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なつめっぐ 保管場所

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神無月補足

【神無月】補足!
*注意:本編を読まなくても楽しめるとは思いますが…
本編を読んだ方が内容解ると思いますw


「なぁ…いいのか?あんな事皆の前で…」

ベットに横たわったナルトがポツリと聞いた。

「あー、お前の立場、悪くなったかもね」

そのベットに腰を掛けたカカシがクスクスっと笑って答えると
ナルトが寝そべってた体を引き起こし訴える。

「そうじゃねぇって!カカシ先生が…オレとその、付き合ってるって
あんなみんなの前で言っちゃってさ…」

カカシが苦笑いでその風景を思い出していた。

酒酒屋…久しぶりに来たなとカカシが呟いた。
二人で酒酒屋の前、佇んでいるとナルトが不思議そうな顔でカカシを覗き見た。

「ここで飯?」

「そ」

「…何で酒飲む場所なんだってばよ」

「ま、いいじゃない」

クスッと笑って暖簾を押し上げたカカシの後を追ってナルトが中へと足を踏み入れると
独特のアルコール臭が鼻に付いた。

「あーこの臭いキツイ?」

しかめっ面のナルトに聞くと首を縦に振ったナルトの背を押して奥の
個室に入るよう促した。

と言っても、別段隔離されている訳でもないのだが
そこは幾分か、臭いがましだった。

「なぁ…こんな場所で何食うんだってばよ」

「ん~まずは、アイツらの視線どうにかしないとね?」

「は?視線?」

言われて初めて気が付いた…周りの男たちや、女くノ一がジッと己達の座る席へ視線を
向けてきている…そして、その視線はやっぱり気持ちの良い視線ではなく
ナルトがヒュッと息を飲み込んだ。

その瞬間を見逃さなかったカカシがそっとナルトの背中に手をまわした。

「せん…せ?」

「周りは気にしなくていいよ…ホラ、オレだけを見て?」

「う…ひと、見てるってば」

「だから気にしないでいいからって言ったよね?」

「でも…」

カカシがグッとナルトの体を抱き寄せると、それを見ていた酒を飲みに来ている
客たちがザワリと声を発する。
何を言ってるか聞こえはしないが、ナルトにしてみれば自分が何かを言われてるかもしれない
カカシが自分と居て、何か言われてるかも…
傍に居るから…ダメなのかも…

そんな事を考えると呼吸は更に荒くなっていく。

「収まら無さそうね…」

「かか…せ…」

「ホラ、息…大きく吸うんだよ?」

そう言うと、周りの人間など見向きもせず、その場所でナルトの唇に
己の唇を重ね息を吹き込んだ。

「っ…」

中には、ナルトと先日任務で、傍に居ていいと言った男がいた…
それにナルトに絡んでるくノ一もしっかりと見ている。

(イレギュラーだけど…まぁ、これでナルトを狙う奴も諦めれるだろう?)

カカシが一度息を吸い込む時に、互いの唾液で濡れた唇を隠しもしないで
周りに顔を見せ、ニッと笑った。

ごくり…飲み込んだ、唾液はカカシのものでも、ナルトのものでもなかった。

騒がしかった酒場がシンと静まった一瞬。
カカシが甘い声で少し大きめに声を上げた。

「ホラ…オレ達が付き合ってるって知っても、誰も何も言わないでしょ?」

ナルトに問いかけているのか…
周りに虚勢を張っているのか…

その声で一人の男が立ち上がった。

「カカシ上忍!あのっ!」

「ん?」

部屋の入り口前まで来ると手を握り締めて立っていた男。
ぐったりとナルトがカカシの腕に寄りかかってる姿にゴクリと喉を鳴らした。

「何?」

「う、うずまきと…話したいんですけど!」

「ナルトは今動けないから、オレが聞いても良いよ?」

「っ…うずまきは!オレ傍に居ても良いって!」

「そうなの?ナルト」

呼吸がゆるゆると落ち着きを取り戻してきているナルトに問いかけると
ふわふわとしながら、ゆったりと答えた。

「え?あぁ…傍って、友達としてだろ?」

(オレもこの前ナルトに変化してちゃーんと伝えたんだけどねぇ~…)

「オレは恋人として!」

ダン!と、机に手を強く突くと上に置かれたグラスが不安定に揺れた。

「オレの恋人は…カカシ…せんせ…だってばよ?」

その発言に男は言葉を失った。
と、一人の男がそっとその男の腕を取り、支える様に連れて行く前に
カカシに視線を向けて一度頭をぺこりと下げたのは
先日一緒にマンセルを組んだ男だった。

