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19歳のナルトが、エロ仙人と修行に出る前の時へ飛んだ!
20代のカカシとのちょっとえってぃなお話。
R15
木の葉の風が、フワリと吹き荒ぶと
第三演習場の中で風が旋毛を立てた。
それから巻き起こった風に包まれるように現れた金髪の青い瞳は
見まごう事ない木の葉の英雄。
彼の通り名は、木の葉の英雄うずまきナルト。
現在の齢19そこそこで、既に火影の座に一番近い人間だと言われている。
無論それが彼の望みでもあるし、それが目標でもある。
今日は、アカデミーの生徒たちがこの演習場を使うと言う事で
危険物などを調べに来た。
普段はアカデミーの教師がやることなのだがその教師が
フラフラとした足取りでこの場所へ向かっている時に、任務帰りのナルトが
偶然居合わせたと言う訳だ。
「なんか、悪いね…」
なんて申し訳なさそうに追い付いてきたイルカに
おとなしく病院行けってば!と言葉を返すとそうすると、素直に
病院の方へと向かって足を進めるので
ナルトは影分身を作り出し、イルカの腕を支えて病院へと急いだ。
一方本体は、演習場でのクナイの忘れ物
トラップの形跡などを探りながら、影分身を20名程引き連れて中を何度もくまなく飛び回っていた。
別段これと言って変なものもなくトラップも作動しない。
その空をグッと見上げて…
「懐かしいってばよ」
と、呟いた。
下忍がこれから、教師に連れられてこの場所へ来ることだろう。
そしてあの時と同じように…演習が始まり、忍として育っていくのだ。
そうやって…繰り返される日々に自分は何を思ってきたか。
そして今自分は何を思うのか…
あの頃とは全然違う思い。
ただがむしゃらに火影になりたいと叫んでいたあの頃とは
全く変わらないが、それでもその中に守りたいものや、守ってくれる存在を
沢山手の中に入れて来れた。
そして自分の知らなかった世界を沢山知り、沢山…助けられてきた。
物思いに耽っていると、キラリと光るものがナルトの目を捉えた。
「ん?」
ガラス?それともクナイ?見てきた中には、そんな物見当たらなかったのに
と、踵を返してその光を思い起こし行ってみれば
大きな岩とも呼べるような石が有り、その石の溝を見て指で辿った。
「クナイの跡?…」
綺麗に刺さり込んで、抜かれた…その跡はシッカリとクナイの型を型どるように
見事にその部分だけをくり抜かれている。
例えチャクラを練りこんで差し込んだとしても…こんな跡になるはずもない。
周りに亀裂などは一切見えず、柔らかい何かに刺して”型を取った”ような形。
「忍術か?」
キョロキョロと辺りを見回しても同じような形跡はない。
もう一度その不可解な跡にたどり着いた途端、体がふわりと浮いたような
そんな浮遊感に捕らわれ、そのクナイの跡が一瞬にして光を発しナルトを包み隠した。
「うわっ!」
と、声を上げたが、ただ、その声に驚いた鳥たちがバタバタとハネをばたつかせて
飛び出していっただけで風景も何もかも変わる事なくその場に佇んでいた。
「な、なんだってばよ…さっきの光」
もう一度きょろりと辺りを見回し、ハーっと何事もなかったことに
安堵の溜息を落としてからナルトはクルリと向きを変え
影分身を解こうと指を立ててフッと…その影分身の記憶が戻って来ないことに
疑問を感じた。
今、イルカを見送り、自分が追いかけて行った以前の記憶しかない。
「あれ?」
自分の両手をもう一度組み、影分身を作ると
ポポポンと、普通にそれは出来上がっていくわけで…
それを全て解いても、その記憶はしっかりと流れ込んできている。
「あんれぇ~?なんだってばよ!?」
まぁ、先程驚いて勝手に術が解けたかもしれない…
それに、イルカの事だ…自分で行くことも出来るだろうと
そう深くは考えずにナルトは演習場を後にした。
だが、演習場を一歩出ると異様な空気が漂っている。
いや…違和感がすぐにナルトを襲ったのだ。
火影の岩…あの顔岩が
「え?なんで…?」
四代目の父親、波風ミナトの顔を象った岩が最後と言う状況は
今の自分のいる状況とは少し違う。
「…もしかしてあの光」
むむっと考えてから、ハーっと息を吐き出し、ナルトはグッと辺りを見回した。
木の葉は、実際2度も襲撃を受けて崩壊している。
が…どうやらその崩壊前の状態なのではないだろうか?
