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なつめっぐ 保管場所

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向日葵3

どんどん行きますw


なぜ…抱きしめた?
なぜ…あの時行くなと言う言葉が自分に浮かんだんだ?

認めちゃいけない…

解ってる。


「以外性NO1忍者…だったっけな」

なんて、クスッと笑ったカカシが、綱手のいる執務室へ入った。

「来ると思ったよ、カカシ」

「…はい、でナルトの事ですが」

「悪いな、それは言えん。お前もわかってるだろう?」

「ですが、アイツ……下忍、ですよ?」

「あいつの今回の任務は、暗部も関わるほどの大きいものだからな…
が…心配するような事はない、何かあっても、絶対に守ってくれる依頼者だから
お前が不安に思う事は一切ない。」

その言葉に、ふむ…と一度考えるとクスッと笑って言葉を吐き出した。

「…あぁ、依頼者自体が権力のある人間って事ですか…とすれば、五影の一人
我愛羅あたりが妥当ですかね?」

「ははは、聡い人間は嫌われるぞ?分かったら、飲み込め!」

「はっ!」

パタンと扉を締めたカカシは、フーっと長く息を吐き
頭をポリッと一掻きすると指先を二本立ててその場から姿を消した。
今砂の国は戦争の危機が目の前に迫っているのは知っている。
それを阻止するために躍起になってるのも、聞いている

けれど、どの部分にナルトが関わるかによって命の掛度合いも違うのだが
恐らくは、そんな危険はないと言ってた事と、ナルトを友と言う
あの我愛羅の事だ、きっと、大きな事に巻き込まれることはないだろう
そう思い至って、フッと微笑んだ。

着実に、ナルトは火影の道を歩き出したって事でもある。
風影の厚い信頼と、火影の思い…それを受けた彼はもっと大きくなれる。
チクリ…と痛む胸を気づかないフリで忘れ
カカシはいつもの慰霊碑の前に立った。

「四代目…ナルトがとうとう、貴方の思う英雄に育っていきますよ?
あの時…私が貴方を守れなかった事、そして、見続ける事が出来なかった事
それを今、ナルトがさせてくれようとしています。

オレは…あの告白を無かった事に出来ない…こんなに心揺れたのは
今まで無かった事です。

引き止めたいのに…それが出来ない、アイツの将来を考えれば
それをする事は、足を引っ張る事だから…
先生…貴方はオレを恨みますか?ナルトを…愛してしまったら
オレはもう引けません…だから、どうか…今だけでいいんです

ナルトに言えない言葉を…ここに託します。

お前が…何より大切だと。」





ざぁぁ…と、風に煽られた草が一斉に棚引くと、カカシはそこで印を組み姿を消した。
その後に、真っ赤になったナルトが、仙人モードで修行していての帰り道慰霊碑の前に立った。

「ありがとう、父ちゃん…カカシ先生の言葉をオレに届けるために
呼んでくれたのか?なんか呼ばれてる気がして…ここに来たら
スッゲー告白聞けて…オレ、どうしたらいい?」