「なんだったんだ?」

「さぁ…なんだろうね?」

ナルトがポカンとして居る中、カカシだけがクスクスと笑っていたが
目の前に包まれた魚と握り飯が差し出されると、ナルトの腕を引いて
一言出るよ…と告げた。

けれど…

パシッ…

祓われた手に、カカシが目を見開いた。

「もう少し見せ付けようぜ?」

既に目の色が変色している。
それを瞬時で見てとると深い溜息を吐き出した。

「オマエねぇ~…所構わずか」

「…しゃぁねぇだろ、ナルトが苦しがってるんだから」

「…そんなに苦しむようなことはしてないんだけどねぇ?
むしろ、助けたって言って欲しい位だよ」

「な、カカシ…ここでオレからキスしたら皆が認めるよな?」

「ちょ…ダメだよ、オレはナルトとしかしないの!」

「同じナルトじゃねぇか!」

「ちょ!まてっ…んっ!」

ガバリと抱きつき、カカシの唇と己のを自ら重ねに行ったナルト。
ヌルリと舌先がカカシの中へと侵入すると、カカシも観念したのか
その舌先をチュッと吸いあげ、首をそっと傾けると今度はナルトの中に
カカシの舌先が入り込んだ。

「っふ…んっ…」

「ナルトともまだこんなキスしてないってーのに」

クスクスと笑いながら一度口を話したと思えばまた重なり、
濃厚なキスの音を響かせると周りの視線は釘付けとなった。

「ん~~!!!!!」

ドンドンと胸を叩かれて、カカシがやっとナルトを離す。

「こ、殺す気かよ!」

「え~?お前からせがんできたのに…」

と、大の大人が拗ねた。

「はぁ…ったく、帰ろうぜ!カカシ」

「はいはい…ったく、本当に振り回す子だねぇ~お前は」

と、言いながらもナルトの後を追い、酒酒屋を出ると、ぐらりとナルトの体が傾いた。

「ちょ、戻るなら言ってから戻りなさいよ…」

シュンと音を奏で、ナルトの体を支えると、青い瞳がゆるりと開いた。

「あ…あれ?飯は?」

「…最初に言う言葉が飯なの?ちゃぁんと、貰って来たよ」

ナルトを支えていない方の手でプラプラと袋に入った魚と握り飯
それを見て飛び起きたナルトがニッコリと笑った

「早く帰るってばよ!」

どうやら彼の心は、腹を満たすために動いているようだ…。

「はいはい」

二人で並んで歩きだすと
何を思ったのか急にナルトがカカシを追い越し体を乗り出すとニッと笑った。

「な、なによ…」

その不敵な笑みに嫌な予感しかしないカカシが、声を掛けると待ってましたと話し出した。

「ね、先生大人のキスしてってば!」

その言葉にガックリと項垂れる。
先程、あれだけ濃厚に口付けを交わしたと言うのに…

「なぁ、カカシせんせーってばぁ~」

「知らないよ~」

「なぁって!もう噛まないからさぁ~」

「そう言って、不意打ちするんだろ?」

「しねぇって!な、キスしてよ!」

「ちょ、ここ大通り!人前なの!そんな話止めなさいよ」

「え~あれから先生一回しかしてくれねぇじゃん!」

(あ~そうね…さっきのアレはカウントしないのね)

「その一回だって、噛んだでしょうよ~ だからぁ~…んもぉ!」

シュンと風が舞った。
それよりもどこかで飯を食べようと提案したカカシにナルトは木の葉でもかなり巨大な木を
思い出しそこで食べたいと言う願いが受け入れられた。
頬を擽る風が、心地良く木の上で食事を終えるとカカシがクスッと笑った。

「なんだってばよ…」

指先に付いたご飯粒を一本ずつ舐めて取っていると
カカシが不意にナルトの体を木に押し付けた。

「カカシ…先生?」

「噛まないでね?」

「は?」

「お前が望んだんでしょ?だから舌…噛んだらダメだからね?」

「っ…飯食ったばっかだぞ?」

「それだけじゃぁ~足りないんでしょ?」

そう言ってカカシがナルトの手をそっと取り、体をグッと押し付けると
ナルトの体は逃げ場を失った。

「ね…こんなに傍に居るのに、もっと近づきたいって思ってるのって変か?」

触れるか触れないかの場所で話し出したカカシに対し
ちょっとでも声を発せば唇が触れあってしまいそうで何も言葉にできないナルトは
うーとか、あーとか、言葉にならない言葉を発すると
ニッコリと笑ってナルトにキスを送った。

「んっ…」

「お前の声…凄くそそるね」

「っは…なに…言って…んっ…」

「もっと、お前のその甘い声、聴きたいよ」

「んっ…」

砂糖のような…甘い声がナルトに降り注ぐ。
こんなに傍に居る時は、悩んでるのを忘れてしまうほど夢中になれるのに…

「んっ…す…き」

「オレも…ナルトが好きだよ」

そのキスは、時を止めるほどの長い時間触れあっていた。

FIN

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