とりあえず、火影が誰なのか…今の現状はどうなっているのか
それを知る為に、火影執務室へ足を進めた。
「入れ」
ナルトがノックした先から聞こえる女傑の声。
聞き間違う事はない…綱手の声にホッと息を漏らした。
「ばーちゃん?」
こそ〜っと、申し訳なさそうにドアから顔を出している人間を見て
綱手の目が見開いた
「おま…ナルト…か?」
「まぁ…うん」
「なんででかくなってるんだ?」
「…あの…入っていい?」
「今更何を…」
するっとドアの隙間から体をのっそり押し入れてくる姿は
どう見ても少年というより青年…
昨日まで任務のランクが低いと大騒ぎしていた者と同一人物なのか?
と、疑問さえ浮かぶ。
「変化している訳でも…なさそうだな?急に成長したのか?」
と、質問を投げかける綱手に、照れくさそうに髪を掻きながら
「いや…オレさ、なんか飛ばされてきちゃったらしいんだってばよ」
と、答えると、綱手は大層驚いたような表情で、ナルトを見やった。
「は?」
「あ~…時空忍術ってーの?四代目の…恐らくソレかな?
ちょっと残留チャクラでは掴めなかったんだけど、多分…父ちゃんの
チャクラに似てたんだよなぁ…あの気配」
「いや、まて…ナルト…お前は一体」
「あ~今のオレってば幾つ?」
「え?」
きょとんとした眼差しで返される綱手の視線に
申し訳なさそうに頬をポリッと掻いてつぶやく。
「年齢…」
「13、4…だったか?」
「…あぁそっか、うん…オレ今19歳なんだってば。」
その言葉にさらに綱手が目を剥いた。
「はぁ?なぁに抜かしてるっ!時空を超えるなど、どこのどいつがそんなけったいな技を
使うって言うんだ?それに、お前…口調だって変わってないじゃないか」
「口調は…しゃーないだろ?オレってばずーっと変わらねぇし…
時空を越える術は…恐らくは四代目が仕掛けた物だと思う。
第三演習場で、発動したらしく発動条件は全くわからねぇ。
でも、見かけた時に光ってて、大岩の中心にクナイの刺さった跡が残っていた
けど、その刺さった跡が…どうもおかしくて
ひび割れもしてないのに、クナイが刺さりこんだ跡だけをしっかりと残してたんだってば」
と、一通り説明すると、ムムっと綱手が眉間にシワを寄せた。
こんな説明を今のナルトに出来るかと言うと…不可能だろう
「…お前、明日木の葉を出るんだぞ?」
「…あぁ…エロ仙人の修行って事は、暁対策か…」
「…そうだ」
「うん、もうオレには過ぎた過去になってる話だ」
フーっと溜息を落とすと、綱手が苦笑いを向けた。
「お前が今この場所に来たって事は…無事、暁を掻い潜ったって訳か?」
「……オレが過ごした事は、きっと言っちゃいけねぇと思う」
「…あぁ、そうだな、それにしてもナルトお前は19にもなって
まーだヤンチャばかりしてるのか?」
不敵な笑みを浮かべ綱手が問うと、ナルトが両の手を前にだし軽快に降った。
「ちょ!誤解だってばよ!今日はたまたまイルカ先生が調子悪ぃって言うから
アカデミーの新入生の演習場のチェックしてただけで…」
チラチラとナルトの振る手が視界に入るとニヤリと笑った綱手が声を掛ける。
「で?その指輪…もう結婚したのか?」
「あ…」
真っ赤になったナルトが、アハアハアハなんて嘘くさい笑いを作り上げるもんだから
綱手としては興味をそそるわけで…
スッと傍まで近寄るとナルトの手を取ろうとした…
否、取れるはずだった。
「っ…」
「ば、ばーちゃん!人の恋路はほっとけってば!」
照れて逃げるナルトには現状はお構いなしで
とりあえずは、綱手から逃げると言う事だけに集中したものだから
実際、綱手が驚いた表情を向けてきてもそれは
自分に対してではなく、指輪に対してだと思っていたのだが
「お前…どれだけ強くなった?」
「はぇ?あ~…まぁ、そこそこかな?一応上忍レベルではあるってカカシ先生が…」
「…そうか、よし!では、私が試そう!
