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可愛い犬が迷い込んできて
もう、可愛いのなんのって!!!!
それに、レンが一人でこの家に居るなら
一匹くらいいてもいいかも?
クーン…と、鼻を鳴らしてレンを見てる仔犬
それを、撫でたりしているのはレン
表情は明るくニッコリと優しい顔を向けていた。
「その犬、飼いたい?」
「え?」
私も動物は嫌いじゃないんだよなぁ。
それに、レンが寂しくなさそうだし…
こう言う選択も良いかも?
野生児だし、問題なさそうだけど、一応父にも相談しないとだなぁ
「レンお父さんを説き伏せて?」
「父?」
「そう、OK貰えれば飼っても良いよ」
レンは快諾し、今夜父に聞いてみると言う。
レンが全て面倒を見てくれるなら、私は問題ない。
逆に癒されるから、嬉しいくらいだ
足が大きいから、きっと身体も大きくなるだろうと
仔犬の頭を撫でた。
レンは父の許可を貰えると、自分の部屋で飼うと言い出し
それには全く反対する意味も無い。
これからレンの躾が始まる
そう言う風景を見るのも実は結構好きだったりする
と、私の横からバナナが生えた!?
と思ったらレンが私に差し出したのだ。
一日2本から3本ほど食べるバナナ。
レンが差し出してくるタイミングは、すこぶるありがたいタイミングで
何時も苦笑いしてしまうほど。
私がバナナ食べたい時解るのか?ってほど
剥いて口に入れると、ん!
「んまっ」
もぐもぐと食べる私の横でもの欲しそうに見る犬
これからレンに名前をつけて貰い、一緒に生活する
バナナの頭をちょっとだけ手でむしると
その手を前に差し出す…と
「水希!NO!」
と、声が聞こえてビクッと手を引き戻した
「ダメ、人の食べ物欲しがる、ダメ」
「って!だからって…うわぁ」
私の手を指ごとレンは自分の口に入れやがった!
「指っ!ゆびぃ…」
ニッと笑いながらレンは最後にペロンと指先を舐めると
犬の頭を撫でた。
「父に言われた人の食べるダメ」
どうやら、飼うに当って躾させる為のノウハウは教えたんだ?
と思いながら自分が差し出したのを申し訳なく思う
「ごめんね、もうしない」
「yes」
「レン?名前考えてる?」
黒毛で大きくなって、目がクリッとしている
人懐っこそうな顔をしているのに
瞳の奥には獣の本能が時折見え隠れしてるようにも思える
「クロ」
「名前?」
「yes」
まんま、姿が黒いからなのだろうが
まぁ、それでいいか。
クロと呼んでいる犬は
んまぁ、可愛い事♪
私の帰宅時に必ず玄関まで来てくれる。
あぁ、もしかしたらレンより忠実かも?
いや、レンは狼なんだけどね…
で、今日は大学を終えると、なんだか校門がざわついてて
私は知らずに出ると、いきなり名前呼ばれてびっくり!
ってか、二度見しちゃったほど驚いた…
トレーニングスーツのレンと、クロ。
額に滲む汗が好青年…
うわぁ、健康そうだ…
「迎に来たの?」
「「yes!わんっ!」」
なんなんだこの同時回答!
嬉しくなっちゃうけど…ザワザワと誰?何て声がちらほら聞こえ
ヤバイ!と、明日以降の学校の話題の中心になるのを恐れて
レンの手を掴み逃走した
噂話が好きな子とか結構居るんだよな~…
なんて思いながら、私は先を歩いている二匹を見る。
時折目配せして位置を確認するクロ
まっすぐ前を見て歩くレン
夫婦とはこんなものかもしれない。
クロの位置が私になるって事は…
あんなにレンを見なくちゃダメなの!?
うへーありえん…
自分が、人を好きになるなんて…考えても無かった
しかも今もまだ、ソコまで考えれない…
きっと今のレンの位置は、友人…より少し上。
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