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なつめっぐ 保管場所

倉庫です。

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天花 7

続きです
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13:予測

ザザッ…揺れる周りに生えた蔓から伸びた葉。
随分奥に入ってきたなと、カカシが足を止めずに辺りを見る。

目の前には、チラチラとこちらを伺いながら走る男を
捉えてはいるが、差が縮まらない。

攻撃を仕掛けてこない相手に、カカシが走りながら声を上げた。

「そろそろ…逃げるのをやめれば?
お前達の計画では、そろそろ突き当たるはずでしょ?
その前にオレをなんとかしなくちゃならないんじゃないの?」

その言葉に男が、クルリと身を翻し
クナイを3本程一気にカカシ目掛けて放ってくる。
器用にそれを避けると、カカシは足に付いているホルダーから
クナイを取り出し、脚を止めた。

「どこまで知ってる」

男の問いに、さぁ?と笑うカカシ。

男が印を組もうとするが、カカシがそれよりも早く男の腕を捉えた。

「っ…」

「お前遅いね…ナルトの方が余程早いよ?」

クスッと笑って男の覆面を剥ぎ取ると、カカシがニッコリと微笑んだ。

「やっぱりね…いつから入れ替わってたのよ?」

カカシはその男の顔を驚くことなく見据えた。

「いつから気付いてた?」

「質問に質問で返すのはオカシイでしょ?
はい、答えて…カンザ」

「……」

「答えれない…か、ナルトになにか術を掛けたでしょ?
その時に、何となく解ってたよ…狙いはナルトの九尾でしょ?」

「………」

「ま、黙秘でもいいけどね」

言葉を吐き出さないカンザにカカシが一度薄く笑うと
握っていたての力を強めて体をスッと動かした。

「うわぁああっ!」

カカシの手がギリッとカンザの腕を捻り上げ、顔を上へ向かせると
写輪眼がグルリと回り、カンザがその目に意識を囚われる。

「くっ…写輪眼…だったのか」

「そ…はい、気を楽にして頂戴ね~」

その声を最後まで聞く前に、カカシの顔が歪み
自分の体に力を送ることを忘れた。

ただ、言葉だけは嫌に鮮明に聞こえ、眠っているが脳だけは覚醒している
眠れない時の睡眠時のような状態に陥った。

「ナルトに氷刀を見せた時、刀にあった呪印がナルトの
目の中に入ったように見えたんだけど?」

「それが…狙いだった」

勝手に動く口を…もはや止める事は叶わずカンザが抵抗を見せ
額から一筋の汗を流した。

「抵抗は無駄だけど、まぁ、お前の勝手だからね
好きにしていいよ?けどね…ナルトを狙った罪は軽くはないよ?」

カンザが内心でクソッと言った所で、カカシにそれが伝わることはなかった。

「さて…カンザお前達はそろそろこの奥の合流地点で落ち合うんだろ?
それからナルトをどこへ運ぼうとしてるの?」

「海…」

「船を待たせてるってコト?」

「潜水式の船」

「へぇ…それは見つけられないね~
連れて行ってナルトをどうするつもりだったの?」

「九尾を…水影様へ」

その言葉にピクリとカカシの眉が動いた。

「九尾を…抜いて水影に与えるって事?」

「大名の名で…動いてる我らは、水影に疎まれている…
手土産と共に、水影に寝返るつもりだった」

「ふぅん…火の国と手を組んだのは…聞いてるよね?
なのに何故九尾を?」

「まだ、水の忍であって、水影の指示ではないからな…
それに尾獣が人に懐いた…」

その言葉にカカシがハーっと深くため息を落とした。

「ナルトは長い時間を掛けて、九尾と言葉を交わし
互いに認め合い、受け入れあった…だからこその力だよ?
もし九尾を抜いたとて、ナルトが居なければアイツは人には懐かない
それにね…器になった者が九尾に支配されたら、お前逆に斬首よ?」

「…ナルトの意識を、刀に引き込んでいる
それから指示を出せば九尾はナルトから指示が出されてると
そう思うんだ…だから、この刀にナルトの意識がある限りは
九尾は自由に操れる」

やはり狙いなナルトであり、氷刀はそのナルトを縛るための
忍具だったかと、カカシは溜息を吐き出し、今聞いた事を
しっかりと伝えるようにとパックンに伝え
カカシはカンザの体をチャクラ縄で縛り上げて
ナルトと合流するであろう場所へと向かった。

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14:転機

脚を進めるうちに、近づいてくるチャクラ…
ナルトが眉間にシワを寄せた。

(なんでカカシ先生の気配がこっちからするんだってばよ…?
それに、カンザさんの気配が…なんで2つもするんだってば?)

