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なつめっぐ 保管場所

倉庫です。

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狼と私⑮

親友がやってくる!

ロンドンからやってくる♪

これで悩み解消かな?
恋愛脳になりがちなのも、これで解消出来るかな?
あれ…そもそも、呼んだ理由ってなんだっけ?

ああああぁぁあ!梅木だっ!
そうそう、問題は一つとして解決していなかったんだ!



昨日の休みは父に色々と聞かれたり、母に泣かれたりで
一日大変だった。
しかも、レンが離れてくれないと言う…なんと言うか
死ぬほど皆に心配掛けてしまったんだなと

今更ながらに反省した。

だから、朝から平賀と目が合い、苦笑いを向けると近くへと脚を進めた。

「水希先生おはようございます」

「うん、平賀…昨日はごめん、助けてくれたのに感謝の言葉すら
出せてなかった…本当に助かった」

ペコリと一礼する。

「うん、水希先生は時折ほっとけないんだよ…
昨日は俺のなんて言ったけど…その、なんつーか…水希先生の事」

うえぇ!?ちょ平賀が頬赤らめて…なに!?
告白なの!?ダメダメ!私にはレンがいるの!あ、っでも
レンは…名前だけの夫…違う違う

「水希先生・・・」
「ちょ…」

待ってーキャー告白なんて~~~~心の準備が!
ってか平賀とは付き合えない!
あぁぁ、どうすりゃいいのー?

「ちょ、水希先生アンタ…変な事考えてないだろうな?」
「はえっ?」
「なんでそんな蜂の求愛ダンスみたいな動きしてんだよ!
俺は、アンタが妹のようでほっとけないだけだ!彼女だっているっつーのに
何で、ロッカーでこっそりバナナ喰う女に惚れるんだよ!」
うぎゃー!!!!!!!!!
はずかしーーーーーーーーー思い込みキタコレ!

ってか、ん!?マテマテ

「ひーらーがーぁー!!お前私より年下だろう!
何で妹なんだよ!ってか、蜂の求愛ダンスはこんな所ではやらん!」

「アホか…」

「ちょ、アホって何!こらー!」

平賀と、むかつくじゃれ合いを一通りすると、今日の研究材料を集める。
といっても研究室内で出来る事だから問題は無いが

「先生、昨日の犯人の心当たりは?」
「ない」
「だよな…でも、車移動してるんだったら、
この学校の人間だって事は確かだと思う」

そう、私の気鬱はソコ…
誰が何のために私を排除したいのか…
それが、解らないから

「うん、解ってる」
「十分気をつけないと、そして犯人も見つけないとですね」
「あぁ、父にもそれは相談してある。」
「そうですか…」
「平賀は何でレンと一緒に来ようと思ったんだ?」
「あれ?俺って疑われてる?」
「そうじゃない!ただ、お前は人のために
そこまでする人間とも思えなかっただけだ。」

そう、平賀は思いの他冷たい人間だ。
人の事をあまり気に掛ける事は無い。
だからといって犯人と思っているわけでもないのだが

「妹みたいだって…言ったじゃないっすか」

「…そうか、ありがとう」

妹…平賀の妹は5年前に死んだと聞いている。
本人が、妹の法事で休む時に聞いていたが…ここでその妹が出るとは。
だが、恐らく本心だろう
この男は隠し事は、嫌いな人間だからな…

でたでた…梅木香織。
今日はレンと、父で昼食を食べる為に中庭にいる。
そして梅木。

父はどう思ってるのかななんて思うけど、
今日のレンはなんだかちょっと違う。

別に愛想笑いとかしていた訳ではないけど、今日は特別無愛想なのだ。

「えーレンったら、どうしたの?」
「……別に」

うん、どうしたの?って聞きたくなる気持ち判る。
本気でおかしい。

「今日は一緒に帰りましょうね?」
「いや、水希帰るから無理」

レンクン、私の名前をあからさまに出すな!
ホラホラ、狂犬病の泡を吹いてるような顔でこっち睨んでるよ…ったく。
「レン、随分冷たいな?」
「そうじゃない」
「ふむ、そうか」

モクモクと食べる父との会話…
そして私、ッ挙動不審です!
だって…下手に首筋見られたら殺されそうだ!殺気が今でも凄いのに
これ以上酷くなったら、レンのせいだ!

「へぇ…水希先生またレンに何か吹き込んだんだ」
「はぁ!?」
「だっておかしいです!そわそわしてるしっ!」

あぁ…だって、これは見られるのまずいでしょう…
だからって、私に振らなくても…
と言うか、レンの前でそれを言える度胸に感服だ…

「水希、おいで」
「はええっ!?」

どう見ても…
レンは梅木が私に話をする為に
ずれた席に来いと…?
言ってますね。

最近、レンが攻撃的に見える…。

「何やっとるんだ、水希旦那のお呼びだぞ?」

と、父まで悪乗りしてたのに
うん、さすが梅木

「私の席ですよぉ~」

と、レンの腕に腕を絡めしなだれてると、レンが突然立って
私の真横にぴったりとくっ付いて座った

「ちょ、レン!?」
「イヤ?」

何ナノこの怪獣!破壊力半端ない!
何この甘い顔!!!!

