけ)で光る地

「この前楓ばーちゃんと見つけたんだ」と声を掛けると、そのまま、その地に足を踏み入れた
「ここは、楓と来たのか?」犬夜叉は先ほどの言葉に不快を感じる
例え楓は巫女であっても、かごめを守れる力量はないのだ
かごめを傷つける輩を許さない男は、その、何事に対しても、無用心なのにほとほと困り果てる

「こっち来ない?」かごめはヤコウダケで光る絨毯の上に身を預けた
そのまま犬夜叉を呼んだのだ
素直に近くへ腰を降ろすと、かごめはゴロンと、その場に身を横たわらせた
「なんかね。今日私変なの・・・犬夜叉の近くに居たくって・・・温もりを欲しくって・・・」
その言葉に己も同じ心だとは言えなかったが、犬夜叉は少しだけかごめの側に移動した
「今日だけ、なら・・・」と、言うと犬夜叉はかごめのからだの横に身を転がし
横に居るかごめの頭にコツンと手を掲げた
「え?」と少し戸惑ったが、めったに微笑みを出さない男が、かごめに向けた最高の微笑みその笑顔を
無にしたくなく思い、頭を軽く上に持ち上げた
スルリと、侵入してくる手が優しくかごめの頭を持ち主の方に寄せる
かごめは自然と、犬夜叉の身体に抱きつく形で、胸に頭を乗せた
空いた手を犬夜叉の胸に添え、衣を引いたり摘んだりした
「これじゃー暖かさ伝えれないか?」と、耳に直接掛かる声、
犬夜叉の体の奥から聞こえる五月蝿い早鐘のような心音と、口から発せられた声は胸からかごめに伝わった

「暖かいよ・・・ありがとう犬夜叉・・・」手で衣を弄(いじ)りながら、そっと呟く
かごめの心音はただ静寂を守っていた
「いつもすまねーな・・・・」と、不意に出た犬夜叉の声
胸の振動だけでかごめは何に謝ったかを痛感した
「いいの・・・」そう言うしか出来なかった・・・
今抱かれてるこの胸が、己の物になる事は・・・ないと告げられるのが怖かったのだろうか?
それとも、いっそのこと、この雰囲気のまま、犬夜叉に全て奪い尽くしてもらおうか・・・
かごめはなんとなしに、泣けてきた・・・
大粒の涙が流れようと、きっと彼は気が付かないだろう・・・頭を少し角度を変えて
顔が見えない位置へずらすと、涙の雫が衣を濡らした
「犬夜叉・・・死なないでね・・・桔梗と行くなって言うわけじゃない・・・ただ、死なないで」
かごめはそっと犬夜叉の身体に抱きついた
それに答えるようにきゅっと身体を締め付けられる感覚が、答えだと
そう解釈したかごめは静かに、声を立てぬように、涙を流した

「私・・・あんたが好き・・・答えは要らないけど、でも気持ちだけは伝えたくて」
そのまま黙り込むかごめの耳には、答えはかえって来ない代わりに
早鐘が、更に頻度を増してる音だけが聞こえた


不意に犬夜叉は冷たさを感じた、
己は何を言って遣れば良いのか・・・
虚しさが心を埋め尽くす
己が答えれば、否 答えたい・・・お前を愛してると・・・
でも、桔梗を不本意でも2度も裏切る事は出来なかった

「これしか言えねーけど・・・
俺はお前が大事だし、離したくもねー・・・誰かに奪われるのだって許せねーし、
傷付けたくもねぇ・・・お前が危険なら俺が死んででも守るし、それが今の俺の望みでもある
結局は桔梗と行くかも知れねーが、お前を忘れる事は一生ない・・・
俺のこの中には、お前が微笑んだまま生きてる・・・この笑顔を曇らしたくはないし、
俺はお前のためなら死んだって後悔はしない・・・命がけで答えなきゃならねーと思ってる
俺の居場所はお前なんだ・・・だから
お前だけは、笑顔でい続けて欲しい・・・
どんなに苦しくっても、お前の笑顔で俺の存在が俺の居場所が、お前の中だってわかるから
だから、勝手かも知れねーが・・・だからお前のままあり続けてくれ・・・」


