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【贖罪】41 同居
【贖罪】41・5 欲
【贖罪】41 同居
それから、一週間の日が過ぎ、カカシが家を建てた事をナルトに告げ
鍵を渡した。
どうやら、ヤマト隊長が全面的に協力させられた!…らしい。
それまでは互いに時間もない中荷物整理やら、何やらで時間を取られ
二人で会う事は殆ど無かったが、明日から…
その家で時間を共有して生きていく事になる。
昔、はたけの家が有ったその場所は
上忍にしか認められない森の中。
本来、里の主力となる上忍は簡単に居場所を詮索されないために
家は各自秘密にしなければならない。
ナルトとスイが同居するからと言っても、それは変わる事はない。
荷物の運び込みを終えると、ナルトは室内を見渡した。
「広っれ~!」
「ホラ、こっちだよ」
「なに?」
カカシの開けた部屋はナルトの荷物が運び込まれていて
8畳ほどの広さの中に机やら、本等が置かれており、その部屋から横に
小さな扉が見えた。
「先生これは?」
「開けていいよ」
ナルトが指先をドアノブに掛けようとした時
暖かいチャクラが流れているのに気が付いて
「解っ!」
と、唱えると、ふわふわとしたその空気が弾け飛んだ。
それを見ていたカカシが目を細めて薄く微笑む。
ナルトはウキウキとその扉を開くと
ナルトの修行部屋となんら変わりのない個室が現れた。
「これって…」
「今のように、チャクラで封じておけばスイも入れないでしょ?
オマエの忍具置き場にでも使いなさい。まぁ、裏に倉庫もあるけど
そこには、まだなにも入れてはいないからそっちを使ってもいいんだけどね」
ナルトが中をすげーすげーと言いながら見回ってるので
カカシはフーと息を吐きだし踵を返した。
「ナルト、とりあえず昼だから、荷物置いたら来なさいね?」
「おう!」
聞かずと知れたその返事を待たずカカシはスタスタと部屋を出て行った。
ふぅ…と、一息を付いたナルトがこれからこの場所で生活をする
それに当たって、綱手に一つ注意事項を受けた。
どうやら、スイへ渡せと言われたネックレスは
陰陽師の証でもあり、力を極限まで抑える効力がある所までは
スイの協力の元に綱手が判別をしていた。
法力を、見極める力もあったのかと聞けば、綱手は苦笑いで
ご意見番の一人がその法力が多少なりとある人間だったのだ。
スイの、法力の力を見極めたのもご意見番であり、なぜスイの力を
計るのかと聞かれ…綱手は、ナルトと共に過ごさせる為だとは
言えなかった。
なので、現在ナルトの家は
綱手の監視の元、無人ではあるがナルトの家として残す形となったのだ。
『どうせ、オマエが火影になる頃にはご意見番も私に代替わりしているだろう』
と、不敵な笑みを浮かべながら言う綱手に、ナルトの方が苦笑いを向けた。
「オレの部屋か…よろしくってばよ!」
ナルトに当てられた部屋はスイの部屋の近くで二人共日の当たる部屋。
その部屋から出て、カカシとスイの待つリビングへと向かった。
「なっとてばにょー!」
「スイ!久しぶりだな」
「てばにょー!」
「…お前、それ口癖になっちまうぞ?」
なんて口を突っつくと、キャハキャハと走り回って
カカシに、首根っこを捕獲されて唸っている。
「コラコラ、ナルトが居るからってはしゃがなーいの」
「う?」
「これからはずっと一緒にいるんだからね?」
ニッコリと笑いながらスイに話しかけるカカシ。
それをただぽかんと見ていたナルトが急に昔の自分をフラッシュバックさせていた。