疑問に思ったナルトがフッと視線をカンザに向けると
彼は何も解っていないような顔で前へと進む。

チラリとサスケを見やれば、何か気づいてるのか
周りに視線を送ってはいる…

(あ…オレってば、まだ仙人モードのままだったっけ)

既に気に留めてはいなかったが、自然エネルギーを操る為に
時折発動もしていないのに仙人モードへと移行している時がある。
意識してなければ、それは自然に収まるのだが
今回はその気配を感じた事で、その状態になっている事を
気づいたと言う所だ。

このモードが常時発動できている状態になれば
仙人…と言うことになる。

「ありがとな…オレ…もう一人で歩けっから、離して」

両脇から抱えてくれてた二人に声を掛け
ナルトが離れると、サスケとヤマトがナルトの変化に気付き
前を見据える。

知ったチャクラと…いま一緒にいる人間のチャクラに
似たような気配。

「どういう事だ」

サスケが声を上げると

シュッ――

カカカッ…


正面からクナイが飛んできて
カンザの体を岩に縫い付けた。

「なっ!」

声を上げたのはカンザ。

正面から姿を現したのは、合流するはずのもう一人の己ではなく
はたけカカシだったから。

「悪いね…もう一人のお前は、悪いけど縛らせてもらったよ」

スッとカカシが男を岩陰から引き出すと、ナルトが目を大きく見開いた

「カンザ…さん?」

「そ、ナルト…カンザは二人いたんだ…
血液の臭いや、体臭…うちの忍犬達が困惑するほど
同じような香りを放つ…それにチャクラまで殆ど一緒。
お前らが惑わされるのは無理のない話だ…細胞レベルまで
酷似しているなんて、珍しいんだけどね」

と、突き出した男と横にいる男を見比べるサクラ、そしてナルトと
何かを感じていたのか、解っていたのか…
フッと薄く笑うサスケに、溜息を落とす…ヤマト

「カカシ先輩…ボクの存在から気付いたんですか?」

「そうだね、ヤマトの事もあったから解ったってのもあるよ」

ナルトが何がなんだかわからないと言う表情をしているのを
無視してサスケがカンザの腕を取った。

「そう簡単には…捕まってあげれないんだ」

スッと、片手で指を立てると
するりとサスケの手から抜け出た。

強く捕縛するために捕まえた腕が
まるで…水を通り抜けるように…するりと躱され
サスケが、もう一度捕まえようと腕を伸ばすが
その姿がゆらりと揺れるが、本体をすり抜けてしまった。

「なっ…」

サスケが、もう一度今度は腕にチャクラを集めて
捕まえてみるも、既に触れる事は出来なかった。

「血継限界か…」

カカシが落ちた縄を拾い上げるとグッと目の前の二人を見やった。

既にカカシ側に囚われてた男も抜け出ていて
二人が並ぶとまるで鏡を見ているようだった。

「うずまきナルト…君の九尾の力を頂きたかったんだけど…
どうやら邪魔者な頭脳派人間がいるとはね。
計画は失敗…けどねぇ」

氷刀…それを一人のカンザが胸から引き出すと
ナルトへ切っ先を向け、言い放った。

「氷刀の名に置いて告げる、うずまきナルト…私たちに降れ!」

その言葉に、ユルリとナルトの体が動いた。

「なっ!なんだってばよ!勝手に動くっ!」

ナルトが慌てて体を諌めようとしても…足が勝手に
氷刀の切っ先に誘われるように足を進めていく。

「カカシ先生っ!」

「チッ、そうやすやすと、ナルトを手渡せるはず無いでしょ!」

サスケのケリが、相手の体をすり抜ける間に
カカシがナルトよりも先に氷刀を叩き落とした。

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