「もう昼終わるからさ」
「だから?」

ちょ、私まで犠牲?何でそんな言い方するんだ?
ってか、冷たいぞ?なんなんだよ…

「うん、終わるから…補給」
「は?ってむぐっ!」


ちょっちょっちょ!!!!!ってかーーーーーーー
何でこの状況なの!?

「くるし…」
「うん、補充」
「何の補充よ!」
「水希の体温」
「バカかおのれは~!!!!!!」

クスクスと私を抱きしめたまま笑うレンが悪魔に見える。
昨日から彼の体温を感じっぱなしじゃないか!
恥ずかしいから離れろー!!!!!

「水希、夕方迎に来る」
「あ、うん」

すんなり離れたレンが頬にキスを残して、去って行った。

くそぉ、あいつ少し話しないとダメダ…あんな事毎回やられたら身が持たない!

「夫に愛されてるな」

と、父が火種を投下する。
横で黙ってみている梅木は、今にも炎撒き散らして
喰いかかってきそうな表情。

私は額に手を乗せて溜息を吐いた。

「ちょっと、水希先生!」
「あ?」
「レンに何吹き込んだのよっ!」

…うん、凄いなこの子は…声が学校内に響くようにわざと
大声で私に喧嘩売って来ている…。

「別に何も」
「そんなわけない!私達に別れろと言うの?」

あ~面倒、何このオペラ?

「水希!早く戻れ」
「はーい、桑本先生。」

父の遠くからの助けに苦笑いしながら
私は梅木を無視して、研究室へ向かう。

なんか、ここまで来たらどうでも良くなった。

両手を握り締めて一人残された梅木がフルフルと震えている。
そこに男子生徒が3名群がると、梅木をなだめ始める。

「許さない…あの女」

梅木がニヤリと深い笑みを浮かべた。


今日、水希の親友の和香が日本へ戻ってくる。
それを何よりも心待ちにしていた水希が
ニコニコと校舎を後にした。

「水希先生?」
「梅木…」
「レンは?」
「まだ見たいだね」

周りを一瞥して水希が言う。

「待つんですか?」

「迎に来ると言ったから、待つよ」

「夫婦ってぇ~名前だけな二人に必要あるんですかぁ~?」

「梅木には関係ない話だろう?」

「え~だって、離婚してくれないと私レンと結婚できないもん」

「レンがそれを望んでると?」

「あら?知らないんですか…私、レンと寝ましたよ」

「……そうか」

昨日、キスマークを私に聞いたあの人が?
うーん、ありえなくも無いけど…
でも、ありえないよなァ…
レンも厄介なのに好かれたって事か…
滑稽だな。

「あらっ?暗い表情♪傷ついちゃいました?」
「は?イヤ…全く」
「えー?レン大事じゃないの?」
「梅木に答える理由が私には無い」
「だから、他の女に取られるんですよ?」
「あぁ、そうかもね」

と、話しているとレンが向こうからクロと走ってきた。

「水希!遅れた!」

と、必死に走る姿に手を振ると
梅木の横を通り抜けレンの元へと向かった。

「レン~?こんばんは~♪」
「こんばんは」
「私今日送って欲しいなぁ♪」
「暗くない、それに俺水希迎え来ただけ、カオリ
他送ってもらう 行こう、水希」
「あ、うん」

悔しそうな梅木に苦笑いがこみ上げる。

「水希!ワカ来た」
「え?!」
「ワカ来た、遅れた…」
「家に居るの?」
「居る!」
「うっわぁ~早く行こうレン!」
「Yha!」

やっと会える久しぶりの彼女に。

カチャッとドアを急いで開けると
私は和香にダイブして抱きついた。

「和香ぁ~」
「よっ!家出娘!」
「は?」

先日の失踪の時に父が連絡を入れていたらしい。
そして、無事見つかった連絡をしただけで父は内容を全く話していなかった
お陰で、私は…。

「家出の理由でも聞くか…」

なんて言われてる訳で…苦笑いすると、後で話すと伝え
今日は外食をする事にした。

「で…さっき本人から聞いたけど、レンクンは一緒に行かないの?」
「うん、レンは母の料理食べるから」
「そうなの~?レンクン」
「Yes、水希と楽しむ良い」
「じゃー嫁 借りるね?」
「返してね?」
「ぶっ、返す返す…あははは、面白いね?」

