倉庫です。
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
≪ 金糸雀 最終話 | | HOME | | その他二次作品 ≫ |
天花の完結でございます。
===============
15:終結
カラン…と、金属が岩へと落ちる音に、悔しそうに
唇を噛み締めるカンザ
チラリと、ナルトを見やると不思議そうな顔をしているが
勿論、カンザも不思議そうな視線をカカシに向けた。
「ざぁんねん、お前らもう少し状況見なさいよ…
血継限界と解かれば、どうとでも対処出来るでしょ、ね?サスケ」
弓なりに下げられた目尻を見てハッと何かに気付いた時には
手の中にあった氷刀が、サスケの手により奪われていた。
「くっ…幻術か」
悔しさに握りこまれた氷刀は、既にカンザの手の中には無かった。
「そう、氷刀はカンザ、お前が持ったままだった。
オレの攻撃が効かないなら…幻術で落としたように見せかける事は容易いからね
そこにサスケが飛び込んで、触れても問題のないその刀だけをもぎ取った…ってワケ
さて…形勢逆転だねぇ…
お前らナルトを傷付けた罪は重いよ?どうされたい?」
ニッと笑うカカシにカンザがフルリと身を震わせた。
写輪眼が、赤く妖艶に炎を灯すかのように見える。
そしてその眼が…左右に3つ…
サスケの写輪眼とカカシの写輪眼に
ペタンと腰を落としたカンザ…
「そんな…」
「木の葉の上忍なめんなってばよ!オレだってカカシ先生と
サスケのコンビプレイはコエーってばよ!」
ナルトが声を上げるとサイとサクラが首を上下に振り
サスケは、フン!と鼻で息を吐き出すとそっぽを向いてしまった。
ヤマトが木遁で彼らを縛り上げ、その上からチャクラを通した
縄で縛り上げ指先は綺麗に縛り付けられて
印を組めないようにされてしまい、2人のカンザは抵抗さえ出来なくなった。
◆
「解った…カカシ班ご苦労であった!」
綱手の一言で、任務終了を告げたカカシ班と呼ばれる5名は
各々帰って行く中、サクラとナルト、カカシだけがその場に残った。
「氷刀の縛りを解かないとならないな…」
カチャリと、渡された氷刀を綱手が抜くと
その光がナルトの視界の中へ入ってきて、眩暈がするほどの
眩しさに目を細めた。
「幻術に近いのかもしれないな…」
グッと綱手の手がナルトの顎を引き、目の奥に映る光を
追いかけるも、その光の行方は掴めず
数日の待機を言い渡された。
その日の夕方、日が暮れかなり闇に侵食されている空の下
カラリと自宅の窓が開かれた。
「あ、カカシ先生?」
「よっ! 何か異変は?」
「ん~…いつもと全く変わらねぇってばよ」
「そう…傷はもう痛まないのか?」
「え?あ~…まだ少し痛むけど、そんなに弱くねぇってばよ!」
腰に手を当ててえっへんと威張るように胸を張ったナルトに
ニッコリと微笑んだ。
「ま、夕飯一緒に食べようと思ってね…持ってきたよ」
カサリとスーパーの袋をナルトの前に見えるように差し出すと
その中を覗き、ナルトがゲンナリとする。
「こらこら、野菜見てそんなにゲンナリしないの。
後でサスケとサクラとサイが来るから、鍋でいいか?」
「え?」
「たまたま…通りかかってね、声掛けておいたんだ」
自宅に、皆が集まるなんて事は無かった為か
それを聞いたナルトの動きは、常にソワソワしていたが
皆が集まり、楽しい時間を過ごすと
疲れていたらしいナルトがその場でごろ寝を始めてしまった。
「ったく…子供みたいなんだから」
クスクスと笑いながら金糸を撫で上げるサクラの指先がピタリと止まると
荷物を集め、帰宅を訴える。
それと共にサスケもサイもナルトの家を出て、各自自宅へと向かった。
「ったく、あいつら片付け位して行けっての…」
ナルトの体を横抱きで抱き上げると、ベットへ運び
カカシが布団を首元まで引き上げてそのベットに腰を落として
ユルリと髪を撫で上げた。
「サクラは、ナルトのこの髪気に入ったのかねぇ?
オレだけが触れる特権だと思ってたのに…」
クスクスと笑い、カカシも後片付けを終え、帰路に着いた。
翌日にはナルトが掛けられた操られる術は解かれ
通常任務に付けるようになった。
暗部のサスケは居ないものの、カカシもサクラもサイも
無論、ナルトも…再びカカシ班としてサスケが戻ることを祈った。
数日後、カカシ率いるカカシ班の出動の時。
「カカシ先生?」
「な~に?サクラ」
「先生この前ナルトの家で…髪を触っただけで凄い殺気でしたよ?」
「え?」
キョトンとしたカカシがサクラをもう一度見やると
ニィと不敵な笑みを浮かべたサクラが
ナルトには内緒にしておいてあげますと、地を蹴り上げた。
「……やれやれ、見透かされちゃったねぇ」
と一言告げて、苦笑いを漏らしながらカカシ班のメンバーの最後尾を陣取り進む。
いつもの光景に、木の陰から覗いていたサスケが薄く微笑んで
木を蹴り上げた。
ザザッ…と音を立てて消えていくサスケとカカシ班
互いに任務に付ける日も、近いだろうなと
カカシが心で思い微笑んだ。
FIN
=======================================
2/24 カカナル風味過ぎて、物足りないでしょうか?
と思いながら、完結させてしまいましたが…
リク主様、長らくお付き合いありがとうございました!
これからもどうぞ宜しくお願い致します。
≪ 金糸雀 最終話 | | HOME | | その他二次作品 ≫ |