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狼と私2章⑬

何故こんな事になって居るのか…
解らないが…

どうしたらレンを戻せるの?

私は…どうしたら良い?

大切なんだよ…レン

レンの目が、悲しみを帯びた気がした
レンの手が、目が、体が…私の身体を確認するように
動きを持つ。

「Do what!?」(何故!?)

「え?なに…?」

「Do what?It separates.」(何故離れた)

「レン!英語わから…んっふっ」

私の言葉は彼に伝わっているのか?
こんなに無表情で…こんなに光の無い瞳…

(何を…見ているんだ?)

舌先が私の口の中へと潜り込み、身体の力が奪われる。
指先がビッと、胸元を引き裂くと舌先が何度も
私の首筋を荒立てながら吸い付いてくる。

こうして…レンは他の女を今まで抱いてきたのか?

同じように…

こんなに熱く求めたのだろうか…?

だったら何故、あの女は違った…

「んっ…っふ」

荒々しく胸の先端を口に含むと、快楽に飲まれてる訳ではなくても
声が、くぐもって出てしまう。
その声を耳にして、キツいほど噛み締めてきた…。

「うっ…ひあっ!」

キリッと噛み締められると痛みで目の前がちかちかする。
持ち上げられた膨らみが掌によって痛いほど形を変えられる…。

(痛いっ…)
先ほど飛んだカツラのせいで、ぺったんこに成っている
髪を、無造作に鷲掴みにするとレンはズボンのボタンを外し
チャックを下ろすと私の顔がその側に引き寄せられた。

「ンっ…」

力を蓄えたソレは…口の中へと押し込まれ先程まで違う女がしていた行為。
同じ事を…させられた私は屈辱に身体を振るわせた。
けれど、ソレはレンが望んでさせている事でもあると言うのか?

「Lick.」(舐めろ)

言葉が単語が解らない。
でも、口の中で膨らむソレは
その行為を求めているのだろう…。

言葉に従ってるのかは解らないが、
それ以降レンは声を発さない。
ただ無表情で黙って私を見下ろし、
悦びの表情すらない中私はその動きを強める。

伝われば良い…レンを愛していると

解ってもらえれば良い…レンが大事だと。
反応を示すのは口の中のモノだけ
喉の奥を何度も突くように、中のソレが蠢く。
咽ながらも、レンの思い通り動けたのか質量を増し
口の中でレンは思いを吐き出すと
飲みきれなかったそれが、口角から流れ落ちた…。


「It does not … resist why? 」(なぜ抵抗しない?)

「ごめ…レン言葉わかんない」
レンの目が光を帯びてるような気がする…
でも、やっぱり貴方の目は何を見ているの?

「Did it come in order to carry out what?」(何しに来た?)

言葉がわからず、私はレンに泣きそうな目を向けるしか出来ない。
ただ、レンは気付いてるのだろうか…涙を流しながら今
何をしようとしているのか…。

「It cannot return any longer…」(もう、戻ることが出来ないよ…)

「・・・英語は解らない」

冷たい視線はまだ続いていて…
レンは日本語を話す気はないのか…?

レンは、そのまま私の身体をまさぐり太ももから上ってくる指先が私の中へと
押し入ってくると、無理に押し込まれたそれに顔を歪めた…

痛いっ…

でも…レンはもっと、痛かったのかもしれない。
身体じゃなく心が…

「 Mizuki A sexual act is carried out. 」(水希を抱くよ?)

何をされるのか…と言うのが理解できた。
こんな…荒くても私を求めてくれているなら…
甘んじて受け入れようか…もう、どうして良いのか解らない。
無言で受け入れていると、レンが急に
露になった肩先へと唇を寄せ…

「いっ…た」

噛み付くレンの歯が、ギリッと肉へと食い込んでいく。
そうかと思うと、急に吸われ…緩急に体がビクッと反応を示す。

赤く何箇所も咲いた花びらは、昔付けられたそれとなんら変わりはない。
レンの手で無残に引き裂かれてしまったドレス…
探偵さんに謝らなくちゃって、正常に働きすぎる思考が思い描くのに
レンの行為は止まる事をしなかった。