犬夜叉はそう話した後になって、己がいった言葉に恥かしさを感じた
きっと愛の告白より、もっと大変な事を言ったのだと、
かごめはその激白を聞いてもピクりとも動かなかった
ただ、先ほどまで穏やかだった心臓が飛び上がっている以外は何の異変もなかった
犬夜叉は抱き抱えたかごめの体をそのまま起こすと、
泣いたのだと知り、また抱擁を施した
「俺はダメだな・・・お前を泣かせないつもりで居るのに、すぐ泣かしちまう・・・」
そう言うとそっとかごめの頬に唇を添えた
犬夜叉とかごめの心音が共に跳ね上がり、心地良い空間だったはずが、
少しくすぐったい空間へと豹変した

かごめは無言で犬夜叉の唇を指でなぞる
ピクンと反応する犬夜叉に微笑み掛けたまま、指は犬夜叉の唇をまだなぞる
(この唇は、桔梗によって塞がれた・・・そんな事分かってる・・・でも、)
かごめはその唇を一通り撫ぜ終わると、己の口へあてがった・・・・
その行動にまた犬夜叉は息を飲む
犬夜叉の口を触った指が、今度はかごめをなぞる
高潮する顔と体を感じ、心地良い気分になった

「私には、これが、精一杯・・・・」と、悲しげに目を伏せた
指になぞられた感覚は、犬夜叉自身を追い込んだ
もっとかごめに触れたい、この唇を己で塞ぎたい・・・
思いだけが先行してしまった・・・後先考えないで行動に出た

かごめの肩を抱きしめた
潤んだ瞳に己の顔が映り、少し切なげにかごめを求めてる自分に苦笑した
(俺でもこんな顔できるんだな・・・くっ・・・貪欲・・・今の俺だろうな・・・)
唇を寄せた時に何かが触れた・・・唇に辿り着く前にかごめの手が
進行を止めたのだ    何故?   そんな疑問
かごめも己を思ってる・・・己だってかごめを好いている・・・なのに、
「犬夜叉・・・」目の前のかごめは真っ直ぐ見据えていた
「口付けは・・・・私の思いを止められなくなる・・・だから・・・ごめん」
無償に辛くなった
今抱き締めて無理にでも欲を果たすのも出来る・・・だが、かごめは否と言う
ただ否定された訳ではなかった、かごめが、辛くなるのだろうと
顔を離した
「すまねー」それ以外の言葉なんて出るわけがない・・・責める事を出来ないのだ
「でも、俺は、お前の思いを受け止めたい・・・全身で答えたい・・・・こんな俺で良いのなら・・」
口が勝手に動いた・・・こんな事なんてめったに言わないのに、
否、
言わないではなく、言う相手に出くわさなかったのだろう
桔梗にさえ言えなかった、否 言う事さえ考えて無かったのだろう

かごめは不意に答えを出した
「いいよ・・・」と、
求めるのは心
欲しいのは体
愛してるのは・・・かごめ
帰る先は、桔梗・・・・


唇が御互いの温もりを確認した
優しい口付け、触るだけの唇がかすかに震えてるのは、どちらなのだろう
犬夜叉の気持ちが一気に溢れ出た、かごめなら・・・全てをさらけ出してしまえる
そう思ったのだろうか?
唇は、我が意識したでも無く、かごめの綺麗な唇の花弁を割った

「んぅぅ・・・」と、切ない声で我に帰ったはずなのに
止められなかった・・・欲望が己を支配してゆく
この舌をお前に滑らせれば、欲望は満たされるのだろうか・・・
妖艶に輝く舌が、かごめの唇を割るとそこは、泉なのかと思うほどの湿気と
優しく包むような噎(む)せ返りそうになる甘い蜜
そこに少女の舌は体を横たえていた
己の舌でそれを絡めとると、少女の舌はピクリと動きを見せた
顔は高潮して、下に輝くヤコウダケが、かごめを照らす
天から舞い降りたかのような少女を、今己だけの物に出来ている事を、幸福と言うのなら
間違いなく”幸せの境地”に居るのだろうと犬夜叉は思った
絡め取った舌が、いまだ己に身を委ねる・・・
求めて欲しくなる心が今現れた・・・・必要以上に絡めるとかごめの中の少女が目を覚ました
優しく犬夜叉を包み軽く吸われる感覚・・・
吸い付くような柔肌が、心を駆り立てる
これ以上は・・・・だめだ・・・・
自制はしているはずなのに・・・
それでも手はかごめの双頭を探す・・・