そっと、右手に持った5輪の花束とも言えないものを慰霊碑に備え
そっと足を折ってしゃがみ込むと父の名を指でなぞった。

ふわり…と、優しい風がナルトを包み、お前の好きにしなさいと
そう聞こえた気がしてニッコリと微笑んだ。

「オレの道はオレが決めるってばよ!」

と、強く吐いて自宅へと戻った。
カカシの言葉を胸に抱いて…旅立つ事ができる。


*************************6


翌朝は、早くから会議に参加することになっていたため
ナルトは早朝から荷物詰めを止めて、額当てをする。

ギュッと圧迫される頭に、気が引き締まると
靴を履き、鍵を締めて部屋を出た。
荷物もあと少しで方がつくし、一楽のラーメンの食い納もしなくちゃいけない

「へっ、やる事一杯だってばよ!」

ニパッと笑うと、ナルトは火影執務室へと向かった。


同時刻、カカシも七班の任務を請け負うために火影の元を訪れていた。

「では、サクラ、サイと共にB級任務を許可しよう」

「はい。」

受け取った紙を胸ポケットへとしまうと、不意に近寄る気配。

「…ナルト?」

「あぁ、そろそろ来るだろうからな…奴はこれから会議だ」

「え?」

「今回の任務の隊長は奴だからな」

「は?」

「カカシ…お前のそのアホ面どうにかしろ!
今回はナルト中心で仕事を任されただけの話だろ?」

「…あ、あぁ…そうですね?でも、他の者たちは?
サクラもサイも声は掛かっていませんが?」

「…メンバーは、ほぼ上忍ばかりだからな」

「そうですか、アイツ無茶して怒られそうだ…」

これ以上の討論は無駄と、理解したカカシがスッとドアを開け出ると
ナルトと目があった。

「あれっ…?先生早いってばよ」

「いつも遅刻してるみたいに言わないでよ…」

「…いつもだってばよ」

「…まぁ…ね?クスクス」

そう言って、すれ違い様本当に一瞬の出来事だった。
油断した訳でもない…無論今まで同様に気を張っていたハズなのに
すんなりと、カカシの腕がナルトに捕まってしまった。

「せんせ…オレ、やっぱ忘れられないかもしれねぇ
ゼンゲンテッカイなんて情けねぇけど…先生を思ってるから
それだけは伝えたくって…」

その言葉にドキリと胸を鳴らしたのは、カカシだった。

「…誰も忘れろとは言ってないんだけどね?」

と、クスッと笑うとカカシはスッと腕をすり抜けて目の前で煙になって消えてしまった。
ナルトもその言葉を受け、頬をスッと紅色に染めると
グッと手を握りしめて胸へとその拳を宛てがった。

ひと呼吸置き、カチャリと綱手の部屋を開けたナルトの顔は、晴れやかで
清々しい笑顔で綱手の前へと躍り出ると、言い出す前に綱手からの言葉が響いた。

「会議室は第3会議室を使え、来る人間はシカク・ゲンマ・ネジ・
テンゾウ(ヤマトだが暗部として参加)・いのいち
と言う構成になったから、ナルトが確認すること。
あと、みんな年上の忍でお前が上役となると、勿論何らかの難癖もあるだろうから
それは覚悟しておく事だな」

「…あぁ、わかったってばよ!」

「師匠のカカシの名に恥じぬ行動をするように」

「おうっ!」

第三会議室の扉が開かれ、事の転末を綱手が説明し、ナルトがその場で立ち上がると
スッと頭を下げた。

「オレ、まだ下忍で部隊長なんて名前だけだろうと思うけど…
シカクのおっちゃん、ネジ、ゲンマさんに、いのいちさん…それと、テンゾウさん
どうかオレの支えとして色々とアドバイスを下さい。」

そう、頭を下げると、誰ひとりとして文句を呟く者はいなかった。
会議は無事終わり、シカクとナルトが一緒に戻っている最中に
シカマルと出会いそこでシカクと分かれて一楽へと向かった。

「おっちゃん!味噌チャーシュー大盛りだってばよ!」

「あいよ!ナルト!カカシさんから金は預かってるからな?
思う存分食えよ!」

「え?カカシ先生が?」

「おう!」

餞別…なのだろうか?
それでも、この場所へ自分が来ると読んでお金を置いて行ってくれた事に
凄く胸が暖かくなって、終始ニコニコとしながらラーメンを啜った。
そして、カカシ先生が来たら、今度はオレがおごるって言っといて!と
お金を置き、ナルトは店を出たのだった。

顔岩の上に立ち、先日の夜を思い出して自分を抱きしめた。
風は優しさを備えてはくれず、強く吹き荒んでいるが
今は心が暖かかった。

「この里とも半年のお別れだってばよ!」

自来也と里を出て、戻ってから色々とあった。
沢山の戦いと、そして木の葉の崩壊、復興
どれも全て自分が携われる事であり、中心になって動けていたと思う
里を守った英雄という通り名が付けられ
ふと思った
父は黄色い閃光、母は赤いハバネロ…自分は、何て付くんだろう?