カカシは、昔自分をそうやって、宥めたりしてたっけな…なんて
スイの首からは、あのネックレスが既に下げられていて
ナルトは、ちらりとカカシを見やった。
「ホラ、座って…」
カカシの横にはスイ
正面にナルト、ナルトの右側は、空席の4人座れる食卓テーブル。
食事を運ぶカカシを他所に
スイがナルトの膝の上に自分の居場所を作り、カカシが気づいて
手を差し伸べるも、首を横に振り嫌がるスイに苦笑いが漏れる。
「ホント…ナルトにべったりだねぇ」
と、言いながらナルトの食器の横にカカシがスイの食事を出すと
にっこり…と微笑んでフォークを持った。
「ちょ、スイ!オレのズボン汚れっから…ちゃんと座れってば」
「うー…」
唇を尖らせて、睨んでみるも、ナルトには効かず
カカシの横に置かれていたスイ専用の背の高めの椅子を
ナルトの横に引っ張ってきてそこへと座らされた。
そこからは…
「犬喰いだってばよ…」
皿に蕎麦を乗せて上から汁を少なめに掛けたソレを
上から被さって、フォークと皿と顔の位置が殆どゼロ距離。
「さ、オレ達もさっさと食べちゃうよ」
カカシの言葉を封切りに、皆でズルズルとソバを啜った。
家の大体の構図は、玄関を開けると
目の前に階段。
その階段を上がると、右がナルト左がスイ…だが将来という事で
現在はカカシの昔使っていたベット一つと不要物を入れているだけの部屋。
その横に、ベランダがあった。
一階にリビングと、カカシの部屋があり、カカシの部屋は
ナルトの部屋より少し小さめの6畳に横に作られた修行部屋らしきものの
正体をナルトは知らされる事はなかったが、恐らくは
ナルトの部屋にあったのと同じ、カカシの忍具や巻物の部屋だろう。
横に風呂場と洗面所、その奥にトイレ…そして20畳程の広いリビングにスイ用の
小さなベットが置かれていた。
恐らくは昼寝用に用意されたソレを見やると
カカシがニッコリと笑った。
「なんだってばよ…」
「大体の位置は把握できたか?」
「…おう」
「オレの部屋は、そこだからね?」
「…解ってるってば」
食器を片付けながら、答えるナルトに
カカシがスイの横で最後の始末をしていた。
あちらこちらに食い散らかされた、蕎麦の麺をティッシュで
拾い上げながら、テーブル布巾で、綺麗にその周りを拭って
食事は終わりを告げ
広くなったリビングでカカシが何時もの18禁本を開く。
ナルトもやる事がなく…いや、有るのだが
今はこの空間に居たいと、スイを目で追っていると
おもちゃ箱にダイブして次々に取り出されるおもちゃを見やった。
「既製品多いでしょ?」
「え?あ~…オレってばこんなんで
遊んだことねぇし、わかんねぇってばよ」
「そうだったね…」
パタンと本を閉じると、カカシがペラリと紙を取り出し
ナルトを食卓テーブルに手招きする
「なに?」
「とりあえずさ…規律でも決めようか」
「え?キリツ?」
「…ま、家の中の約束事だね」
「…おう」
①任務の時は前もって帰還日も伝える事。
②スイは木の葉の保育園にて預ける事。
木の葉保育園は、24時間体制で面倒を見てくれると言う
忍にはありがたいシステムがある。
空き待ちの状況なのだが、上忍だけは里を守るため何時でも
出入り出来るようになっている。
③カカシを愛し続けること
「せんせ…なんか変なの混ざってるってばよ?」
「ん?だって、オマエ若いから…目移りしちゃうかもしれないでしょ?」
「…今までしてないってばよ」
「でも、一応?」
「ってか要らねぇだろ!消せってばよ」
「はいはい…」
そんなやり取りを終わって気が付けば
約束事は結局、取り付けなくても良いのではないだろうか?
