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最終話です、お付き合いありがとうございました!
【贖罪】42 ありがとう
【贖罪】43 愛が故
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【贖罪】42 ありがとう
カカシのとんでもない提案に、一度口をパクパクさせてから
もう一度考え、口をやっと開く。
「なっ!何言ってるんだってば」
カカシは驚くナルトに、ニッコリと笑った。
「オレは、お前に抱かれたって良いと思う程、お前と離れたくないんだよね
このオレがだよ?普段執着なんてほとんどしないオレが、お前だけは…
どうしても、イヤ…身を挺してでも離れたくないって思えるんだよね」
悲しげに笑うカカシにナルトが言葉を掛けられないでいると
続けるようにカカシの口から吐き出された言葉…
「オマエさ…スイに全部を奪われて、オマエの身の危険を知らせられないで居る
オレの事考えた事あるか?」
「え?」
「オレに言えば…オレはスイとオマエの元を去るとでも思った?」
「っ…」
図星を付かれて、冷や汗が流れる。
確かにその通りだった…解決方法があるとカカシに言われてどれだけ安堵したか
その前までは…自分がそう言う選択をする事で少しでもカカシの傍にいられる
その思いが強かった。
けれど、それをされるカカシの気持ちと言うのを一切考えてはいなかったのだ。
「お前より頭切れるの知ってるでしょ?なのに…
オレに何の相談もなしに、オマエは一人で決めた」
「うっ…」
確かに、あの時…
『カカシ先生…一緒に、住むってば。
オレの逃げ場所は要らねぇ…スイの力は、クラマに契約させれば
引き離されることもねぇし…』
そう、告げた事を思いだした。
「…ゴメンナサイ」
「謝らなくていいよ…恐らくお前にそう決断させたのはオレの弱さなんだろうから」
「っ、先生は弱くなんかねぇってばよ!」
「いいよ…オマエは一瞬でもオレの思いを疑った…
だから受け入れるのも怖いんだろう?」
「ちがっ!」
「違わない!」
カカシが一際大きな声でその言葉を吐くと、ナルトの肩がビクッと揺れた
「あ…すまん、声が大きかったね…
オレもさ、記憶が戻って正直困惑してるのよ。
表向きは必死にウズリの事を調べ上げてたけど…
オマエに嫌われたらどうしようとか、これ以上
ナルトと関係を深める事など出来ないかもしれないとか…
忍の仕事のせいでこんな時、裏の裏を読んでしまう自分に嫌気が差したりね…
記憶のないオレは、お前の支えになってやれない所か…
逆に迷惑を掛けっぱなしだったしね」
「オレは…先生がまた、消えるのが怖いだけだってば…
身体を、繋げたら…あの日のように…先生が消えちまいそうで」
そう告白されて、かなり昔の記憶が舞い戻った。
任務に出る前に、どうしてもナルトが欲しくなって…
彼を抱いてから任務に向かった…その先で起きた事件だったのだ。
それを今の今まで忘れていた。
カカシがハーっと息を吐きだし、頭を抱えた。
ナルトを抱きしめている腕はそのままに、カカシがゴメンと言葉を落とすと
ナルトはカカシの胸の中で小さく首を左右に振った。
「スイは…大きくなって独り立ちすれば、オレとは殆ど接点がなくなる…
ましてやアイツが陰陽師の道に進むなら…
スイとは全く別の道を歩く事になるのはオマエも解るだろう?」
胸の中で頷くナルトの頭をポフポフと撫でて話を続ける。
「九尾を支配しようとオマエを狙う可能性だって
全くのゼロではないのは解るよね?
オレは…スイを引き受ける時、ウズリに言った事がある…
オマエにも言っておくから、ちゃんと聞いて?」
グッと、赤くなった目尻を見開き、カカシの顔を見上げる碧い瞳にニッコリと笑いかけた。
「スイが、陰陽道に進むと決めたら、あの子はウズリに返す」
「なっ!」
「じゃないと、オレがスイを殺さなくちゃならなくなるかも知れないしね…」
「なんでっ!そんな事!」
「オマエは解ってない…お前と九尾が里にとってどれだけ大事かも
そしてオレにとって…オマエがどれだけ大事なのかも」
「子供を捨てるってのか!」
「ナルト…オマエは大事なことを見落としてるよ?
