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なつめっぐ 保管場所

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向日葵7

もう疲れました?w

カカシとサスケを送り出し、あと少しの任期を終えるため
ナルトは風影について色々と学び、机上の仕事に文句を付けながらも
どう言うのが仕事なのかと言うのを少しづつではあるが
理解を深めていた。

いざとなれば己が出向かなければならないが、殆どが書類との戦い。
眠気と書類の狭間で自分は一楽のラーメンが恋しくてヨダレを垂らしてしまいそうだ
なんて、のんびりと構えていたが、急に腹の辺りにチリリリと、変な感覚が生まれた。

”クラマ?なにか感じたか?”

”いや…ワシは何も…”

自分の中の、九尾に話しかけてそれからも
違和感がどんどんと大きく感じて、ナルトは
我愛羅から、休憩時間を貰い二人が去っていった木の葉へ向けて
仙人モードで感知を試みる。

言いえぬ不安…
なんて言っていいのか、解らなかったが
自分の前でカカシの口調を真似た男が、どうにも気にかかった。

どうしてあの時、あんな言葉の使い方をしたのか。
出会って直ぐの口調とは全く違った。

いや…段々と変わっていった?

何故…?

言いえぬ不安が徐々にナルトの思考を深く深く探らせる。
自分の中を彼に覗かれたような…そんな変な気分だった。

(なんなんだ…くそっ!)

仙人モードでも、範囲はある。
普段より許容は大幅に増えるがそれでも、カカシの気配を感じる事は
出来ない距離まで彼らは足を進めたのだろう。

苛立ちながらも、執務室へと戻ると
我愛羅が、ジッと自分を見つめていた。

「我愛羅?ど、どうしたんだ?」

「今火影から連絡が入った」

すっと差し出された巻物を見て、グッと手に力を込めた。

”風影様、ナルト小隊がお世話になっています。
実は少し厄介な事が発覚しましたので、ご連絡した次第です。

現在木の葉に入った情報によると、どうやら鳥の国の国境に数名の忍が
砂で捉えられた者の奪還のため動いている気配があるらしく
木の葉は動くつもりですのでよろしくお願いいたします。”

との事で、それ以外は一切書かれていない所を見ると
カカシとサスケの最強コンビだから、心配する事はないという事なのか?
それとも、砂は砂で動いて欲しいという事なのか…
ナルトは思いあぐねていた。

二人の実力は自分が一番間近で見ていたので知っている…だが、不安は消えるどころか
どんどんと、ナルトの腹部にチリチリとした何か言いえぬ思いを感じさせる。

「行け…」

そんな不安そうなナルトを見てしまうと、言う言葉は一つしかない…我愛羅は
その言葉を吐き出して、溜息を落とす。

その言葉にパッと顔を輝かせ、ありがとうと言い残すと
待てないと言わんばかりの勢いでナルトがその場を離れていった。
シカクと、ネジに伝言を残し、ナルトが単独で出る事となった。

勿論風影もそれを後押ししてくれた為、無事砂の国を出る事が叶った。

”クラマ!力を貸してくれってばよ!”

呟いたと共に、チャクラモードに切り替わり
ナルトは目的地まで足にチャクラを溜め込み、一気に砂丘を駆け抜けた。

チャクラモードの体力はかなり活性化する為
いつも以上の速さを得る事が可能で、仙人モードも同一ではあるが
それよりも活性化するチャクラモードを選択した。

早く…彼らを見つける事が優先されたのだ。

彼らが去ってから、既に半日は消化されている
追い付けるとしたら夜の休憩時間辺りだろうか?