と言う事になり、せっかく書いた紙がくず籠へと行ってしまう。
「なんか、今までと何も変わらねぇってことだよな?」
「ん、そうだね…」
「でも、オレは…人の気配のある中で生きてきた事なんて無かったから
家族も知らねぇし、勝手ばっかするかもしれねぇから…
目に付いたら言ってくれってば」
「うん」
こうして、表札も出さない森の中の家に
ナルト、カカシ、スイの3名が住まう事となった。
その夜は、ドタバタと引越しの荷物の開封などで
かなり遅い時間までナルトが荷物整理をしている音を
スイを、買ったばかりの大きいベットに横たえながら聞いていた。
「なっとーねゆ!」
「ん、そのうちね…」
と、ポンポンとリズミカルに体を叩けば
スイはあっという間に眠りに誘われ、カカシはベットを抜け出して
ナルトの部屋へと向かった
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【贖罪】41・5 欲
深夜になり、ナルトはそろそろ寝ようと、修行部屋の整理を終わらせ
扉を開くとカカシが、ナルトのベットで腰を掛けてイチャイチャシリーズを読んでいた。
ナルトがぽかんと口を開き、なにやってんだよ…と聞こうと口を動かそうとした時
パタン…
静まった空間を埋めるように本が締められる音が響いた。
「ナルト…刺を抜きに来たよ」
その言葉にキョトンとして、とりあえず
扉に印を向け、結界を施す。
「へぇ…印を結ぶスピード上がってるね…
オレの居ない間に随分上達したんだ?」
「まぁ、それなりにだけどな」
そう、苦笑いで答えるとギシッとナルトがカカシの座っていた場所の横に腰を掛けた。
二人の重みで啼くベット。
「もっと近くにおいで?」
カカシの声に頬がふんわりと熱を放つ。
あぁ…赤くなってるんだろうなぁなんて思うのに
カカシの言葉には逆らえず、ナルトは立ち上がりベットに座るカカシの前に立った。
「もう少し前」
既にかなり前にいると言うのに、そう言われれば
ベットの縁がスネに当るくらい前に出ると、カカシがナルトの体を
そっと抱きしめる。
立ってるナルトからしてみれば、座ったカカシが自分の胸に抱き付いてくる
そんな形で、自然とカカシの銀の髪を梳いていた。
「やっぱり、ナルトに触られると気持ちいいよ」
「……そう、なのか?」
「そうだよ。」
右側に有ったカカシの足が急に動きを見せたと思ったら
パン!
「うわぁ!」
と、己の足を弾いて、抱き抱えられてた体にも体重がかかると
あっという間に体がふわりと宙を浮きその間に反転したカカシと入れ替わるように
ベットの上に二人で倒れ込んだ。
クスクスと笑いながら、簡単に足を払われるなんてまだまだだねなんて言葉に
膨れながら、口布越しに軽く唇を重ねられた。
「怖い?」
「……怖いってばよ」
「解った…抱かないから」
そう、言い切ったカカシがスルリと口布を下ろす。
その下ろす仕草まで、男の妖艶さを伺えてナルトがブルリと身震いを起こした。
乱れた髪の毛を愛おしそうにカカシが撫でて形を整えていく。
グッと押し上げられた前髪、さらけ出された額に、カカシが口づけを落とした。
手は、ユルユルナルトの肌を這い回り、その動きに
ナルトの中で眠っていた昔の快楽がむくむくと目を覚ましてくる。
「っふ…」
カカシの手が、自分がどこを触れれば悦ぶのか知っている。
「気持ちいい?」
「…ん」
はっきりと、気持ちいいなんて答えられず、ナルトは首を上下させた。
初めて…彼に抱かれた日を思い出す…。
そんな、昔抱かれた記憶は…なぜ今頃になって鮮明に思い出すのか。
ナルトは苦笑いしてカカシの左手を握り締めた。
「センセ…んっ…」
「やっぱり、ナルトの声…オレをおかしくするのに十分な威力だよ」
指先が絡まり、指と指の間に互の指が絡まり握り合う。
「っは、何…言ってんだってば」
「初めての時も、ナルトの声で、我を忘れちゃったからね」
「今は、忘れちゃダメだってば」
「うん…だから、もう止めておく…嫌われたくないしね」
ソっと、モノ惜しげに離された手
その手がナルトの頭を包み込んで、抱き締めた。
「怖かった?」
「…少しだけ」
「そう…」
行為が怖いわけじゃない…
ただ、カカシを失うのが怖いのだ。
そんな事を思ってたら、急にカカシが口を開いた…
「ナルト……オマエ、オレを抱いてみるか?」
その言葉に、ナルトは目を丸くするだけだった。
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