木の葉隠れの里を離れるさみしさはあるけど
自分が一回り大きくなって帰ってくる
そして…カカシへの恋情も上手く折り合いが付けれれば
きっと、一生傍に居れる。
何よりも大切な人と、そう言ってくれたから。

「オマエ任務前に風邪ひくよ?」

思いに耽っていたら、急に背後から声がかかりビクッと肩を揺らした。

「ナ~ルト?警戒しないで?」

「え?警戒はしてないってば」

「ま、硬くならないでって事」

スッと、ナルトの横に立ち並びカカシが言う。

「し、しゃーねーだろう?キンチョーすんだから」

「…まぁ、そうね…明日何時出立?」

「昼だってばよ!」

「そ…見送りいけたら行くよ」

「え~?先生ってば、どうせ遅刻すんだろ?
今だって…待ってんじゃねぇの?サクラちゃんとサイ」

クスッと笑ってそれを肯定するようにカカシが言葉を吐いた。

「…ま、いいじゃないナルトの門出だもの
お前が部隊長務めるとか…ホント心配なんだよ…」

「…ガキ扱いすんなってば!」

「いやいや、先生としては初のリーダーってやつをする子に
色々と教えてやるもんだろ?ガキ扱いじゃない」

ポンと、昔のように頭に手を載せられる心地よさが
ナルトの心に染み渡る。
大好きで、いつも勝てなくて…強くなりたい一心でカカシや自来也を追った。
カカシに螺旋手裏剣のヒントを貰い、一緒に修行した事や
一楽のラーメンを一緒に食べたことその全てがナルトの中では
大きな大きな思いだった。

「オレ…先生の顔を潰すなって綱手の…いや、火影様に言われてっから!
オレも、そんな事したくねぇし、皆に助けて貰いながらオレのやるべき事を
しっかりとやって来るってばよ!月一の連絡も、ちゃんとするから!
先生オレがでっかくなって戻るの待っててくれってばよ!」

「ん…そこまで心が決まってるならオレは何もいう事はない
ただ、お前が行く里は…他国それを肝に銘じて自分勝手な行動は
出来るだけ…無理でも!謹んで行くように…ね?」

説教じみた事かもしれないが、他国に行くという事は
虎穴に入らずんば虎児を得ず…状態なのだ。
ナルトの真っ直ぐな性格を跳ね除ける人間も多々居ると言うことを
忘れては欲しくないと、カカシは思っていた。

「…なんで任務内容知ってるんだってばよ!」

が、どうやらそんな話より、カカシの情報力の方が気になったようで
ナルトは不貞腐れたように声を掛けてくる。

「あ~…まぁ、少ししか知らないし、気付いたってだけだから
誰もオレに任務内容は言ってないよ?」

疑わしい目で見られてしまい、もう少し話をしていたかったが
どうやら、ここが引き時と感じたカカシが、
んじゃ、がんばってね?とだけ残しその場から消えた。

「んだよ!影分身か…ったく、カカシ先生は…それでも、
オレの所に来てくれたって事か…」

クスッと笑って、カカシが居るであろう集合場所へと目を向けた。

「大好きだってばよ…カカシ先生」

甘い笑顔は誰にも見られる事なく、里に向けて放たれた。

そして翌朝…すべての荷物を入れ終えると、ナルトはギュッと
ハチマキを強く締め、気合を入れる。
まだ下忍で、ここまで力のある忍はどこを探しても居ないだろうと
そう思わせる勇敢さと、優しさを持った少年が、木の葉の命を受け
出立する。

「では、ナルト小隊出立します」

晴れやかな昼下がり、秋風が舞う中
ナルト他5名が阿吽の門の前に立った。
見送るために集まったのは、綱手、カカシ班全員と、ヒナタ、シカマル、イノ
全ては親の事だったので見送りに来たのだが…
ナルトが隊長と言う所で、サクラやシカマル、イノが頭を抱える。
どう言う経緯かも全くわからないが
下忍が上忍に指揮を出すとは…木の葉も終わった…なんてイノが言い出して
父に、怒られる事となるのだが…
てんやわんやの見送りで出立時間が大幅にずれ込みそうだったため
ナルトが声を上げた。

「わりぃ…そろそろ出ねぇと、ちゃんと帰ってくっからな!行って来るってばよ!」

と、秋晴れに勝るとも劣らない笑顔でナルトは小隊を率いて
その場を飛び出した。

「成長…するもんだな」

と、ポツリと漏らした綱手にシカマルとカカシだけがコクンと首で返事を返した。
他数名はサクラやサイにあ~でもないこ~でもないと言い合いを始めていたが
知らない…という事で落ちおつきカカシも苦笑いを向けるしか出来なかった。

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