どんな会話だ…

私と和香は、近くのファミレスでお話をすると決め
レンに行き先を告げると部屋を出た。

まずは、家出の事より梅木の話。
でも、今はもうかなり気持ちが落ち着いてて大丈夫だと言うと
思ってない答えが帰ってきた……。

「それって、梅木ってのにレンクンが冷たくなって
安心してるだけじゃないの?」

あぁ…なんか、それ図星かも。
レンを見て安心したのがあるから
だから、ウーンと悩んだ振りして答えは見つかっていたのかも知れない。

「ねぇ、それでレンクンとはどこまで行ったの?」
好奇心の目がきらりと光る。
多分彼女はこの質問がメインディッシュ。

「どこにも行ってないし、なにも…あ」
「へー思い当たる事あるんだ?」

と言われて、慌てて首を抑えたのが失敗。
どれどれなんて言いながら、私の服の襟を引っ張った。

一気に上がる血液。
耳まで熱い

「うっわ、キスマークとか昔のあんたじゃ考えられないわ
いつも、彼氏にはつけさせなかったもんね~?」

「うっ、うるさいよ!」

「はいはい、本と水希可愛い」
「可愛い言うな~~~!恥ずかしい」

そして、私はあの話をした。
家出ではないと、彼女に伝えると
流石に先ほどまでのちゃらけた感じはなく

真剣な顔で聞いていた。

「そっか…でも、レンクンが助けてくれたって事か」
「…うん」
「水希が狙われるようになったって事は
レンクンが関係してるのかな?」

首を横に振る私は、関係なんてわからないと口を開いた。

「で、アンタの一番の不安は何?」

「匂い」

「は?」

「誰にも言わなかったけど…あの時の車の香りが
野村の匂いに近かった気がする。」

「野村って?」
「同僚…」
「その人をアンタは疑ってるの?」
「疑うと言うか匂いが一緒ってだけでそれ以外は…」
「そぉ」
「結局は、何も手がかり無しで、
水希は他の男にも旦那にもキスマーク付けられたってことね?」

そうなるね…
レンは好き、でも恋愛感情の好きなのか
家族として好きなのかはっきり解らない。

ただ解る事は、今非常にまずい状況だと言う事
学校に居るかもしれない、誘拐犯
そして梅木、野村・・・正直どう対応すればいいか
わからない。

疑いたくは無いが…

「ねぇ、私は来月には戻ってくるけど、このままじゃ
水希潰れてしまうだろ?だから、私の彼氏…紹介しておく」

「へ?」

「あいつに何でも言えばいい」
「うっそ!?彼氏いたの?」
「うん、けど…水希の旦那が了解しないか…」
「大丈夫、私は今の所レンいるし、お父さんもあまり口出さないけど
いざとなったら助けてくれるし…自分でもどうにかできると思う」
「だったら、簡単に誘拐されるな!」
「ん、まぁそうなんだけどねぇ…」

カチャリと、皿を鳴らしながらデザートを頬張った。

私たちはある程度の話しを終え、私の伝えたかった事も話せた。
ファミレスでの会話が終わった時だった。

「水希」
「あ…」

目の前にあの男が現れた。
野村楓…彼がこんな所に居るのも不思議だが
しかも一人での夕飯らしく混ぜて欲しいと言って来た。

「ダメ、友達と大事な話しているし野村はさっさと飯食って
帰ればいいと思うよ?」

「相変わらず、つれないね?」
「良いから、他の席に行って」

ヘイヘイと言いながら店員さんに話しかけて、席を用意してもらっている
そんな彼を顎で指しあいつが野村とだけ伝えると、
和香がふぅん…と視線だけで野村を追った。

「とりあえず犯人に対する手がかりが一切ないなら
疑える人は全て疑った方が良い…」
「うん、解った」
「レンクン呼ぼう?」
「は?」
「あの子は、水希を守ってくれる。」

レンとこんな場所で会話した事も無い
それに最近色々と話すことは自分の事ばかりで
レンが何を思い何を見てきているのかなんてほとんど聞かなかった
私はおもむろに携帯を取り出し、レンへと電話をした

「レン?もし暇なら中央街のファミレスに来る?」
「Yes」

電話をあっと言う間に切ると、私は深い溜息をはいた。
最近のレンはやたらとスキンシップを計りたがる。
抱きついたりキスしたり…と言っても、頬に軽くするキスだけど

「いらっしゃ…」
来店する時の言葉を、伝えきれない店員が、おどおどとしてると
レンがこっちに視線を走らせた。

テーブルに座っていた和香と私が手を振ると
指を指して店員さんに何か伝え、すぐに向かって来ると
私の横に腰を下ろした。

「遅くなった」
「えー?まだ電話してから15分しかたってないけど」
「呼ばれる嬉しい!」
「あはは…」

こういう席に実際彼を呼んだのはこれが初めてだった。

「レンクン、さっき水希~全部聞いた…随分活躍したんだね?」
「うん、水希守る当たり前」
「うん、そう言うのいいね!」

あらら…二人で会話始まった。
どうやら、和香はレンを気に入ったらしい。
見た目はかなりいいからなぁ…ほら、さっきの店員も
メニュー持ってもう一人とオーダーの権利争い始めてる…。

「レン何か食べる?」
「ん、コーヒーでいい」
「解った」

呼び鈴を鳴らし、人が来るのを待つとメニューを渡す前に
コーヒー追加で。
とだけ言い、かしこまりましたと消えていった。

レンとの会話は、どうしても言葉を教えるのが基本
ついそれに偏ってお互いの意見とか、お互いの話などになった事は
数えるほどしかなかったから、今凄く緊張しているかもしれない

バナナ食べたくなってきた…はぁ

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