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新連載!?
ともあれ…ちょっと書き溜めた物をUPする事にしました!
このお話は、ナルト総受けになるのかなぁ?
イルカ→ ナルト ←←←カカシ
↑
サスケ
こんな構造が見え隠れしています(現時点でw)
ただ、今回もナルっちょ、痛い思いしていますので…
皆さま各自個人の判断にて、閲覧お願い致します。
それと、文章が短いので、このページに2回分UPする事になると思います。
次回のUPもこのページになると思いますのでよろしくお願いします!
では、どうぞ…
↓↓↓↓
=【紫陽花】AJISAI=
=================================
【紫陽花】一 捕獲
降り注ぐ雨、滴る雫がパタパタと音を立てて地面に落ちた。
空から涙のように降り注ぐ土地。
辺は荒れた荒野が広がり、木々も殆ど枯れ果てた
粘土質の強い土が、水を吸い込まずに、水溜りを作っている。
そんな中…細く声が響いてくる。
「……で…だ」
「ヒック……てぇ…」
土の壁の中、数人の人間がその場所で小さく固まっていた。
土を抉って、鉄格子をはめ込んだような簡単な鉄格子ではあるが
そこに一人だけ、大人の人間が子供たちを守るように立っていた。
「…皆、頑張るんだ」
「でもっ!こんな所に閉じ込められて、オレ達どうなっちゃうの?」
額当てをしている一名、その名を、うみのイルカと言う。
木の葉の里の中忍であり、数日前にアカデミーで行われた遠足…
と言っても、山を登るだけではなく忍としての修行としての一環を兼ねた
そんな旅行先で、イルカの引率するアカデミー生が捉えられたのだ。
帰還予定は、本日正午…戻らなければすぐに搜索が始まる。
「なぁに…今頃、戻ってないと騒ぎになって、搜索が始まってる頃だ」
「ホント?」
「あぁ、ホントだ…」
「じゃーさ、じゃーさ!木の葉の精鋭が見れるの?」
「…そうだな、だけどお前達もそのうちに精鋭となり
里を守っていくんだからな?こんな所で怯えていちゃ
何も出来やしないだろう?だから、今は体力を温存して
逃げる為に出来ることをしよう」
「う…うん…」
8人と言う生徒数は少ないが、ステップアップ方式で
ある程度の実力を持った者が、演習をクリアした上で
こう言う遠足と言う名の、実践演習に出るのだ。
「待とう…」
イルカが呟くように言葉を発し、8人が同時に首を縦に振り、体を寄せ合った。
◆
火影執務室で、綱手が印を押していると、バン!と
強く開け放たれた扉に目を向けた。
「なんだ!騒がしいっ!」
ギロリと睨む綱手に、慌てて入ってきた中忍が
額の汗も拭わずに告げた。
「大変です!うみのイルカ率いる演習アカデミー生が、戻らないと報告が」
「なっ!」
持っていた玉璽(※A)をポロリと落とすと、綱手が暗部の招集を叫ぶ
と、ちょうど任務を終えて、火影への報告をしようとサクラと向かっていた
ナルトが、その話に目を剥いて飛び込んだ
「どういう事だってば!?」
事情を説明後、綱手を護衛する暗部の人間が
2名しかおらず、後の人間の招集は、休暇中のため
手配が遅れるとの事。
事は、急ぎ…
「帰ったばかりでスマンが…」
「おう!行くってばよ!イルカ先生はオレの先生だ!