オマエが火影になれば、いや、ならなくても…陰陽道を進むスイは里の反逆者になる
昔お前が背負ったあの冷たい眼差しと、謂れのない虐待
苦しむのは目に見えている…だったら、陰陽道を知る
ウズリが面倒を見るのが普通じゃないか?
オレは忍になれと…スイに強制するつもりはないからね」
「だって、それじゃ…」
「だから今なんだよ…ナルト、今オレはスイの父親をやってるんだ
そして、あいつが決めた道をオレは絶対に阻止しない…」
ナルトがギュッと唇を噛み締めて、カカシの胸へと舞い戻った。
何を言えばいいのだろう?
どうしてこんなに…苦しまなければならないのだろう
自分がいるせいで…こんな事になってるのではないだろうか?
そんな考えが次々と浮かんでは消えて
怖くなってカカシに抱きつく腕を強めた。
「ナルト…お前のせいじゃないから、良く聞いて…
こんなに複雑になってしまってるけど
オレはお前が好きなんだよ…愛している
子供も勿論大事だし大好きだよ?嫌いだから引き離すんじゃない
あの子が選んだ道次第なんだよ…母と父が離れてしまっている
しかも、母は陰陽道、父は忍、そんな不釣合いな二人が
どう足掻いたって上手くなど行かない…
ウズリはね、忍を毛嫌っているだろう?
オレがあの家族と共に過ごすと決めるなら、
この身を消さなければならないのは解るよね?
オレの写輪眼は、そう簡単に里から持ち出せるものではない…
勿論、抜けれるわけもない…
追っ手と追いかけっこしながら、転々と逃げ回る毎日しか
オレ達には残されてないんだよ」
「…そんなもん、オレが変えてやるってば!」
「ナルト!」
「だって!」
「お前が変えようとも…オレの気持ちはもう、お前以外を見ちゃくれないんだ」
強く抱きしめられて、ナルトは泣くしか出来なかった。
カカシの想い、スイの先行き…、ウズリの苦しみ…
胸が押し潰されるのではないだろうかと思う程、ナルトの胸が痛みを伴った。
「一緒に…それでもオレと一緒にいてくれる?オマエが苦しくて、
もう嫌だって思うなら…オレはオマエを引き留める術がないんだよ」
「居る…オレ先生と一緒にいるからっ!」
「ん…ありがとう、ナルト」
二人が抱き合って瞳を伏せると、一階から
「ちちぃ~?なっとぉ…」
と、深夜に目を覚ましたスイが泣きそうな声を上げた。
「あ~…起きちゃったね?
んじゃ、オレは行くね…ナルト」
「…うん」
「寂しい?」
「なっ!さ、寂しくなんか…」
無いと言い切れなくて、頬を染めた。
「三人で寝よう、おいで」
グッとナルトの手を引いて階段を下りると
目に涙を一杯溜めたスイがナルトに抱きついた。
両手を広げて抱きかかえる準備をしてたカカシが
目を見開いて、情けない顔をナルトに向けた。
「どっちが親かわかんないね」
と、苦笑いするカカシに、目を泳がせるナルト
ベットまで案内されて三人で布団に入る事となった。
「なぁ、先生…」
「ん?」
「さっきのさ…いつか、本当にしてもいい?」
「……お前が望むなら」
そこで会話は途切れた。
そう、お前が望むなら、オレはオマエに抱かれたって構わない
傍に居られるのなら…何だってする。
既に世代交代は終わって、ナルト達がこの木の葉の里を守る時が来たら
自分は…何を彼にしてあげれるだろう
そんな事をカカシは考えながら眠りに付いた。
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【贖罪】43 愛が故
共に生活を始め、一ヶ月が過ぎると、お互いの時間配分が
どうにか理解できるようになった。
スイの送迎を優先に、二人で時間を組み替えながら
毎日を過ごす。
ナルトも、自分の時間を余り持てないくらい任務数をこなすようになり
カカシに至っては、綱手の配慮もあるのだろうが
長期任務が一切入って来なくなった。
一緒に生活してから、初めての3日間の短期任務。
里一番の実力者と名高くなったサスケと組んでる時点で、
