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なつめっぐ 保管場所

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朧月 最終話

最終話、お付き合いありがとうございます

翌朝、二人は初めて同じベットで時間を過ごした。

重なり合った気だるさが閏葉を襲うも、これが心地良い気だるさで
ポッと頬を染め上げた。

横に眠る、黒髪の彼は
昨夜踊るように白髪を揺らし獣のように閏葉を飲み干した。

スッと、ベットから這い出ると脱散らかされた自分の服を取り、
バスルームへと向かう着替えは部屋へ戻ればあるのだが、
それすら億劫でこの部屋のを借りたのだが。
脱衣場で見た鏡に映った姿

「うわっ、ナニこれ!」

体の至るところに彼の所有印が刻まれ、衿の開いた服が着られない…。

「もぉー…」

ブツブツと文句を言うも、それすらも嬉しく感じるのは、本当に愛を与えて与えられたから。


「葵の馬鹿…」

と呟いて、シャワーに足を踏み入れた。

「ん…閏葉?」

ベットで目覚めた時には彼女は居なくて
驚いて辺りを見回すと、彼女の痕跡はまだ残ったまま。

バック、靴、そんなのを見たら落ち着いたのか、シャワーの音がやっと耳に入ってきた。

ズボンだけ穿き、目に掛かる髪を近場に逢ったピン止めで留めてお茶を入れる。

と同時に閏葉が、シャワーから出てきた。
ハタと、二人が視線を絡める。

「おはよ」

先に切り出した葵に

「え、あ…オハヨウゴザイマス」

真っ赤になったが答えた。
その様子を見ながら、葵はお茶を差し出した。

「狼男は美味しかった?」

クスッと笑いながら言う葵に反応して真っ赤になる閏葉。

「なに馬鹿な事言ってるんですか!食べられたのは私の方です!」

と、反論を仕掛けるも

「そう? 閏葉途中で気失っちゃうし…食べ切れてないよ?」

と返される始末。

「ちょ!なに言い出しちゃってるんですか!!」
手を振り上げて、葵の胸板を叩くも、びくともしない事にイラ付き、
閏葉はぷいっとそっぽを向いてしまう。

「あはは、ごめんごめん」

背後から身体を抱き締め、

「良い匂いがする」

と、首筋に鼻を押し付けてくるのがくすぐったくて身体をひねるとお互い抱き合う形となる。

「ずっと…一緒にいてくれ」

「うん」

朝に響く甘い会話が、いつまでも続く事を祈るしか出来ない二人が、
同じ時間を歩き始めた。



FIN

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