行くなって言われたって行くってばよ!」
ギシリ…と額当てを結び直したナルトがサクラへと視線を向けると
同じようにコクリと頭を上下させた。
「カカシを捕まえ次第後で合流させる…スマンが今すぐに発ってくれ
場所は…音隠れと草隠れの里の間の中間地点だ」
その言葉にナルトが眉間にシワを寄せた。
その場所は、音、草に次いで強豪な滝隠れの里もあると言う場所。
3つの忍びの里を囲んだそんな場所で、アカデミー生だけで
出ると言うのが不可解でならなかった。
「なぁ…綱手のバーちゃん…何でそんな所にアカデミー生を
行かせたんだってばよ!?」
「…今回は特別に、岩隠れとの合同演習だったんだよ…
忍同士手を取り合って、この国にも、岩隠れにも
互いに学ばさせる為のな…」
もっと考慮すればよかったと、綱手が手を握り締めた。
だが、ナルトはそれを聞き、はぁ…と息を吐き出すと情報を聞き出す。
「…そっか、解ったで、人数は?」
「イルカを含め9人…サクラとナルト、スマンが頼む」
ポンポンとナルトの影分身が出来上がり、その場で座り込むと
自然エネルギーを取り込む。
「仙人モードで追尾する!サクラちゃん!行くってばよ」
「ええ、解ったわ!」
二人が、そのまま火影室を飛び出した。
A玉璽(ギョクジ)火影の印鑑。
◆
ナルトは火影室に2人の影分身を置いて、サクラと
その、火の国の領域へと向かった。
風がヒョウヒョウと音を立てる中、ナルトの仙人モードが感知した
集団で固まっている気配に、辺りに2人の忍らしき者。
サクラにそれを伝え、カカシが来るのを待とうと言う結論に達するが
状況が一変した。
ザザッ…木々が揺れてその風が荒野にも吹き荒れると
イルカらしき声が叫び声を上げたのだ。
「来るな!罠だ!うっ、うわぁあ!」
そんな叫び声に黙っていられるナルトではない。
「チッ!カカシ先生を待ってらんねぇ!」
「ナルトッ!」
サクラの声が響いた時には既にオレンジの忍服は
遥遠方へと身を進めていた。
「バカナルト!罠って言ってるのにっ!」
サクラは近くにあった木にカカシ宛の手紙をクナイを突き立てそこに貼り付け
ザッとその木を蹴りあげた。
身を隠すには岩に沿ってしか出来ず、ナルトは近くまで身を寄せてから
スッと、囚われている牢獄を見た。
大きな岩の中腹、下から見上げればおよそ10メートルほど上だろうか
その場所には人の気配はアカデミー生のまだまだ微弱な
チャクラと、イルカの暖かいチャクラ。
それ以外は何処にも気配を感じないのに
先ほどの叫び声はなんだったのかとナルトが一考する。
「ちっ、ウダウダ考えるのは性に合わねぇってばよ!」
スッと指で影分身の印を結ぶと数人が奇襲に備えて先に飛び出すと
牢の前に立った。
「ナルト!?」
「イルカ先生!大丈夫か?」
「お、お前だけなのか?」
「…取り敢えず、ここから出すってばよ!」
ナルトが手を掛けようとしたその時…ドスっと背後から感じた
衝撃、その後に生暖かい何かが自分の体から流れ出るのが解った。
「…イル…カ、先生」
なぜイルカが二人いるのか…そんな事を考えて
牢へと視線を向けると、そこには子供達だけ…
もう一度イルカに視線を向けると
「悪いな、お前と交換でオレ達は助かるんだよ」
そう、告げてイルカはクナイをもう一度深く押し込んだ
「っぐ…イル…カ…せん…せ」
その言葉を吐き終わらないうちに、ナルトの体は宙を浮き
先ほど登った10メートル下へと落下していった。
【紫陽花】 二 救出
何かが目の前にあった…
オレンジの服、それは誰を意味しているかなんて直ぐに解った。
「ナルトかっ?」
声を掛けても、その影は返事さえせず
目の前に何かの結界が張られているのだと思ったイルカが
必死に解の印を結ぶも、それが叶わず、黒い影に覆われた。
子供がヒッ!と声を上げ青ざめる姿に何を見たかと問う
「イ…イルカ先生が 二人…ナルトさん、先生に刺されて…」
「オ…レ…?」
日向一族ではない子だが、この子も血継限界。
あらゆる壁を透かせてみせる…結界等は完全に無意味だが
土の壁や、水の壁、鏡なども一切通用しない目…
但し、日向一族のように広範囲を見渡せるものではないので
注目度は下がるものの、チームに居れば役立つ大切な目なのだ。
