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向日葵5

続きますよー



うずまきナルト様

まずは、挨拶文

「お元気ですか?オレは、そこそこに元気だよ。多分…ね?」

それから、近況

「最近の七班は、みんなナルトが居なくて寂しそうだよ?
オレも、やっぱり一番賑やかなナルトがいないと少し寂しく感じます。
でも、ある程度の任務をこなし、お互い精進しながらサイも、サクラも
伸びている感じはするね。
お前も戻ってきたら驚くように、こっちはこっちで頑張ろうと
サクラとサイが決めたようで、互いに頑張ってるよ

だから、ナルトも頑張って任務を終わらせて帰っておいで?」

末文は、なんでもいいかな?

「文章を教えてくれとの事だけど…オレ苦手なんだよねぇ~
読み取る力はあるけど、書く方は任務以外書かないからねぇ…
だから報告書も、溜めてしまう事がある…ホントはダメなんだけどね?
なので、文法とかを確り学びたいなら、うみのイルカ先生を頼った方が良いと思うよ?」

で、締めの言葉

「何はともあれ、後4ヶ月…まぁ、早まるかもしれないんだよね?
しっかり学んで戻っておいで?それまで待っています……………  はたけカカシ。」

まぁ、こんな感じでブロックごとに区切れば、読みやすい文章になるとは思うよ?
んじゃ、本当にこれにて終わり。

へのへのもへじ…




「…カカシ先生文才ないってばよ!」

と、ナルトが叫ぶとシカクが苦笑いを向ける。
文才がないんじゃない…わざとナルトのわかりやすいように
砕いてるんだよ…と、伝えるとどうやら文才がないのは
先生譲りだった…と言う言葉を吐き出す事ができなくなって
ブツブツと文句を言っているが

はたけカカシのIQを考えると、いくら苦手でも
こんな文章しか書けない…と言うのは嘘になる。
なにせ愛息子シカマルよりキレる頭を持っているのだ。
恐らくはナルトの読み取りやすいように、そしてちゃんと伝わるように
書いたものだろうと笑った。



砂が舞い踊るこの地に…
里の中を見ても、辺りを探しても、彼は見つからない。
けれど、どうしても彼の気配を探してしまう事に苦笑いが漏れる。

「あれ?」

一人、外を眺めていたナルトが声を上げた。
一箇所だけ違和感を感じる。
仙人モードの練習をしていた事もあり、そう言う気配に敏感になっているのだ。
何度も練習する事で、継続時間が伸びる為の練習…。
最低でも、影分身を使って貯めなくても良いくらい
自然エネルギーを取り込む修練をしているのだが
その時に感じた違和感は、どんどん膨らむばかり。

「どうした?」

フッと、背後に立った我愛羅に、なんだか解らない違和感が
里の一部に感じると指さした方角は、敵の遺体をストックしておく施設
その方角から嫌な感じがするとのことで、我愛羅と調査に向かうことにした。

ナルトと、シカクと、我愛羅と砂の暗部一名で簡単な調査と言う名目で
その場に立つと、我愛羅の額がピクリと揺れた。
無論シカクも暗部も戦闘態勢を取り手にクナイを持つ。
違和感は、確信に変わっていた。

中で何かが起きているような…チャクラの揺れを感じたのだ。

「まて!ここの指揮はナルトに任せる…殺さず捕獲したい、ナルト指揮を」

我愛羅が、口を開くと、ナルトはその言葉にニッと口角をあげ答える。

「おう!…やってみる!」

まずは仙人モードでの隈取を現した状態での相手の認識。

「3人…結構なチャクラ量を持った奴が二人もいる」

そしてここからが本題…殺さず捕まえるために相手に悪意はあるのかどうか…
ちょっと待っててと声を掛け、ナルトは少し離れた位置で九尾のチャクラを使い
体に衣を纏うと視線をその先ほどの者達へと向け
悪意と取ると、元の場所まで戻り指示を出した。

