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なつめっぐ 保管場所

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朧月③

続きになります

「ごめんねー、仕事を始めたから疲れたみたいで寝ちゃつてた」

襖を開けると同時に謝ってみたモノの…不機嫌そうな表情は変わらなかった。

テーブルを挟みシンとする中
閏葉は、話すのを半ば諦めていた時だった。

「新しい男の人…できたかと思った。」

いきなりの発言に驚いたのは閏葉の方。

「何言ってるの!?」

「俺、捨てられる…」

今までそんな事を言った事がないし、こんな一面があったなんて…と、
驚くしか出来なかった。

結局彼は、納得して帰ったが
こんな夜中に来て、散々吠え散らかし挙句何事もなかったように終わらせた

それに疑問を持つも、今は忙しいと
閏葉は、風呂へと向かった。

やる事が多すぎて、彼の事を考えている暇がない。

「はぁ…」

別れてもいいかも知れない。
ときめきが、一時的に胸を焦がしたのだろう…
何となくそんな考えを片隅で持ちながら、体を洗い流して
湯船に浸かる。

「ふぃーっ、生き返る。」

んーっと、身体を伸ばすと。
チャプンと自分の動きとは違う方から音が聞こえ

慌てて、その音の方を見やった。

湯船に身体を押し込み、閏葉は顔だけ出してもう一度見ると…
少し長めの黒髪。
濡れているからか、髪はオールバックに遅れ毛が、数本目に掛かっていたが

色素が薄いのか、少し青みがかった瞳が閏葉を捉えた。

「なんだ」

「あっ、いえ…」

下半身は、タオルで隠れていた物の引き締まった上半身は無駄な肉など付かず、
筋肉のラインがハッキリと見て取れる。

だが、まだまとわりついている視線にウザったそうに
男は眉間にシワを寄せている表情を見て閏葉は
慌てて、後ろを向いた。

精悍な顔立ちと、しなやかな身体。

きっと、どこかのモデルかタレントだろうと思った。

「なぁ…あんた、ここの若女将知ってるか!?」

いきなりの発言に驚いて、振り向くと目の前に彼の身体があった。

「あのっ、私がそうですが…」

「ふぅん…悪くない。」

その言葉が、何を指すのかなど理解はできないが
彼の声を聞いた途端身体に電気が走る。

「鶴の間に居るんだが…挨拶に、後で部屋に来てくれ」

その言葉に、かしこまりましたと答えた時には既に姿がなかった。

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