結構キツイ仕事だと言うのは解っていたし、今回に限っては
綱手からナルトの任務に付いて少しばかり話を聞いていたカカシは
帰りを待ったがスイの眠たい攻撃に、仕方なしに布団へと潜り込んだ。
それから、どの位時間が過ぎたのか…
カチャ…深夜任務帰りのナルトが家へと入ると、
浴室へ行き汗を流して二階の部屋へと上がっていく
その音にゆっくりと目を開けたのはカカシだった。
ポンと、影分身を置いて、ナルトの居る部屋へと行くと
悲しげな目と出会った。
「大丈夫か?」
「今日はちょっと…キツかったってば」
カカシも通ってきた道。
綱手から詳細ではないが、今回のナルトの任務に付いて聞いていた。
初めての”暗殺”業務。
本来なら誰でもこなすこの仕事を、ナルトに今まで与えなかったのは
彼が真っ直ぐな人間だから。
そして人の命の重さを…一番に優先する子だから
だが、火影の座を目前にそんな甘い事を許される訳もない。
「寝る」
ポツリと言うナルトが布団に滑り込むと
カカシはソっと電気を消し、ナルトのベットに腰掛けた。
「先生?」
「良いから…眠るまで傍に居たいんだ…」
髪をユルユルと撫でてくれるカカシの温もりに涙が溢れそうになるが
ナルトはグッと噛み締めて目を伏せた。
けれど、まぶたを落とせばあの絶命の瞬間が目の前に広がって
ガバっと体を起こした。
カタカタと震える指先を黙って見ていると、カカシの手が
優しくその手を包み込んでくれる。
(あぁ…やっぱり、カカシ先生なんだ、こうやって安らぐのも
ずっと一緒に居たいと願ってやまないのは…こう言う優しさ…
先生を…もっと近くで感じたい。)
きゅっと唇を噛み締めて、ナルトはカカシを暗がりで見上げた。
ゴクッと一度自分の口内に溜まった唾液を飲み込むと…
「…抱いて」
弱々しい声が、カカシを求めた。
その声に目を見開いて、カカシが優しく包んでいた手を強く握ると
ナルトに、カカシが一番気になっている事を問いかけた。
「怖くない?」
その言葉にまっすぐ視線を絡めたナルトがコクリと首を上下させる。
「先生に包まれたいんだ…」
ポツリと吐き出してカカシの胸の中へと自らを飛び込ませてギュッと抱きついた
そんなナルトを優しく撫でながらも
「本当に良いの?」
と、問いかけると温もりを感じながらナルトは告げた。
「先生しかこの震えを止めれる人がいないんだ。」
フルフルと震える両手を開くとその上からカカシが指を重ねてきて
ギュッと握り込むと、もう片方の手でナルトのあご先を引いた。
「キスしていい?」
「ん…」
確かめるように、カカシはナルトの口内を探り、舌を絡ませ合うと
ナルトのウットリとした瞳と目があった。
「先生がくれるもんは…全部気持ちがいいんだってば」
と、薄く微笑んだナルトの表情に、自制まで流されそうになって
カカシは慌てて、心を強く持つ。
流されてはいけない…欲望のまま抱けば、自分だけが満足しそうで
ナルトを、ユックリと感じ愛撫した。
甘い吐息が漏れ、互の肌が熱く燃えるように熱を放ち
絡み合う液体が二人を汚しても関係なく求めるまま、求められるまま体を
何度も何度も求め合った。
何度もナルトの中に穿った己を、何度目かの開放感が襲う。
「ナルトっ!」
名を呼んで、思いの丈をナルトの外に吐き出した。
既に、彼はグッタリと気を飛ばしており
カカシが独りでナルトと己の汚れを落とし、深く繋がれた事に
喜びと愛しさを感じた。
「愛してるよ…ナルト」
慈愛に満ちた表情でナルトの髪を梳き、カカシはナルトの部屋を出た。
翌朝は、ナルトが起きてくる気配もなく、カカシは朝食を持って
ナルトの部屋へと向かった。
スイは、既に保育園へと預け、カカシが扉を押し開くと
昨夜の熱い性交を、いとも容易く思い出させる光景。
裸になった肢体が、布団からはみ出てて
スッとかけてやると、乱雑に脱がしたナルトの着替えを拾い上げる。
「んっ…ケホケホッ」
「あ、起きた?飯持ってきたよ…