「さて、日が暮れるねぇ…そろそろ、休憩と行きたい所だが…
どうも穏やかじゃない空気が流れてる気がするんだけど?」

ちらり…とサスケを見やると、サスケがジッと辺りを見回す。

「チッ…3人か」

「デショ?しかも、こっちの様子は解らないって位遠いんだよね~
なんだと思う?」

カカシの言葉に、サスケも確かにと頷く。
なにせ、暗部のサスケでさえ気付くのが遅れるほどの遠巻き…なのだ。

「様子見って事か?」

「もしくは…」

チラリと、今度は横で疲れた表情をしている男に視線を投げた。
その様子にサスケがあぁ…と答えたあと、男の奪還かとポツリと呟いた。

「なんだってばよ!」

相変わらずの口調に苛立ちは消せないが、それには答える事なく
サスケがカカシにどうする?と問いかけた。

「一応、様子を伺ってこようかな?」

と、カカシは親指を噛み締め、ピッと切れた指先から流れる血を
手のひらに一直線に線を引くと、地に手を置き”口寄せっ!”と声を出すと
3体の忍犬が現れた。

「気配は3人…悪いけど様子見てこれる?」

「任せろ」

先頭に座っていたパックンが言うと、カカシがニッコリと笑って散と言葉を放った。
同時に駆け出した忍犬を見送り男の顎をカカシがグッと持ち上げた。

「さて…何か知ってそうなんだよねぇ…アンタ
答えて貰いたいんだけど?」

くつり…と、喉の奥で笑う男の殺気がふわりと舞うと
横にいたサスケが深い溜息を落とした。

カカシの心情は…恐らくはナルトの真似をするのが気に入らないのだろう。
けれど、それに気付いていない…
もし気付いていたなら、きっとこの男は巧みに隠すだろうから。
それに、こんな場所で殺気を振りまかれれば、ココに居ますよ~と
旗を振って待っているようなものである。

「カカシ、ナルトのマネが気に入らねぇからって、そんな殺気立つな」

「…え?何言っちゃってんのよ…サスケ」

「殺気がタダ漏れしてんだよ!これ以上敵を呼んでどうする!」

「…あれ?そんなに殺気立ってた?」

キョトンとした顔でサスケをみやってから、あぁ…と、自分の手が白くなるまで
握りこまれて居るのに気付き、ふーと息を吐きだした。

「あぁ、ごめんね…こんな予定じゃなかったんだけどね?」

なんて、殺気を収めたカカシがヘラリと笑った。

「アンタ沸点低すぎだろう…俺が聞くから良い、お前は忍犬の報告を待て」

「はいはい、大人しくそうさせて頂きます。」

銀髪をポリッと掻いて、スッと立ち上がると、カカシは目の前の木に飛び移って
そっと横目で、残された二人を見て溜息を落とした。

(感情が出すぎた…のか?はぁ、オレってどうしたんだろ?
相手はナルトだぞ?教え子だぞ?しかも男だよねぇ?なぁんでこんなに心まで縛られちゃったのよ…
ビックリするねぇ…意外過ぎて、オレ倒れるかも…)

苦笑いしながら、グッと辺りを見回した。
今はそう言う思いに浸ってる場合ではない…パックンの遠吠えが聞こえると
その音の方へ視線を向ける。

すぐさまカカシの元へ集まり報告が始まった。

数キロ先にいる忍は、自分に気が付く事も出来ないほどの弱い忍。
後の二人は、気付いたが攻撃を仕掛けてくる事はなかった…

だが、早い時点で視線を感じたので、この場所から飛び出したのは
きっと相手も解っているはず…だと言う。


カカシはうーんと頭をひねった。

攻撃をしてこない以上、こちらからは手を出す訳には行かない
任務外…なのだから。

だからと言ってその視線が気にならないはずもなく
苛立ちが募るばかりになっている。

もしかして…

(苛立たせるために?何故…?)

次々に今までに起こった事と報告の言葉を思い出し
色々な情報と重ね合わせていくカカシの頭の中で
言いえぬ不安が襲った。

言葉を操る忍が…確か、いたはず。

あまりにポピュラーでもないし自分が遭遇した事もない。
だからどんな術かも判らないが…確かに聞いた事がある。

鍵を開けるように誘導し、相手を自分の物にしてしまう…
傀儡術ともまた違う言葉の縛り…
ただし、発動条件が厳しく、そうそう戦場で使う者は居ないのは確か。

と言う事は、今話しているサスケが何か鍵を言ってしまえば終わり?

と、考えが及んだ所で慌ててサスケの元に戻るが、サスケの尋問は
普通に続いていた。

「サスケ!もう良い!そいつと会話をするな!」

カカシの言葉に、眉間に皺を寄せるサスケが は? と、
声を上げると、男の口に猿轡を嵌め込んだ。

「どういう事だ?」

状況の掴めていないサスケに、暗部で使われる自分たちでしか解らない言葉で伝えた。

『この男は言葉使いの忍かもしれない…』

『言葉使い?』

『正確には、言術使いと言って、”幻術”と発音が重なるから言葉使いと呼ばれてるんだが
文字通り言葉を使って徐々に術に掛けていくもので、どこかの国でそれに長けた人間がいたと言う
情報だけはあるが…正直どう言う術なのかは解らない。

言葉の中に鍵となる言葉が存在してその言葉を相手に言わせるのが発動条件だ。
そしてその言葉に縛られた者は、相手のいいなりになってしまう…
そこまでしか判らないが…コイツがそれの可能性が高い。

周りの忍は、3人で忍犬に気付いても、攻撃さえしてこなかった…
そして、ナルトの口真似、しかも砂ではオレの口調をナルトの前でしている…
それを総合しても、オレかサスケ…どちらかが術に掛かる可能性が高い』

