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なつめっぐ 保管場所

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孤城白蓮 4

続きでございますよ~♪








カカッ………

木々が揺れ、数人の忍らしき人間と、カカシは対峙していた。
特別任務の内容は、この国に蔓延る反逆者の捜索と追放。
この土地に来てから、パックンに捜索を命じていたが
あっと言う間に見付かり、駆除作業に乗り出したのだが
その中に数人の忍もいたお陰で、現在交戦中となっていた。

「これだけの戦闘があるなら、ナルトも連れて来て良かったかもね…」

写輪眼もかなり使ったが、相手は複数いるため、簡単には行かなかった。
チャクラもかなり、磨り減った所で、敵の大きな火の玉が目の前に現れ
神威を発動するより他無かった。

(あー…こりゃ、確実にナルトに怒られるな…)

なんて、頭で考えながら…
一気に失われて行くチャクラの残量を息を上げながら計算する。
このまま、残党を残しては行けない。

カカシが、フッと一度深呼吸すると
もの凄い勢いで、近づいて来る感覚

「あー影分身消えたからねぇ…こりゃ、完全に怒ってるなぁ…」

「解ってんなら、最初から連れてけって!」

ザンと目の前に降り注ぐ赤。
仙人モード特有の、羽織にカカシが、薄く微笑んだ。

「ちと、待ってろ!」

こぉっ…と、ナルトの身体を赤く染め上げ、チリチリと漏れ出るチャクラ
チャクラモードになったナルトが
カカシに向かい手を差し出した。

「すまない。」

そっと、手を重ねると身体が、ナルトのチャクラに包まれる。

「無茶すんなって!若くねーんだから!」

そのナルトの言葉でカチンときたのだろう
まだまだ現役よと言い残し、ナルトを置いて、飛び出していった。

「ったく…負けず嫌いだなぁ。」

ナルトが、苦笑いで見送ると、黙って状況を見ていた。

「ナルト! 後方4時の方向、上忍だが、頼むね」

「おう!」

カカシに頼まれたのが、嬉しかったのだろう。
ナルトが、鼻を軽く啜って、敵に向かって飛び出した。

直ぐに決着がつき、
暗部が、すぐに合流するとカカシが捕獲した謀反者を引き渡した後
ナルトと共に城へと戻った。

その道中、ナルトに小言を言われ続けたカカシが
ハタと…唇が触れたあの出来事を思い出し、急に頬が赤みを帯びた。

「なぁ!カカシ先生ってば!」

思い出して、空想に捕らわれていると
実物が、その世界から引き戻した。

「ん?」

「あのさ…チョットさ、目…閉じて?」

「は?」

「頼むからさ…な?少しだからさ…」

なんだか、頬を赤らめ必死な顔で頼み込まれれば
嫌とは言えるはずも無く、少しだけだぞ?と
瞳を伏せた。

ふわり…と、胸に不意に与えられた温もり。
カカシは、それが何なのかをすぐに理解すると
その温もりを抱き返した。

「どうしたの?甘えっ子になったのか?」

くすっと、笑って手に触れる後頭部の髪を梳くと
ピクッと体を震わせたナルトが、顔を上げ、カカシと近距離で視線を絡ませた。

このまま…唇を重ねたい…

カカシの胸中に渦巻く欲望に従わない様に
熱く交わした視線を振り切り、代わりにギュッと体を包み込んだ。

「カカシ先生、オレ…」

「今は、言葉はいらない…黙ってオレの体温を感じてろ。」

散々小言を聞かされたが、それだけでは無い。
ナルトから感じる感覚は余りに見覚えがある。
自分には、さぞ嬉しい事ではあるが、この子は勘違いをしている。
今の状況は、男に好かれ、散々好きに言わせている状態。
今まで以上に、恋愛感覚が敏感になってしまい、あの中で選ぶなら…
カカシが良い…そう思うのは当たり前だろう。

だからこそ、言葉を止めた。

その思いに、ピリオドは簡単に打てるから…
里に戻れば、すぐにでも…

その別れを、言い出されるよりは
今の発言を止めた方が互いの傷も浅くて済む…

「…おう」

素直に承諾したナルトの頭をグッと抱き寄せ、ワサワサと
金髪を掻き毟り、しばらくの間互いの体温を与え合った。

二人は、城へ戻ると、明日出立する準備に掛かった。
けれど、カカシの心は晴れるどころか暗雲が晴れずにいた。

あの殿が、前回も苦労しているのだ。
違いなく、今夜…何かを仕掛けてくるだろうと
カカシは忍服を脱ぐ事をしなかった。

そこへ、風呂から帰ったナルトが戻ってくると
ナルトにも、着替えるよう促し、最後の夜は警戒レベルを上げる事にした。

「なぁ、カカシ先生?」

「ん?どうした」

「オレさ…ちょっと変なんだ」

「…変とは?」

「解んねえけど…身体が、痺れる」

その言葉に、慌ててナルトの顔を上げ、目の下を押し下げ
貧血の確認をし、口の中の喉の赤さ、体温…全てに異常がないので
カカシは頭を捻るが、体調の変化は外敵かも知れないとカカシがナルトに行くまでの間に
何があったかを聞く。

「あ~オレってば降りられなくなった猫を助けたくらいじゃねぇかなぁ~?」

と猫を助けた話をしだした。

その猫に背中を引っ掛かれ、風呂の最中もジクジクと痛みはあったと。

「背中、見るよ?」

「ん、わりーな…」


背中に残された3本の赤い線。
それよりも、思った以上に白い肌に、口内にこみ上げて来る唾液を飲み込んだ。

(ナルトと居ると、最近は常に鍛錬させられてる気になるよ…)