ナルト!死の森で戦え、それと…暗部お前らもだ」
と、声を上げると、ハッと声が聞こえ姿を消した。
「答えもきかねぇで…ばーちゃん、案外せっかちだな」
なんて溜息を付いてナルトも口角を上げるとスッとその場所へと向かった。
シュタッと、死の森の入口に立つと、綱手が腕を組み仁王立ち。
その後ろに暗部2名が鎮座している現状に苦笑いを向ける
「なぁ、3対1なのか?」
「不満か?」
「イヤ…上等!」
「ルールは、お前か私、どちらかが捕まれば負けとする」
「…あぁ、解ったってばよ」
「クナイは使用可能だ」
「了解っ!」
ピリッと殺気が漂うのは、綱手からで
ナルトの気配は大人しく静かに漂っている。
「お前ら、私が捕まりそうになったら手を出すんだ、それまでは何もするな」
「「ハッ」」
その言葉にニッコリと笑ったナルトがホルスターからクナイを引き出した。
「では…はじめ!」
綱手の声で、一瞬にして間を詰めたのはナルト。
綱手の目が見開いたと同時に影分身が5人作り出されている事に気がつき
身を翻して2人を蹴り上げ宙を舞うと、ナルトの手が綱手の羽織を引いた。
ど、同時に暗部の二人が身を乗り出してナルトヘとクナイを投げ付け
3人のナルトを次々に蜂の巣へと導くが
全ては影分身で作られたものだと、音を立てて消えていくナルトを見て
グッと気配を探る。
綱手が着地したと同時。
土の中から手が出てきて足を掴まれ、クナイが上へ向けて押し出されて…
だが、暗部の人間も伊達ではない。
ナルトへと向けたクナイ、綱手の握りこぶしが地面に突き立てられる寸前で
手が止まりそこで決着がついた。
「…お前、私の足を掴むなんて随分生意気になったじゃないか?」
「へへ…まぁな、ダテに修行してないってばよ!」
ナルトにしてみれば、仙人モードでも発動すれば、綱手の攻撃は
掻い潜れる自信はあるものの、それを見せる訳には行かず
何も使わない状態での戦闘を心掛けていた。
だからこそ、綱手と二人の暗部により負かされてしまったが
悔しい…と言う思いは無かった。
今はこの世界の自分は…よそ者なのだから。
そう心に決めて、向こうの世界の話をしないためにも
指輪をそっと抜き、首に下がっていたドックタグに絡めた
(外してゴメンな?…)
そっと、心の声を送り…ナルトは綱手に言われるがまま
火影執務室へと向かった。
どうやら、任務が与えられるらしい…
「って、ばーちゃん、いくら人手不足だからって…来てすぐのオレを使うって
どんだけだってばよっ!」
「安心しろ、お前の大好きなAランク任務だ」
「ちょ…安心しろってさぁ…オレいつ向こうに戻るかわかんねぇんだけど?」
「大丈夫だ!戻ったらカカシにやらせる」
「…相変わらず、人使い荒れぇってばよ!」
「相変わらずって事は、私に今はかなり振り回されてるんだな?」
なんてニヤッと笑うもんだから、この人は全く…と、苦笑いが生まれる。
でも、何もしないでボーッと過ごすのは流石にな…なんて考えたら
溜息一つで、了解と答えるとハッと目を見開いた。
「なんだ?不満か?」
「ばーちゃん…オレ出立明日だって言ってたよな?オレ…
泊まる場所ねぇじゃんか!!!!!!!!」
「あぁ…まぁ、そうだな、カカシを呼べ!」
その声に苦笑いが再び生まれる。
やっぱり、ナルトと言えばカカシ…と来るのかと
溜息を落とせば、あっと言う間に鳥が羽ばたいていった。
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