二人は一緒に行動しているがチャクラ量の一番多い男が
どうやら、一人奥の方へと移動しているらしく
ナルトがその一人を捕縛するので、二人組をシカクと我愛羅に委ねた。
二人共捕縛には長けている。

だが自分は…捕縛と言うよりは戦闘が主。
チャクラ量から考えても口寄せの類をされる可能性もあるし
もしくはナルトの様に、でかい攻撃力を持った何かを出すかもしれない危険性が
多少なりともあるからだ。

「二人の捕縛が終わったらオレの所に来てくれればいい…
オレは捕縛要因ではないから…どうしても捕まえる事に関しては不向きだし…」

その言葉にシカクも、コクっと頭を上下させていた。
無論ナルトの力であればねじ伏せる事も可能だろうが
チャクラ量の多さと言うのは本当に厄介なものなのだ。

ナルトの散の言葉に、シカクと我愛羅が中へと突入すると
ややあけてから、ナルトも奥の気配へ向けて仙人モードで突入した。

ナルトは細い道を進み、資料室と書かれた場所に気配を消し近寄ると
書類をバサバサと撒き散らす音が聴こえてきた。

中の男がクソッと声を荒げてから自分の目の前のドアが開けられるまでを
黙って見ていると、開かれたドアから男性が現れ視線を絡めた。

「…っ」

「わりぃが、ここは通さないってばよ!」

「…推し通る!」

グッと身を沈めクナイを目の前に差し出すと、ナルトめがけて
地面をける。
が、一瞬にしてナルトの体が何処かへと行ってしまった事に
舌打ちをして男は気配を探る。

仙人モードの自然と一体化するナルトにとってみれば
気配を消す…なんて芸当は簡単にしかなく
スッと背後に回ると男の首にクナイを宛てがった。

が…

ぼひゅっと音を立て、実体が消えると
ナルトがクナイを斜め後ろの白い壁に放った。

「…ここまで読むとは」

「大人しくしやがれってんだ!皆もうすぐ来るってばよ!」

「大人しくしろと言われてする奴があるか?!」

その言葉にカチンと、来るものの…切れちゃまずい。
なんて自制を聞かせてナルトは男の場所までたどり着くと
クナイを再び目の前に宛てがった。

「目的は?」

「何の事?」

「…お前の侵入の目的だってば!」

互いにクナイを片手にぶつけ合い均衡状態…睨み合いながらの会話が紡がれる。

「クス…言う訳ないじゃない?忍としてその質問はどうかと思うよ?」

なんて言われると、イラっと苛立ちが募る。

「それより、あんた名前なんてーの?随分強いじゃない」

「…うずまきナルト」

やや考えてから男が口を開いた。

「あぁ…木の葉の?こんな場所まで手助けに来たってこと?」

クスクスと笑う男は、どう見てもカカシのようで…
なんだか居心地が悪くなる。
いや、カカシではないのは分かっているのだが…
モノの言い方や、動きの機敏さ…それがなんだか…

不意に思いを馳せてしまってから
いけない!と思った時には遅く、男のケリが鳩尾あたりに入り込むと
ゲホッと咳き込む。
恐らくはチャクラを一箇所に集めて蹴り上げるサクラのような技術の持ち主…
仙人モードの時の衝撃は多少で揺らぐほどヤワではないのだから。

「悪いけど、ナルト…僕は捕まるわけには行かないのさ
だから、見逃してね?」

「ざーんねん。もう、包囲されてるってばよ」

仙人モードの強みは、他の者達のチャクラの動きまでシッカリと解る事
そして…強靭な肉体。

「大人しく捕まるのはお前の方だってばよ!」

と、飛びかかると案外あっさりと男を捕獲する事が叶った。
両の腕を背中に回し、ナルトが男を組み付しマウントを取ると
もう少しお手柔らかにしてよ…なんて言葉を漏らす余裕を不可解に思う。

