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なつめっぐ 保管場所

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狼と私⑯

くっそ…最近好きなような発言権まで奪われている気がする。
いつもの私に戻らなくちゃ!
うん、それがいい

けど…うーん…



結局、話していても埒が明かないことであるのは
私も解っていた、だから聞いてもらえるだけで良かった。
今は、レンと私と和香で、ファミレスを出て
近くの公園へと向かう。

レンが行きたいと言い出したんだ。

自分の意思を伝え始めている。
レンは、意見を時折出しながら
人との生活を考えているんではないかな?
それに、前に一度来た時にまた来ると言って
それ以来1度くらいしか来ていなかったのも、申し訳なく思う

「あーあ、はしゃいじゃって」

クスクスと笑う私の横に和香が座る。

「レンクン犬みたいだね」
「うん」
「クロ連れてきたかった!」

と、奥から大声で言われて笑う。

「ねね?レンクンって嫉妬深いの?」
「はっ?あー…そんな事は無いと思うけど」
「だってそれ」

指を指されたのは、キスマーク。
これは平賀が煽ったせいだ!絶対そうに違いない!

クスクスと笑いながら和香が首に指を差込み突っついて来るのがくすぐったくて
キャッキャと学生時代のようなくすぐりあいをしてしまっている…
すると、急に公園の伝統電灯が翳ったと思ったら。

「レン?」
「俺、混ざる!」
「ぐわぁっ!ギブギブ!!レン離れて!耳だめー!」

事もあろうか、私の耳朶にかじりついたのだ。
その言葉にシュンとなってるレンに遊んでおいでと言うと
座りなおしてハァと溜息を落とした。

「うん、今のきっとヤキモチだよ」
「は?」
「楽しそうにしてる私達に妬いた…って所」
「うそ?」

レンが私に対してどんな感情を抱えているのかなんて
そんなに考えなかった。
私達は夫婦で、お互いに父に入籍されてしまい
愛さえ育んでない二人だと。

それがヤキモチ?
ま、まさか…

「何よその信じないって顔!」

「は?あ~だってレンとはお見合い結婚よりたちの悪い結婚だったから」

「お見合い結婚はたち悪くないと思うけど」

「うーん、なんて言うの?恋する前にもうその場所を飛んでしまったから
今は一緒に住んでいるし、恋心とか、好きって気持ちが生まれる前に
家族愛?の方が優先されたと言うか…ナンと言うか…」

「そっか・・・水希は、ヤキモチとか妬かないんだ?」

「え?いや…妬かない訳でもないと言うか…
梅木の時はかなり悩んだと言うか…
実際それで和香に助けてって電話したし…」

「そう、アンタが煮え切らないのか」

「は?まって、レンだってそんなに妬くわけでもないし
その…あの…迫られた事も…ないし…さ」

「なんでそこ、しどろもどろなのよ!」

「いい?これで彼が同じ事をしたら確実に嫉妬だからね?」
「は!?」
「レンクン~?水希貰うね~?」

と、言いながら、私の頬にキスをする和香
驚くからそんな急展開やめて!!!!
と思ったら、駆けつけて来たレンが私の身体抱き寄せてダメ!とか言いながら
頬にキスを落とした。

「えー、ダメなの?」
「ダメ、水希人にあげない」
「それってレンクンのものって事?」
「違う!水希物違う!でも、ダメ守る人」
「…守る人?」
「俺が守りたい人」

胸の最も深い場所がトクンと音を立てた気がした。

「絶対守ってくれないと、水希渡せないけど?」

絶対楽しんでる…レンに抱き付かれてるから彼の顔は見えないけど
前で話してる和香は楽しそうに話している。

一際緑が深くなった瞳で和香に薄く微笑み

「必ず守る」

と、私の耳元でレンは言った。

うん、家族だもん私だってレンを守ると言うと思う。
それにこれは嫉妬じゃなく
家族を守るって事だからじゃないのかな?

「レン、ありがとう」
「yha」

和香が、ニッコリと微笑んで急に私達を抱きしめてきた。

「え?」
「守るのに私も入れて」
「和香?」
「二人より三人の方が心強いでしょう?」
「ありがとう…和香」
「うん」

この会話にレンは参加はしてこなかったけど
レンも強く抱きしめてくれたから同じ気持ちなんだろうと思う。

「ってか、いつまでくっ付いてるのよ!いい加減離れて」

うん、流石に暑苦しい…。

あははと笑いながら、こんな時間を共有できる事が
なんだか不思議だった。
和香を送って、レンと二人で自宅へ向かう時だった。
いきなりレンが切り出してきたのが…

「水希、カオリの事話す」

カオリと呼んでる女…そう、梅木香織の事だ。
お互いにその話には触れずに来た
もちろん、最近のレンの態度を見れば何も問題は無かったけれど…

カオリ事、梅木香織は
数日前に水希の迎に来たレンは、早目についたので
校門の前に立っていた。

そこへ梅木がやって来たと言うのだ。
そして彼女がレンに言った事は

「変な人に付けられている。ストーカーだったら怖いと
水希先生に相談したら、レンを使えば怖くないから」

と、返事を貰ったそうだ。
それを聞いてしまえば水希の頼みと言う事になる。
それは断る理由が無かった…。
だから、あの日から何度か彼女を送ったと言う事だった。

だったらおかしい
最近のレンはその言葉に反する行動を何度か取っているのを
水希も知っているからだ。

それは助け出された小屋の中の話になる。
そこで、平賀に言われて、自分は間違えたと思った
水希を迎に行ってるのに、結局梅木を送るなんて、それ自体へンだと
レンは思ったらしい。

だから、その行動をやめて
水希が怒ったとしたら、キッパリと”俺は水希を守るために迎に行ってる”
と言う事を伝えようと思ったらしい。

「レン…もう少しお互いの話をしようよ…
こうやってすれ違わないように」
「うん、それ思う」

なんだか気が晴れた気がした。
そして、和香のこと…私の一番大事な友達だから
その経緯を話してみようと思った。

中学校からの知り合いで
高校まで彼女と一緒に過ごしたのだが、中学の時実は
和香とは対立の輪に居た。
固まる女の中にも、変に結束の固い仲良しグループがある。
結構化粧とかも流行っていて、リップやらピアスなどを
堂々と付けてきたり、金髪にしてキャッキャしている
そんなグループに居る彼女は、全く知らないと言って良いほどの子
それに、彼女たちがいじめていた一人が、水希と同じグループに居た為
対立していたのは確かだった。

ある日、和香が自分のグループの友達を苛めている
同じグループの子に静止をかけたのだ…。
見るに耐えない…と、和香からは後から聞いたが
その時は凄く自分たちのグループへ力を貸してくれた
と思い込んだのだ

和香はグループからはずれ、苛めもおとなしくなった
和香も苛められては居ないものの、身の置き場は
無かっただろうと思う。

そんな時、グループ付き合いが面倒な私もグループから疎遠になって
一人が多かったので、思い切って水希が話し掛けたのだ。

それが切欠で二人は高校三年まで一緒に過ごしたんだ

「そうか、水希もワカも居心地がいいだね?」
「うん」
「俺は…」

レンは………
この時期は、狼との生活と父との遭遇…。

「源蔵と会ったのは、そのへん」
「うん、そうだったね」
「そう言えば、レンはどうして日本に来るって思ったの?」

家に到着していた為、荷物を置いて落ち着いてから話そうとなった。

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