昨日結構啼いたから…喋っても声出ないでしょ?」
その言葉に、目を見開いて自分の体を確認して更に赤くなった。
「スイは気付いてないけど…影分身のオレにはしっかりオマエの声
聞こえてたよ…」
クスクスと笑うカカシに真っ赤になったナルトがうわーうわーと
布団を引き寄せ包まった。
「オマエ…最後の方覚えてないでしょ?」
「あ…うん、ごめん」
「謝んないで、お前凄かったから、オレも何回持ってかれそうになったか」
「ちょ、恥ずかしい事言うなってば!」
「ん~…だって、今まででこんなにオレを欲しがるナルト
見た事なかったからさ…」
「だーかーらー言うなって!」
ボフン…と、投げた枕がカカシの腕の中に収まるとハイハイと笑いながら
ナルトの頭をポフポフと撫で、ベットに枕を戻すと
ソっとナルトを抱き締めた。
「怖くなかった?」
不安そうな視線を投げかけてくるカカシに苦笑いで笑顔を返すと
「オレ…怖いなんて思ってたのバカみてぇに先生に夢中になった」
と、思った事を口にして、言った傍から恥ずかしくなり真っ赤に染まる。
「うん、オレもだよ」
弓なりに下げられた目に、ナルトもふにゃりと頬を緩める。
「今まで…その、さ…ごめんな?」
上目遣いでカカシに訴えるように謝ると、ピンと額を小突かれた。
「謝らな~いのっ!大丈夫だから…な?」
「うん」
ナルトが、苦笑いしながらカカシの手にあった自分の服を受け取って
半袖と、ズボン姿になりやっと布団から這い出ると
もう一度カカシを見やった。
「あのさ…先生に言っておかなくちゃなんねぇ事あるんだってば」
「なに?」
「オレ…さ、先生の傍に居たいんだ!」
クスッと笑ってそんなの解ってるよと答えるカカシにナルトは更に続けた。
「スイの事とかさ…先生の今の状況は理解した。
先生に里抜けされたらオレやサスケが追う事になるかもしれねぇし
そんなのは絶対ヤダ!それに、里の理屈もさ…やっぱ解っちゃうんだってばよ。
先生に写輪眼があるように、オレも親から貰ったクラマが居るからな
だから、先生はウズリさんと一緒に居る事が出来ないのも
スイがどの道を選んでも先生は文句を言わないのが、先生の父親としてやるべき事
って事なんだろ?」
「うん、そういう事だね」
「そんな忍のシステムを変えたいとは思うけど…
でも、どこの里にもそう言う決まりはあるんだってのも十分解ってる…
ってか、解って来たつもりだってばよ!
だからさ、先生が決めた事を、オレの感情だけで変える事が出来ないのも十分に解った
それに…オレは先生と離れる事なんて出来ねぇってばよ!?」
「ん、ありがとう…オレもさ
これでも色々と考えて出した答えだったから
ウズリもずっと悩んでいたと思う…ケド生きる道が違うんだ…」
「うん、そうだよな…」
しょんぼりと、項垂れるナルトの肩をパンと叩くと
ニッコリとカカシが笑った。
「ホラ、しんみりしてないで飯!食い終わったら、今日は
二人でデートでも行こうか?」
「お、おう!」
机の上に置かれた、味噌汁とご飯、卵焼きに、小さなハンバーグ
それを見てクスッと笑って箸を付ける。
きっとスイの昼飯に作ったモノのあまりだろうそれを胃袋に収めた。
「せんせ…ありがとう」
「うん、オレもありがとう」
二人がクスクスと笑い合って、手を取り合った。
歩む先を…やっと取り戻したカカシと
やっと自分の片割れを見つけたナルト。
二人が、一緒に戻る家を後にして、木の葉の里をただブラブラと歩いた。
いつも、独りで幼い頃遊んでいた公園…
不意に自分の九尾の存在を強く感じカカシに質問を投げかけた。
「なぁ、先生…スイが陰陽師ってのを選んだら、オレは狙われるのか?」
「…そうなるかも知れないね、でも、木の葉の里はオマエを守るために
全力で戦うだろうな…」
「…そっか…んじゃークラマに修行させて陰陽師にも負けねぇ強さを
手に入れねぇとな?」
「……オマエねぇ、流石にそれは無理でしょ?