「ナルト…」

ビクッと体が凍る。
低く吐き出されたその声は、あの…声で
それは、後ろから聞こえたものではなく…

自分が組み伏した…その人からの声で。

「え?」

「お前ねぇ…わかんないの?」

冷や汗が流れる。
チャクラも、顔も髪型も何もかも違うのに…
彼の言葉は、自分の思い人そのままで…嫌に心を煽る。

「なに…が?」

「クスクス、お前さ、重いからどいてチョーダイ?」

「っ…ど、退ける訳には行かねぇ…」

「そんなに動揺してるのに?俺が何者か…解ったンでしょ?」

ビクッと背中を滑り落ちた汗にさえ敏感に反応を示してしまう。
でも…ダメだと、心の中の誰かが言う。

グッと、後ろのポーチに仕舞われていたクナイを取り出し
男の首へと戸惑いながらも切先を宛てがい、額から流れる汗が
ピタン…と、地面に落とされた時に背後から我愛羅の声で名を呼ばれた

「ナルト!」

「……」

声なんか出ない。
もしこの人間が…あの人だったら
自分は、あの人を捕まえてしまった事になる。
そして、木の葉は砂を裏切ってしまっている事をワザワザ自分が捕まえて
知らしめる事となってしまったことになる

嫌に…喉が渇いた。

我愛羅の砂が彼を拘束して、尋問部屋へと連行される人間を見送り
ナルトはあからさまに不安げな視線をシカクへと向けた。

「どうしたんだ?」

「…ん、なんかさっきの敵、カカシ先生みたいで…」

「は?」

「イヤ…口調とか、オレを呼ぶ呼び方とか…」

「で?」

「え?」

「で…カカシだと言うのか?」

シカクが腕を組み、じろりとナルトを見ると、慌てたように視線を合わせてきた。

「…そ、そうじゃねぇけど、なんか…敵がカカシ先生だと
やりにくいっちゅーか…すげー動揺しちまって」

「…あぁ、そうだろうな?でも、忍というのはあえて
そう言う敵を装う事だってもちろんある。
全てに惑わされるな」

「…ん、そうだよな…うん、そうだってばよ!オレは間違えちゃいねぇ」

カカシを捕まえたような…変な感覚に襲われたのは事実で
結局それは捕まらないために、ナルトの潜在意識の中にいる
大事な人の口真似をしたと言う、相手の逃亡のための常套手段だったのだが
それに、見事にハマりかけたナルトが苦笑いでその報告を我愛羅から聞く事となった。

だがこの事件をきっかけにナルトの心が、大きく変わる事となった。

もし、カカシでもこの場所に今のように来ていたら…捕獲もしくは殺害を
選ばなければならない。

その恐怖心が、フツフツと沸き起こると
サスケのことを不意に思い出した。
そんな風に頭を悩め出すと、本当に自分の中が嘘かってほどうずを巻く。
晴れやかに毎日を生きているはずなのに
一度深みにハマるとナカナカ抜け出す事がかなわない。

本当に彼を…好きでいいのか?

今更この気持ちを無かった事になど出来ない。

ザッと風影邸を飛び出て、谷の入口で門番に少しだけ上に居ると伝え
そこから見る砂だらけの里をただ、ジッと見つめる。

ただ、心の中のモヤを拭い去りたくて

「どうした…?」

穏やかな声で掛けられた。
自分を気遣う声に、視線を向けるといつも背中に背負う砂の瓢箪のない
我愛羅。

「人を愛するって…難しいもんだな」

なんて、ナルトの口から出るとビクッと我愛羅も体をこわばらせた。

「愛する…者が出来たのか?」

「…はは、どうやら、んな感じ」

「…そうか」

砂は、吹き荒ぶ。
荒れて、緩やかに地に落ちまた、風に吹かれて吹き上げられる。

***************************************10


木の葉病院…久しぶりにベットから降りて、土を踏み込めば
眩しい光がカカシの目に光を直接届けようと刺さり込む。

手を額あての上に置き、光を遮ると、フーっと息を吐き出し
目を細めた。

「アイツ、シッカリやってんのかね?」

なんて呟いて、カカシは自宅へと向かった。

程よく、七班の任務をこなしながら、一ヶ月が過ぎ、カカシに七班以外の任務が与えられた。

明日…カカシはナルトの居る砂へ招集が掛かっていた。
無論ナルトに会う為ではなく…今回ナルトが捕まえた男が
どうも木の葉の情報を持っているらしいので、犯罪者を引き取る
と言う任務に当てられたのは綱手の優しさか…それとも、ナルトの様子を見て来いと言うことか。