「オレがナルトを刺したって事か?」
答えにくそうに、少年は首を縦に振った。
「……はい」
その言葉に、イルカが手を握り締めた。
その握り拳を、叩き付けると、小さく呟く。
「なんでっ…くそっ!」
◆
毒付きのクナイ…体が痺れを訴えるのが解る。
ナルトがはっ…と、短く息を吐きながら空を見上げると
いつもの銀髪が目に入った。
「カ…カ…シ…先生?」
「そうだよ」
「上に…皆…」
「解ってる、それより、君を治す方が先だよ」
弓なりに目を細め、カカシと呼ばれた男が告げた。
けれども、その違和感がナルトを不安に貶める。
「……誰だ」
「カカシ先生だよ」
「違う…」
「バカだね…オレはオレだよ」
額あては斜めに掛けられ、口布をした彼本人だろう姿
でも、受け答えが自分の中と一致しない。
先ほどのイルカも同様で、ナルトは釈然としないまま
毒に犯された体を回復させようと眠りを誘われる。
それに逆らう事など出来ず、ゆるりと目を閉じた。
そてと同時に辺りが一瞬光輝き、発光後すぐに消えた…
◆
「ナルトッ!」
気配を、頭上に感じながらも、土に染み込んだ血痕を見てサクラが
辺りを見回した。
ナルトが飛び出してからそんなに時間を要していないはずなのに
辺りにナルトの気配を感じない。
「どこ?」
キョロキョロと辺りを見回してみるも
どこにもその気配を感じる事が出来ず、サクラは上から感じる
微妙なチャクラを見上げると足にチャクラを溜めて崖の上に飛び上がった。
「これって…結界?」
解印を結ぶも、通用せず中に何かしらの気配を感じているからこそ
声を上げてみる。
「誰かいるの!?」
モヤモヤと辺りを包むその気味の悪い結界らしいモノを見やった。
イルカ側は、目の前に人が降り立ったのは理解出来る。
あの姿形、背格好から連想できる人、そしてナルトと共に行動を
起こせる人間は…
「サクラか?」
中から声をかけるも返事は全く無く、相手はこの牢前を調べるように
ウロウロと動いている。
「ハキラ、誰かわかるか?」
「医療班の…サクラさんかと」
「やっぱり。サクラなら、どうにかこの状況を伝えなくちゃいけない」
イルカが、檻に手を掛けると、バチチッと、痛みが走るが
眉間にシワを寄せてその痛みに耐えながら手をその結界から
押し出すようにして突き出した。
辺りを探っていたサクラは、急に湧いて出た手のひらに目を剥く
「な、何よこれ…」
何度解術を使っても、こちらからはアクションが起こせない状況。
岩の中から手がヒラヒラと出ているようにしか見えない
しかも…
「傷だらけ…」
何故か、サクラはその手を懐かしく感じ
手を重ねる。
「イルカ…先生?」
仄かに感じるチャクラの性質が昔懐かしい。
サクラが困ったように、辺りを見回していると
ザッと、舞い降りてきた風にサクラが説明を始めた。
「ナルトが?」
「はい…」
「……まずは、この手をイルカさんを助け出さなければ
サクラ、ナルトのチャクラは追える?」
その言葉に、サクラは首を左右に振った。
「血痕が…この下にありますが、そこからナルトの気配が消えました」
うつむき加減で、ぐっと手を握ったサクラの言葉に
崖から下を見下ろし影分身をそちらへと向かわせると、目の前の結界を
写輪眼で見る。
「あ~結界だけじゃぁないねぇ…複雑にチャクラの糸が絡んでて
その上に結界を張って、幻術でカバーしてる…
良くこの状態でナルトが見つけれたね…」
「仙人モードでしたから…」
「あぁ…それなら頷ける、か…」
スッと指先を伸ばし、イルカの指先に触れると
直接イルカ自身に解術を掛ける。
ふわん…
歪んだ結界から漏れ出る気配は数人のチャクラを読み取れ
ここに、アカデミー生が捕縛されている事は理解できた。
「サクラ、イルカさんの手を治療してあげてね…
オレはちょっとこれを解くのに集中するから」
「はい!」
イルカの手を明け渡したカカシが、写輪眼を見開き
チャクラの糸を一つづつ解きほぐして行く。
ナルトであれば…こんな真泥っこしい事したくないだろうな…等と
頭に浮かべるも、即座に集中を戻し、カカシは結界を解いていった。
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