『ちっ…めんどくせぇ…』

と、木の葉の頭脳派が良く吐き出す言葉をサスケが吐き出した。

『暫くはこれで会話をするよ?』

『あぁ…解った』

ムグムグと男が何かを話そうとするが、それは全て無視を決め込み
二人の会話は3人の気配を感じながらも、続けられた。

『何か、お前は言ったか?』

『あ?…なんでナルトの真似をすると聞けば、笑って友達だろう?って答える
何が目的だって聞けば、俺と友達になりたいと言う…
まるで、思考がナルトの中を見て来たみたいに言うから、お前のように苛立った事は確かだ。』

『心も読めるのか?』

『…解らねぇ』

全くの情報のない中、この状態がいかに危険かを
二人は肌に感じる。
なにせ、暗部で培った経験が警告音を鳴らしているのだ。
危険だ…と。

だが、任務である以上この状況下でも連れ帰らなければならない。

『走り通しになるけど、もう出立しよう』

『あぁ…』

二人は、荷物を背負い立ち上がると男を立たせる。

「休憩は終わりだ」

サスケが声をかけると、男が猿轡をしているにも関わらず
うだうだと文句をタレ、挙句座り込んだのでサスケがクナイを背中に当てた。
男はそれだけで本気だと悟ったようで、渋々立ち上がり
サスケの促す方向へと足を進めだした。


**********************************************************14


早く木の葉に帰るのが得策だろう。
その言葉使いの、所業もやり口も何もかも不鮮明な上、自分達が一度も遭遇した事がない
その経験値の低さに自ずと不安が押し寄せるのは仕方がないこと。

カカシほど経験値を蓄積させている忍は少ないだろう。
けれども、それでも会った事のない敵にどうする事も出来ないのだ。

いろいろな情報と行動を思い返しては脳内で分析をするも
そろそろ手詰まりになろうかとした時だった。

「カカシ先生!」

遠くで聞こえた声。
それは、ナルトのものだが…それが本当に彼なのか。
辺りの3人の気配は変わっていない。

サスケと目を合わせて、その声の方へと振り返ると
ナルトが目の前に現れた。

ハァハァと、少々息を乱し、汗を流しながら
両膝に手を置き、グッと首だけをこちらに向けて「大丈夫かってば?」と
投げかけられた。

「ナルト、お前なんでここに!」

サスケが声を出した途端、カカシが慌てて口を塞いだ

「…なに…してんの?カカシ先生?」

サスケの口に手を当てながら、ナルトに向かってマスクの口の上と思われる場所に一本指を
立てて音を、声を出すなと”シー”なんて言い出したもんだから
ナルトにしてみれば折角追いかけて来たのになんだよ!と
文句を言いたくもなる。

残念ながら暗部の言葉はナルトには解らない。
会話の手段は紙に文字を書く事しか出来ない。
いのいち辺りがいれば伝達作業も苦もなく出来るのにな…
なんてカカシが脳内で思った所で、本人が来るわけもなく
止む終えなしに、カカシはナルトの手を引いてその場から離れた場所へ向かった。

彼に聞かれなければ、術のリスクが軽くなるのか?
それすら解らないがそれでも、目の前で行動するよりはよっぽど安全だろう。

サスケとその男を視界から外す事なく
カカシは巻物を広げ、筆をサラサラと走らせた。

”しゃべらず答えろ。どうして追ってきた?”

それだけの質問に、ナルトが綱手からの書状を見せた。

ススッと目を通し、ハーっと溜息を付くと、カカシはナルトの頭を
グッと自分に引き寄せ、寄せられたナルトの耳に口布が当たる。

ドキン…と、心臓が早まるのを諌めて
カカシの言葉を待った。

それは囁くような…甘い囁きを受けるような
そんな錯覚に襲われそうなほど、優しく低く、呟かれた。

「いいか…アイツは言葉を使う忍だと思ってる。
だから言葉は極力使わないように心がけろ」

それを伝えたカカシがフッと視線をナルトに向けると
見事に真っ赤に染まった頬を隠すかのように下を向いてしまっていた。

(あ~らら…何この可愛いの?参ったねぇ…)

なんて心で思ったが、その先を考るくらいなら今の状況を打破する方法を
考えねばならない。

カカシが、ナルトの肩をポンと叩いて
紙に、良く来てくれたね。と綴った。

「おぅ!」

なんて照れ臭そうに言うナルトに、カカシは深く溜息を落とす。

(今喋るなって言ったばかりでしょ…全く)