頭はかごめで埋め尽くされて、
それ以外は目に入らなかったが、かごめが自ら己を引き離した
「く・・・苦しいよ・・・もぉーーー」怒ったような顔で犬夜叉を見た、
赤い顔で、まだ欲しい気持ちを抑えつつ、これ以上進んでしまえば、後戻りできないと
彼女は己を戒めたのだ

まだ甘い顔を捨てきれない犬夜叉は、黙ってかごめを抱き寄せた
「厭・・・だったか?」と、聞いてきたので、かごめは答えに戸惑った
正確にはこの先を見越すと厭じゃないと答えれば、二人はこのまま夜を共にするだろう
だが、厭だと答えれば・・・・傷つくのは犬夜叉、そして、もうこの時間は帰っては来ない


「厭じゃないよ・・・犬夜叉だから・・・ね。皆心配してるし帰ろう!!」
明るく自然に言えたと思った、かごめの身体は犬夜叉から離れて、少し前に出
腰にてを回して後ろで手を組むと、ニッコリ笑って言ったのだ
少し幼さの残る顔で、最高の微笑みを贈った

「お前の乱れた顔が見てー」・・・そう言われたのは、いつだろう?もう既に犬夜叉の腕で
首に真っ赤な花が咲き、犬夜叉は己のものだという縄張りを付けた
「ちょ・・・ん・・・・っつ・・・だめ・・・いぬや・・・しゃっは・・・あぁ・・・」
別に体だけだった、卑猥な行為までは行ってないのに、身体はピクリと反応を示すのだ
かごめの顔は、いつも見てる表情とは一変していた
美しいまでの顔・・・
男を誘う顔
犬夜叉の背中が、不意に泡立った・・・・
快感と言う言葉なのだろうか?この顔の果てを知りたくなり、唇を更に進めようとした時
「おすわり!!」と、響いた
無論、その場でかごめの身体に平伏した犬夜叉は今までのせっかくの雰囲気を壊されたのに
苛立ち、「なにすんだ!!」と怒ってかごめを見ると、かごめは違う方向を真っ赤になりながら見ていた
犬夜叉はその方向へ目をやると、

「邪魔・・・・じゃったかのぉ?」と、小さな七宝が真っ赤になりながら、背を向けた
弥勒と珊瑚ももちろん居た・・・
「い、犬夜叉たちの帰りが遅いから・・・見に来たんだよ!!」と珊瑚は赤くなりながら言った

「そ、そうですとも!!」弥勒も同じだと言わんばかりに、声を上げた
犬夜叉はかごめの胸に手を滑り込ませていた状態で
かごめの上に圧し掛かってる状態で・・・
こんな状況は・・・これからする事を容易く想像させるであろう

急いで離れる二人に、弥勒は「邪魔だったら帰るが・・・どうすればいい?犬夜叉?」
と聞いて来た・・・

「ンなもん俺に聞くなぁ!!!!!!!」と、弥勒を追いかけた
かごめは乱れた服を整えてから、珊瑚の側へ行くと、「ご、ごめんね」と
恥かしそうに言った


翌朝はその話題で犬夜叉は不機嫌極まりない
弥勒は楽しそうにからかって来る

不意に弥勒がかごめに近付き話し始めた

「かごめ様?昨日は大丈夫でしたか?変な術をかけてしまって・・・そのまま倒れたので」
と、その言葉に昨夜の異変を犬夜叉は悟った
「てめーか、かごめを変にしたのは・・・」
「な、変って・・・そんなに変だった??」かごめはその”変”に反応した
「な、甘えるし、抱っこしてって言うし・・・変じゃねーか!!」

昨日のかごめの行動を、口にした犬夜叉は、しまった!!!!
と思い口を手で覆ったが、かごめの形相は昨日の夜とは打って変わって、殺気に満ちていた

「へぇーーーーーーそう!」
そう言うと、後ろを振り向くかごめに犬夜叉は近付く「あ、あのな・・・その・・・」
そのままかごめは大きく息を吸い込むと
「おすわり、おすわり、おすわり!!!!!!!!!!!!!!犬夜叉のぶわかぁぁぁぁ」
と、小屋を出ていった

すまなそうに犬夜叉は追いかけてゆく
そんな姿に弥勒と珊瑚は溜息を吐くと空を見上げた
穏やかですね・・・と弥勒が囁いた

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