ま、あれだけナルトを好きなスイがオマエを狙うこと等ないと思うけどね」
「…って事はさ?オレって他の陰陽師からも狙われるって事?」
カカシが一度考えてからフッと笑った。
「いや、クラマはかなりの法力がないと支配はできないでしょ?
それにクラマが契約をしない限りは、ナルトの中に居るんだし
そうなれば、従わせる事は容易ではないからね…
スイはナルトの傍に居たから、ナルトの九尾に反応をしたけど
本来の契約は、野放しに成っている妖しが主体だからね。
例えば…ホラ、亀っぽい尾獣がいたでしょ?
あぁ言う、誰とも契ってないモノを従えるんだよ」
「亀…あぁ、先代の水影が亡くなってから、一人だったっけな…磯撫のヤツ」
「へぇ、名前も聞いてるんだ?」
「あーうん、あの図体で自分の事ボクって言うんだぜ?」
なんて笑いながらナルトが答えると、そうか…とカカシも微笑みを返した。
「まぁさ、オレってばもっともっと強くなっから!
スイがクラマを狙っても守るだけの力は付けるってばよ!」
と、笑うもんだから、カカシもクスッと笑って
そうだな…と、返し空を見上げた。
沢山の思い出や、沢山の記憶が互を優しく包んでくれる。
夕暮れが近づいた頃、二人で火影岩の上に立った。
ナルトの一番好きな場所であり、カカシと愛を通じ合わせた場所。
二人で誓う
「もう、オレはナルトを忘れたりしない」
「おう!オレは火影になってやる!」
そこで、オレもカカシ先生を忘れないとか言えないのか?と
心の端で思うが、それはそれで…ナルトらしい答えだと思い至るとクスッと笑った。
「…オマエねぇ…殆ど決まってるようなものじゃない
火影の座…綱手様が、オマエに授与の準備してるよ?」
「へへへ…やっとなんだ、やっとここまで来た」
吹いてくる風が、二人の額あての裾を揺らし
その場所で手を絡め合う。
必死に、九尾の存在を認め、友となり、互いに協力し合いながら
ナルトは現在の位置を手に入れたのだ。
絶え間無い努力と、限りなく強い精神力で…
「ナルト…愛してるよ」
「オレも先生を愛してるってばよ!」
そっと、唇を寄せると、キィィン…と音が響いた後に怒声が響いた
「オマエら!火影岩の上でイチャイチャするんじゃない!そこは神聖な場所なんだ!」
と、胸を揺らしながら拡張器を片手に腰に手を当てて叫ぶ女性。
「ヤッバ…」
と、ナルトが言い終える前に、カカシに担がれて瞬身で消えた。
そんな二人を見て、綱手が薄く笑う。
「ったくあいつらは…もう少し里の重要人物だって理解しろっ!」
と、ブツブツと言葉を吐き出しながら背を向けた半纏に書かれた賭の文字。
それを遠い木の上で二人見送ると、プッと吹き出した。
「綱手のばーちゃんは、いつも怖いってばよ」
「そーね」
なんて悠長に話を進め、二人で同じ道を歩きだした。
この先、スイがどうなるか…どう言う決断をするのか
それはまだ先のことになるだろう。
けれど、それを二人で受け入れて、前へ進もうと誓った
FIN
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