心は踊るのに…不安に駆られてしまうのは
今の彼と4ヶ月も会っていないからか、その前の彼の思いの強さにたじろいているかは
自分でも測りかねていた。

手紙は問題なく毎回月に一度届く。
それに律儀に返事を返しても、その回答が来ないで全く違う内容の
手紙になってることにカカシは苦笑いを浮かべる。

素直に会いたいと声に出せない大人は…本当に面倒である。
そんな事を誰かが言ってたな…なんて思うと
自宅で、数日前まで背負っていたリュックに荷物を数点詰め込み
ハーっと息を吐き出し、ナルトからの手紙をもう一度読み直して
笑う。

心が緩むって…この事なんだろうな
なんて思うのに…傍に立つと心がどうしても固まってしまう。

「まるで初恋だな、こりゃ…ハハハ」

乾いた笑いと声が虚しく室内に響いた。

「まずい…よな」

会ってしまったらきっと…この気持ちを認めてしまう。
それを抑えなくちゃいけない…だって、あのナルトだぞ?
と自分に言い聞かせると

本当に、何事にも意外性を発揮してくれる…と溜息を落としながら
夕飯の用意をするために冷蔵庫を開いた。

が…食料は冷蔵庫には入ってなくて
これから買い物に出るのも…なんて思いながら
居酒屋へと向かった。

「おう!カカシ!」

「……どうも」

いや、わかってたんだけどさ…気配は感じてたけど
背に腹は変えられないと入ってみれば
サクラが、眉間にしわを寄せながらこっちを強く睨んでくる。

「サクラ…飯を食いに来ただけだって、そんな睨まないでちょーだいよ」

「明日任務があるって言うのに先生は全く!」

ひょっこりと…その横から出てきた女傑が盃を出してニッコリと笑う。

「いいじゃないか!ホーラカカシも飲め!」

「ダメですよ!師匠、カカシ先生は明日任務です!」

その女傑に、ピシャリと言い放つサクラに苦笑いしながら
焼き魚定食を注文し、カウンターに腰掛けた。

来たものを平らげ、飲みに行くぞ~と張り切る女傑を宥めて
カカシはその場を離れようとした…が

「先生?」

サクラが声を掛けてきて、動きを止めた。

「な~に?」

「少し…話せますか?」

桃色の髪を持った少女が、なんだか言い出しにくそうに
そう言う言葉を言うもんだから…
もと、先生としても少しは頼られてるかな?なんて思っちゃうわけで
カカシは、断る事を思い付きもせず、その場に腰を戻した。

「いいよ…どーしたの?」

「ナルトの事…です」

やや、困った顔を見せたカカシがフーと深く息を吐き出し
カウンターに両肘を付くと、うん、それで?と、返した。

「アイツ最近変だったんです…ヤマト隊長から色々と聞いているとは思いますけど
ちょっと…怖くなって…」

「怖い?」

確かに変だったとは聞いていたが、それは己に対する恋情で
おかしかった事だと、告白された時に気付いてはいる。
ヤマトも、少しおかしい…と言う表現はしたものの具体的には
どこがどうとか、何がどうしたと言う事は聞かされては居なかった。

「アイツ…この前私を庇ったんです…そして怪我を負った」

「うん」

フルっと…体を震えさせ、フッとカカシの顔を見たサクラが
泣きそうな程の表情でカカシを見上げた。

「ナルトなら…あんなクナイ避けれたんです…なのに、ケガを…」

「……それって、ナルトに言った?」

「言いました、そしたら…気付かなかったって」

「…そう」

「もしかして…サスケくんを取り戻して、火影が目に見えて…
ナルトの奴…調子に乗ってるのかな?とも思ったんですけど
そうでもなさそうで…諦めてるような、辛そうな目を何度もしてて
話してって…何度も言ってるのに…答えて…くれ…な…くて」