手が乱暴に胸をまさぐり、指先が私の中を翻弄しながら

レンの思いがイヤと言うほど伝わってくるのは
涙を流しながら私を抱いているからかもしれない。
拒むわけないじゃない…拒めるはずない…

「……I love ren」

小さくだけど…その一言を、やっと…今言えた。

レンの指先がそれを支え、私は足を持ち上げられて今にも入り込もうとしていた
レンが、ピタリと…動きを止めたので何だか急に恥ずかしくなって真っ赤に染まった。

真っ直ぐ見る目に…光が戻ったように見えた。
でもそれは…まるで私を見つめてるようで
今度は恥ずかしさが込み上げて来る。

「な、なんだよ…」
「Mizuki…?」
「な、なに…?」
「Why?」
「は?こっちが Why なんだけど…」

レンはキョロキョロと自分の格好や、
私の破れたドレスを見て目を見開いた。
表情が…殆ど変わらないのが、胸を締め付けてくる。

さっきは凄く痛かったと、視線を肩口に向ければ
やっぱり…レンの歯型…。

コイツは本気で犬だ…。

でもレンの手はベットの布団を殴りつけた。

「It does not resist why? 」(なぜ抵抗しないんだ?)

「だから、解らないよ?レン…ごめんね、言葉が解らない
日本語で話して…」

「It talks in Japanese?」(日本語で話す?)

「レン…日本語で話して」

今度は、震える手で…私の頬を優しく撫でるレンに微笑んだ。
急に何かを理解したのかしないのか…解らなかったが
急にレンの動きに優しさが加わったのだ。

「水…希…?」
「ん、レン…手紙の返事持って来たよ?」
「返事?」
「ごめんね、すぐに書けなくて…」
「…俺に?」
「当たり前でしょ?私の旦那なんだから…」
「そう…なの?」
「え?違うの?」

どんな会話だよ…
でもさ…

「レンの場所未記入で提出できないでしょう?だったら
旦那のままなんじゃない?」

「…あ」

何かを思い出したかのように、顔が薄く笑った…気がする
やっと…表情が見えた。

「レン、笑えたね?」
「え?」
「ホラ…手を当てて?」

レンの手を、レンの頬へ…私の手が導くと
ヒクッと頬が痙攣して固まった。

押し倒されて上からレンが覗き込んでいる状態だったけど
私だって結構バスケをやってきたんだ!腹筋くらい使える。

身体を起こし、レンの唇に自分からキスをすると
レンが眉を下げてゆっくり微笑んだ

行為は…そこで止められ抱き上げられると
レンは自分の着ていたスーツの上を私の肩から掛けた。
でもまだ、瞳の奥の光には辿り付けていない。

前のような無垢な笑顔を…
優しい心を…

「レン…」

脱ぎかけていたズボンを調え、レンは私の横に
腰を掛け私の口元の雫を親指で拭ってくれた。

「ごめ…ん」

「大丈夫だ、レン…」

「水希なぜ?」

「なにが?」

「なぜ来た…?」

どうしてかな…レンを私なら戻せるかもしれないと
思い上がっていたのかもしれない。
あんなレンを見たくなかったし、幸せになっていると思ったのに
私の見たレンは…ただの抜け殻だった。

「レンに手紙を渡したくて」

「手紙…」

あの返事を私は、ちゃんと書いてきた。

「これ…目の前で読まれると恥かしいから
部屋に戻ってから一人の時にでも読んで」

私は、その手紙をもう一つ小さく畳むと
レンのシャツの胸ポケに差し込んだ。

「さようなら…」

と、私が言うとレンがビクッと反応をしめし悲しい視線を
投げかけてくる…本当に、あの時のクロのような…
捨てられた犬の目。

「そう、書いた手紙は…捨ててくれて良い
私も、レンに捨てられたと思って書いたものだから」

私は溜息を吐きながら…
その時の気持ちを思い出しぎゅっと指先を握り締めた。

「捨てられる? 俺に…?」

と、返してきたレンにコクッと首を上下に振り
私はその言葉を認める。

だって…あの時の手紙は、そうだったから
もう、二度と会いに来るなと…そう告げているような手紙。

薄暗い中、二人はベットに腰を掛けて、互いの熱を
分かち合わないまま話し始めた。

「レン、お前には婚約者が居るだろう?」

「……あぁ」

「そして、国を挙げて私の結婚を祝うから相手が出来たら知らせろと
金を付けて手紙が来たら…そうとしか取れない…それに
レンの手紙を読んだのは…この間だったから」

「この間…?」

「そう、私の回りは、私にトコトン甘いらしい…
ソレが今回は裏目に出たと言うだけだ
だから誰も恨んじゃいない…でもね、
私はレンの笑顔を取り戻したいと思ったんだ
無表情で何を考えているのかさえ読み取れない
そんなレンに少しでも…笑ってもらえれば良いと
手紙を持ってここまで来たんだよ」

言い切った私は、レンの顔を見やると
切なそうで…今にも泣き出しそうな顔と出合った。

「水希・・・っ」

また、私の名前を呼ぶと彼はハラハラと涙を落とす。
「抱きしめ…たい…」

私は、顔も見ず言うレンに溜息を落とした。
そうやって…ずっとしたい事を我慢してきたのだろうか?