なんて愚痴も零したくなる。

とりあえず木の葉へ向かうと言う事をナルトに伝えると
どうやら彼も同意見だったらしく首を縦に振ってきた。
きっと、我愛羅辺りが、行って来いとナルトを送り出してくれたのだろう。

サスケと合流して、三人が監視をしながら進んだ。

「なぁ、カカシ先生」

その声にガックリと頭を項垂れるサスケとカカシ。
二人が視線をナルトに向けると、チラリと遠い方へと視線を向けてるのに
気付いて、あぁ…と、理解した。

そして視線がカカシと絡んだので、カカシが首を上下に振ると
サスケも知っているのか?と言いたそうに視線を向けてきた
無論サスケも同じように首で答えて来るので、ナルトは迷う事なく影分身を出した

「え?ちょ、何するの?」

とりあえず、急遽止めなければならないと、カカシの声が上がった。

「テーサツ?」

「今は何もしないで良いから!そして喋るなって言ったでしょ」

仕方ないなぁ…と言いたそうに苦笑いしたカカシが、ナルトに伝えると
そうだった!と、思い出したかのように口にするもんだから
無論、サスケとカカシは深い溜息と共に苦笑いと舌打ちを同時にしていた。

ナルトは身の危険や、戦闘においては類希な程の実力を見せ付けるが
こと、幻術やら頭で考える事をさせると右に出るものがいないほど…機動力が削がれる。
不器用で体で物事を理解していくのがこの子の理解スタイルなのは
勿論12歳の頃から面倒を見ているカカシにしてみれば理解出来るものの
この現状には、彼が居ても…正直危険度を高めるだけではないだろうか?

『カカシ、ナルトは返した方が良いんじゃねぇか?』

サスケの暗部用語での問いかけに、確かにその通りだと思い
カカシがナルトの手をグッと引いた。

「なんだってばよ?」

「ナルト!ちょっと来い」

途端…ナルトの青い瞳に生気が消えた。
ガクッと体を折り、カカシの腕の中にスローモーションのように
倒れ込むと、カカシが驚いて受け止め、ナルトの頚動脈へと指を這わせる。

トクン…トクン…

規則正しく打ち込まれる鼓動にホッと安心をしたが
頬を叩こうが、揺すろうが、ナルトは目を覚ます事をしない。
現状に、敵の猿轡を確認するも目視するだけでは印も結べないように
手を拘束しているし、口も開かないようになっている。
だったら、何故ナルトは意識を手放したのか…。

その前の行動は…
ナルトを返そうとして、話をするために場所を離れて
帰る事を納得させようとしていた…
それだけの事。

今までと何ら変わる事はなかったはずなのに。

男にサスケが何かしたのか?と問えば
ニィ…と、薄暗い笑みを浮かべ
それと同時に、カカシの忍犬が一斉に遠吠えを始めた

「マズイ、来るぞサスケ!」

カカシは、倒れ込んだナルトを安全な場所に移動しようと抱き上げようとした時だった。
チリっと、カカシの左腕に走った痛みが、
抱き上げようとしていたナルトから与えられたものだと理解すると
カカシはナルトの傍から一歩離れた。

カチリ…と、クナイを構えるナルト。
左腕にクナイが掠って薄く切り裂かれた皮膚から滴るカカシの血液を
右手で押さえる事もなく、カカシはクナイを握り締めた。

「どうなってる!」

叫ぶようにサスケが言葉を吐き出すと
サスケに掴まれていた男の肩がまるで嘲笑っているかのように
小刻みに震えた。

起き上がったナルトが、サスケにクナイを投げ付け
男を奪還すると、男の猿轡を外し、後ろ手で縛られている縄を外そうとして
モタモタとやっているのが目に飛び込み
カカシがナルトに向かってクナイを投げる。

それを、ナルトがスッと避けると、また
縄を解こうと男の後ろでゴソゴソとやっているのを見て
カカシが口を開いた。

「お前…ナルトに何をした!」

「…なにも?俺は何もしてねぇだろう?そのサスケが見てたじゃないか
コイツの意思で俺を助けたいと願ってるという事さ」

「そんな訳あるか!」

と、サスケが男の前に躍り出ると、クナイを持ったナルトが男の盾となり
サスケのクナイの先端を腕で止めた。

パタタ…と、ナルトの腕から落とされる血は、土に落とされじわりと滲んだ。

「このっ、ウスラトンカチがっ!」

サスケはその行動に苛立ちを素直に拳に集め
ナルトの横っ面を殴り飛ばすと、綺麗な弧を描き、ナルトの体が空中へと
投げ出され、引力に従うように土の上へと体を落としドサッと倒れ込んだ

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