そう思いながら、傷にスルリと指を這わせた。

「んっ!!!!」

痛みから出た声に、ビクッと一度手を引いたが
そうも言ってられない…

「毒っぽいな…残念ながら、治療するもん無いから
今から吸い出す…少し我慢できるか?」

「ええっ!?先生?」

「ほら、見ないの…」

スッと、外されない口布が下げられ、ペロリと舌先が
熱を持つ傷口に這わされ、ナルトの身体が仰け反る。

口元にあった、自分の腕のジャージ部分を、無意識に噛み締めていた。

「痛かったら、言いなさいね?」

「お、お…う。」

再び落とされた舌先が、ナルトの背に這わされ
背中に、ふさりと髪が掛かり、吐き出された息が背筋をゾクリとさせる。

ちゅっ…と、聴こえた後は、羞恥心との葛藤。

カカシの熱…舐めてくる舌先の冷たさは、己の背が
熱を発してるのか、体が熱くなっているからなのか…
すでに判断は出来なくなっていた。

一番深い傷に差し掛かると、カカシの口がナルトの背に
噛み付くように、吸い付いてくる。

その感覚に、声を堪えていたのも忘れ、ナルトが声を上げた。

「はっ…んっ、んうっ!」

ジワリと、噴出す汗…
裸の自分の上半身…
下腹部も、微妙に熱を感じている気がする。

けれど、カカシは、そんな目的で自分に触れるはずは無い…

だが、声を上げた後…うつ伏せの自分の上で
毒を吸い出すカカシの動きが止まっている事に気付き
慌てて声を掛けた。

「あ、あのさ…ちと、痛かったっつーか、その…カカシ先生?」

「あ、うん…悪かったね、もう少し優しくするから」

その声に、ホッと安心から自然と、息が吐き出された。

痺れてるのは、身体なのか脳内なのか…
カカシの声に、吐息に…空間を埋めるような
水音に、ナルトの五感が嫌に研ぎ澄まされる。

ちゅっ……ちゅ…

はぁ…

その艶のある色気の強い声に、まるでいけないことをしているかのような
そんな感覚がナルトの耳から入り込んでくる。
それに堪り兼ねたナルトが、チラリと、カカシを覗き見る。

「せんせー…なんかさ、先生の声…エロイ」

「は?…お前ねぇ、そりゃー肌を吸ってんだから
まぁ、なんだ…そういう音は出るけど、オレはエロくなんかしてないぞ?」

解っている…知らずに漏れる鼻から抜けていく声。
反応を強める下半身。

ダメだと何度自制しても、湧き上がる欲望は
尽きることを知らない。
たが、ナルトに悟られないよう上手くやっていたはず。

「あーうん、解ってるってばよ。
こめんな、変な事言っちまった…」

後ろから見ても、耳朶や、首までも真っ赤で

思わず、湧き出る好奇心を止めることが出来なかった…

かぷっ。

「んうっ…つ、カカ シ センセ…」

「エロい事ってのは、こういう事じゃ無いの?」

耳朶を、咬んで舌先で耳の輪郭をなぞると
ナルトの肩がググっと上がってきて、逃げ腰になる。
それを見届けると、スッと、傷へと戻った。

「余計なこと考えてないで、我慢しとけ、もう少しだから」

その言葉に、大人しく従うナルトだったが
先ほどの刺激が、忘れられない。
あの声に、あの体温に…全てを委ねてもいい…

そんな事を、いきなり考えてしまい
頭を左右に降った。

傷口を舐められ、毒を吸い出されたが
やはり、身体には残っているらしく痺れがナカナカ取れず
カカシが側にいてくれるが、自由の効かない、発熱状態となってしまい
布団の中で、ハァハァと息を荒げていた。

殿や子息もその情報が行ったらしく、診察する医師を
手配してくれたが、カカシは、丁重にお断りを済ませ
お粥を、部屋へと運んだ。

「先生は、ちゃんと食べて来いって…」

「ま、粥を、食えるだけでも十分でしょ?
この状態のお前を一人には出来ないからねぇ。」

「なぁ、なんで医者断ったんだ?」

「…お前何年忍やってるのよ…オレ達の身体には
調べられては困る情報がたぁくさん詰まってるでしょ?
緊急時もしくは、命に関わる時以外は、里で診察を受ける決まりなんだけどねー
特に、お前は血継限界と同じ扱いだよ?」

あぁ、と納得し、ナルトは布団の中で、ごそりと寝返りを打った。



すっと、開かれた襖。
無言で開けれられる人は、この城の主以外は居ない。

ぱたん。

いつもの様に、読んでいた本を閉じると
カカシは、ナルトに起き上がらなくていいよと言い残し
殿と、部屋を出ていった。

なにも…言い残さずに。

「くそっ、何だってんだよ!」

一人には出来ないからと言った癖に
と、唇を尖らせたナルトは布団を頭まで引き上げ強く目を閉じた。

半刻は過ぎただろうか?
やはり、カカシの行方が気になりまだ、痺れる体で
襖の前に辿り着くと、人の気配に、カカシが、戻ったのかと
ほっと息をついてから、青ざめた。

「やべ、感覚までおかしくなってるってばよ」

カカシが、戻るなら…気配はけさないとしても
ここまで、気配を気取れるはずは無いのだ。

ましてや、仙人モードになっているわけでもないのに。
とすると…その主は、やはり先程のように
すらりと襖を開け、畳の上で四つん這いでいた
ナルトの肩に手を置いた。

「カカシが、気になる?」

今まさに、その通りの気持ちを問われ
たが、それを聞いたのは

「子息のあんちゃんに、答えるつもりはねえってばよ」

そう、図られたようにナルトの一人の時に
部屋へと入り込んだのだ。

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