後半はすでに涙が邪魔をしてなかなか言葉を紡げなくなっていた。
そんなサクラに微笑んでカカシが言葉を掛ける。

「…サクラ、ナルトは大丈夫だよ?」

「え?」

ぐすっと、鼻を啜ってからカカシの言葉に視線を向けた。

「大丈夫…無責任に言った前の言葉とは違う、本当に大丈夫
自分で、その事を消化しようとアイツは努力したから。
それをオレは知ってるから、今回は無責任じゃない…本当に大丈夫…な?」

ポンと、頭に手を乗せて…久しぶりに名前通りの桜色の頭を撫でると
ハイ…と、緩く微笑んだ。

《伝えないまま終わるのも、このまま抱えて死ぬのも、嫌だったんだ…》

あの時の言葉が…蘇ってくる。
サクラに言われ、自分が危険な状態だって…感じたんだろうな…
だから、迷惑だと解っていて…オレにそれを告げた…と、ナルトは言ったんだ。

帰り道…そんな事を思いながら、カカシはポケットに手を差し込み
猫背をそのままに闇へと向かって進む。
自分の家まではさほど時間もかからない道を、ゆっくりと進む事で
ナルトの事をシッカリ考えなければいけないのだと
腹を括った。

見守る事を辞める事は絶対にしない。
手放す気もない。
恋愛感情と言う物が今は自分の中に芽生えて居るのか居ないのか
それは、まだ定かではないが…心が、ナルトの事を思うと喜ぶのは…隠しようのない事実。
自分の今感じている思いを、ナルトに言う事は出来る。

大事で…何よりも成長が楽しみで…
自分は大人で、考え過ぎてしまう事も多くて…
でも、微かに灯っている焔は…自分の中にある。

カカシはスッと空に浮かぶ月を見上げ自宅への道のりを歩いた。






月が、何度も姿を隠しては現れる…
そんな砂の里、我愛羅はナルトの精悍な横顔を見やっていた。


好きな人がいる…
そう聞かされて、落胆する思いと、ホッとする思いがせめぎ合っていた。

”人として好き”だと、そう思っていた…
けれど、彼の言葉に気付かされてしまった…

「ナルト」

「ん?」

互いに視線は…砂の嵐を黙って見ていて。

「俺は、お前に惚れてる…」

「え?」

気付いたのなら抑えきるつもりはない…

「だから…もし、お前の恋が報われないなら…
俺の元に来ないか?」

「…我愛羅……」

さぞ、驚いただろうなと視線を向けてみれば
真っ直ぐに、自分の顔を見ているナルトと視線が絡んだ。
ドクリ…と、脈が上がると、悲しげな視線に変わり、聞かずとも答えが解ってしまった。

「ごめん」

「いや…解っていたからな。
だが、お前は人柱力だ九尾を抜かれれば命を落とす…
もし結婚などして、妻を娶れば…子にそれを継ぐ事になる。
そして、継いだお前は…命を落とす事になるだろう」

「あぁ…解ってる」

「因果なもんだな…人柱力と言うものは」

「あぁ、オレもかーちゃんから抜け出た九尾を貰ったからな。
そして、かーちゃんも父ちゃんも、命を落とした
だから…オレは九尾をこのままにする為にも、結婚して子を成す事は
したくねぇと思ってるんだ