「誰…を?」

やっと、その言葉に私を見たレンが答える

「…水…希しか…いない」
「うん、そうか…やっぱり、私なんだな…だったら、なぜ試す?」
「試…す?」
「レン、私はレンに許可を出さなきゃ抱き締めても貰えないのか?」

その言葉に、おどおどと手が伸びてきて
獣のような先程の荒い抱擁ではなく
昔のような…包むような抱擁を受けた。

前までは、自然に抱き合っていた。
なぜ今…それを確認しなければ抱き締められないのか…
解りきっているけれど…でも、そうじゃない
私は、レンに昔の彼に戻って欲しいだけ。

「辛かっただろう?ごめんね…私が、あんな所で
留まったから…レンには辛い思いをさせたのかもしれない」

腕の中でレンに告げると
彼は、自分の首から引き抜いたお守りを出した

「まだ…持ってたんだ?」
「捨てるわけない」

即答で返され、私はクスッと笑った。
根本は…あの時のままなのだと
解ったから。

中から、何かを取り出し私の目の前に
ソレがプラプラと吊るされた。

「あ…これ」

レンに手紙と一緒に送り返したネックレス…
あの旅行でレンと初めてキスをしたんだっけ…
なんて思い出せるほど心には余裕が出来ていた。

そして、そのレンを壊した切欠の手紙も
レンの手により私に返されたのだ。

「また…持つ気持ちある?」

「無かったら…ここには来てないだろう?」

「そう…」

レンの手がするりと首の後ろに回り
私の首にソレを掛けると
トン…と、ベットに押し倒されレンが私の上に跨った。

「レン?」

指先が凄く冷たくなっていて…緊張しているのが解る。
その指先はゆるりと…私の首へと押し当てられ
両の手が私の首を軽く締め付けてきた。

「っ…」

光の無いレンの瞳の奥が、ゆらリゆらりと揺れてるようで
私は、逃げ出そうと思わずにレンの手に手を乗せた。

「怖い?」

首を横に振った。
レンにもし、本当にこのまま締められても
私はきっと、お前を恨む事はしない。
まだ、空気が入り込める余裕もあるし、血液が流れる
余裕もある…本気で締めているんじゃない事ぐらい解る。

「水希…もう、一緒に死ぬ?」

クッと力が入ると、声が急に出なくなる。
答えなど待つ気は無いのではないだろうか?
でも、レンは答えが欲しくて聞いてるような気がしたから…
狭まった声帯で声を押し出した。

「っぐ…それ…レン…願うなら…いいよ」

答えた私は言葉もそこで途切れ
強く押さえ込まれた指先に今度は息も通らず
ヒュッと喉がなるとカーッと一気に顔に血がうっ血していくのが解る。
あぁ、レン…お前と一緒に逝けるのか?
それとも、私だけなのか?

どっちだっていい…レンに笑顔を…取り戻したい。
思考の淵を彷徨うと、急に呼吸が楽になり
急に空気が肺に入り込み咳き込んだ。

レンが自分の手を見ながらポロポロと泣いていて…
咳き込みながら私はレンを抱き締めた。

「ゲホッ…れ…レン…ゲホッ」

「何で逃げない?」

「っは、っはぁ…レン…」

何を言って良いんだろう?
私は今この狼に試されている気がする…
だから、その誘いには乗らない…

きっと、もっと深く傷つきたいんだ。

我を忘れてしまえるほどに。

「俺は何人の女とさっきみたいな事してたか解る?」

私は声が出せなくて首を横に何度も振った。
だって、あのレンを見てしまったら…
イヤでも解る。
きっと、何度もあーやって女に身を任せていたのだろうと。

「きっと、両手でも足りない…
毎晩違う女が家に来て、俺を好きにしていく
アルに…怒られるほど…色々な人が俺を…」

「それがどうした…?何か問題が有るか?」
「は?」
「…気持ちの無い行為を…浮気と呼べるのか?」

それを…咎められたいの?でも…受け入れる
私は、それほどの言葉をレンに与えてしまったんだから。

「解らない…でも、気付いたら女が俺に跨って
嬉しそうに俺を脱がす…欲しいのは、俺じゃなく…
王家の血統だろうな」
「そうか…お前血統書ついたんだもんな…」
「血統書?」
「王家と言う血統書を付けたレンに群がる女…」

ここで私は一度口をキュッと引き締めた…
怖いんだ…もしかして…

「私も…その一人としてみてるのか?」

レンは首を振りながら今度は何も言わず
抱き締めてきた。

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