オレの代で…人柱力を終わらせたい。
だから今いる尾獣は誰にも譲らねぇし、このままオレが死ぬまで
一緒に生きていくつもりだ」

悲しげな視線が、ユラユラと揺れる砂の嵐に向けられ
互いに言葉を、吐き出すのをやめた。

けれど、我愛羅に…思いを告げられ
自分はそれを真剣に返さなければならないと…ナルトは思った。

「オレ…カカシ先生が好きなんだ」

その言葉に、我愛羅の額がピクリと動いた。

「……カカシ?」

「あぁ、昔っからよ、オレの言いたい事やりたい事解ってくれてて…
イルカ先生っているんだけど、その人がオレを人として認めてくれて
その後にカカシ先生に…オレって言う人格を認められたっつーの?
なんて言って良いか解んねぇけど…それでも
悪いことは悪いって…良い事は良いって…確り教えてくれて
オレってば、スッゲー自分勝手でさ?
カカシ先生もスゲー苦労したと思う。
それでもさ…強くて優しくて…里の中で一番オレを理解してくれていると思う。
その人を好きになったって解ったのは…もうかなり前なんだけど
男同士だし…我愛羅みてぇに…伝える勇気なくってさ…
情けねぇよな?」

なんて言いながら、ナルトがドカリとその場に腰を下ろしたので
我愛羅もそれに続いて腰を落とした
それを横目で見ていたナルトが苦笑いして言葉を続ける。。

「気が付いたらさぁ…逃げる事ばっかり考えてた。」

「お前がか?」

「あぁ、そうだってばよ!オレって情けねぇの!」

「…胸を張って云う事でもないと思うが…」

「ははは…うん。
自分が、サクラちゃんを守った時にさ。
オレってば、守ったはずなのに自分が怪我しちまって
サクラちゃんに言われたんだ…

『避けられた…よね?この傷』って…

そこまで深く考えてなかったけど、良く思い出せば
そうなんだ…サクラちゃんに助けに入る必要もなかったかもしんねぇし
オレって、結構無茶苦茶するからさ、いつもみんなに心配掛けて
人を守るくせに自分を守れなかったんだって気付いたら
言わずに居られなかったんだ」

「…なにをだ?」

「あ、うん…カカシ先生に好きだって…
そう思ってるだけで、心が飛んじまって、任務さえ
心ここにあらず?状態だったらしいんだ…
そんなんで、死んだら先生悲しむだろ?
オレは先生のためにも、火影のバーちゃんの為にも
死んだらダメなんだってばよ!」

ニッシッシと笑うナルトに、我愛羅が薄く微笑んだ。

「本当に心から好きだと…言う事…だな?」

「あぁ、だからゴメン!」

清々しいまでの謝罪にクスッと笑って、そっと横のナルトに体重を掛けた。

「いいんだ…お前は俺の最愛の友と言う位置に居させてくれればいい」

「…あ、うん…それは、間違いなく言える!我愛羅は、オレの大事な大事な
友達だってばよ!それに、オレは…お前が目標だからな?
火影になるまでは、お前がオレの目標なんだってば!」

「ナルト…」

「ニッシッシ!だーかーらー!オレは、お前を尊敬してるし、友達としても大事にしていく!」

「ありがとう…」

「おう!」

「カカシか…、それで、告白して上手くいってるのか?」

その言葉に、眉をハの字に曲げたナルトが苦笑いで我愛羅に体重を預けた

「大事なんだって…言ってくれたから」

「…大事?」

「うん…一番大事なんだって…オレにではないけど…
そう言ってくれたんだ。
だから、オレは諦めねぇ!って…言ったけど、先生迷惑かも知んねぇ…」

「…お互い遣る瀬無いな?」

「…ごめん」

「謝るな…惨めになる」

「う…お、おう!」

互の体温は、重なる事はない…けれど、温もりを与え合う事は出来る。
互いに荒ぶ心に暖かな互の思いが流れ込み、ゆっくりとした時間が
二人の間を吹き抜ける。

目の前の嵐が嘘のように晴れた時、背後から風影様と
抜け出したのがバレたのであろう。

スッと立ち上がり、我愛羅は薄く微笑んだ。

「ナルト…ありがとう」

「オレこそ!ありがとうだってば!」

ニッコリと笑って…我愛羅はその場を離れた。

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